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それがパパでもネネでもママでも

息子は今1歳2ヶ月。
日々凄まじい勢いで成長をしている。

昔病院で勤務していた頃、お子さんのいる作業療法士の先輩が言っていた。
「やっぱり、一通り発達の評価とかしちゃうよねえ」

娘が生まれた時、やっぱりわたしもしてみた。
生まれたばかりの小さな体が、空に向かって手を広げるモロー反射。
足の裏をこすると、小さな花がパッと開くようなバビンスキー反射。
小さな手のひらに指を差し入れると握りしめてくれる把握反射は、反射とわかっていても嬉しくて何度も繰り返した。
フェンシングの姿勢のようになる非対称性緊張性頸反射は、何枚も写真を撮った。
反射とは、親がその子をかわいくおもって、ますます愛しくなるために備わっているのかもしれないとさえ思う。

成長に従って、頭の中で小児科学の教科書をめくり、たまには本当に小児発達検査を取り出し、成長を確認したりした。

彼女については食が細いとか、お友達に手を出してしまったとか、悩むことは多いけれど、発達や成長に関しては特に心配したことはない。
身長体重は成長曲線に収まっているし、言葉は大人のように話すし、運動はちょっとへたっぴだけどそこはご愛嬌。
だから、心配で検査をしたというよりは、実物を見ながら発達過程を再勉強したと言ってもいいかもしれない。


次に生まれてきた息子はどうだろう。
やっぱり、彼についても何一つ発達や成長について心配はしていない。
というより、そもそも何かなり凸凹があるのは当然だとおもっているので、
「へえ〜、君はそういうことがしたいんだねえ」と、単純に受け入れて楽しんでいる。
2人目の余裕かもしれない。


さて、1歳2ヶ月の息子。
コミュニケーション能力は、親バカながらかなり高いとみている。

絵本が欲しければ親のところに来て声をかけ、本棚の前に移動してまた呼びかける。
おっぱいが飲みたいときは、手をグーパーしながら「ヤイヤイヤイ」。
最近は、「ダーダー」とか「ターター」とか、そんな音で家族に呼びかけてくれるようになった。

「ダーダー」
「ターター」

夫も、娘も、わたしも、自分が呼びかけられたことにして、返事を返す。

「なにー?」
「はあい」
「どうしたの?」


その相手は、夫だったり娘だったり、わたしだったり。
平日の朝晩、休日は終日、夫はきっちり子どもたちと過ごしてくれるので、息子は夫の後追いをするほど夫が好き(夫は初の後追いにへこたれているけれど)。
だから「ダーダー」は夫や娘であることが多くて、わたしとしてはちょっと妬けてしまう。

それでも、夫に抱っこしてもらったり、娘とじゃれたり、そんな家族を見ているのは悪くない気分だ。というか、めちゃめちゃいい気分。
呼ばれた人は当選者したように嬉しいので、この誰を呼んでいるのかわからない呼びかけが、もう少し長く続いてくれてもいいなと思っている。

なんていうのは建前で、「アンアー」というのはわたしのこと。
と信じて、こっそりニヤニヤしている。

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