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thee michelle gun elephant『cult grass stars』について書く

 今回はthee michelle gun elephant(以下ミッシェル)のアルバム、『cult grass stars』の収録楽曲について、感想などを自由に書いていきます。
 なお、私は音楽全般に関しては素人なので、楽器の知識や音楽理論などはほとんど備えていません。予めご了承下さい。


初めに

 本題に入る前に、ちょっとした身の上話をします。
 去年の九月頃に初めてミッシェルの「世界の終わり」を聴いてから、何となく良いなと思い、手当たり次第に色々聴いてみて、気付けばほぼ毎日ミッシェルの曲と過ごすようになりました。
 今回記事で紹介する『cult grass stars』は、ふと立ち寄ったCDショップで買ったものです。ちなみに前回の記事の最後で、少しだけ話題に出した『GEAR BLUES』の記事も、そのうち出したいなと思います。
 前置きはこのぐらいにして、次章で本題に入りましょう。

『cult grass stars』

「トカゲ」

 最初に相応しい、軽快で乗れる曲ですね。アルバムの中で一番口ずさみたくなる曲でもあります。まぁ蜥蜴の気分はよく分かりません。生物的には好きなのですが。ちょっと話は逸れますが、爬虫類って感情が判りづらい生物ではありませんか?
 ……それはともかくとして、無条件で盛り上がれるし聴き易い(口当たりならぬ、耳当たりが良いというイメージ)ので、ミッシェルあんまり分からないという人にも、おすすめしたい一曲です。

「strawberry garden」

 実際に曲を流して、ブックレットを広げながらこれを書いていますが、一番歌詞が少ない曲なんですよね。メロディはどことなく牧歌的で、けれどもロックさは健在。あれ、苺の木って? と思ったら実際にイチゴノキという植物自体は存在するみたいです。いや、こんな野暮な発言は無意味ですね。ミッシェルの歌を聴くに当たっては、「考えるより感じろ」な姿勢が良いのでしょうか。
 どうでもいい話ですが、YouTube Musicのプレイリスト「イチゴソング」にこの曲が入っていました。

 私が愛してやまないバンド、アーバンギャルドの「いちご黒書」もあるので、そちらも是非。

「キング」

 何となく、「キング」=頂点に立つ者、自由だが孤高の存在であることを喜びながらも、本当は誰かに干渉されたいのかな、みたいなニュアンスを感じ取りました。自由になり過ぎて、人として落ちぶれた自分に誰も関わろうとしない、的な。
 曲の意味ばかり考えるのもアレなのですが、「そういう性分なんだな」ぐらいに受け取っていただければと思います。

「世界の終わり(primitive version)」

 もう、何という言葉で表せばいいのか分からないぐらい、私に衝撃を与えた一曲でした。これをきっかけに、ミッシェルにハマっていくわけですね。この五分間で、一つの世界観が出来ているような気がします。「世界の終わり」という名前なのに、歌詞の中でもその終わりの予兆が語られているのに、全然暗くない。いつもより濃い橙色の空を眺めながら、普段通り紅茶を飲む情景が浮かびます。
 あれ、何だか気恥ずかしいことを書いてしまいました。primitive versionはMVのものより間奏が少し長めですが、私は断然こっち派です。最後の余韻に浸れる感じがいいですね。

「toy」

 バックでずっと流れているギターとベース、ドラムが心地良く、落ち着ける一曲。途中の特徴的な響きもまた一興。伸びやかな歌声も相まって、子守唄みたいで、このまま眠れそうです。でもまだ眠るには早い。

「ブラック・タンバリン」

 これも思わず口ずさみそうな、ノリの良い曲。そういえばカナリヤと聞くと、「カナリヤ鳴く空」を思い出しますね。初めてチバユウスケ氏の歌声を聞いたのも、この曲だったような気がします。

 「ブラック・タンバリン」に戻りますが、何となくストーリーが思い浮かびそうな歌詞ですね。夢を追いかけ続けているけれど、一向に実らない話、といった感じでしょうか。「ブラック・タンバリン」、絶妙なワードセンスには脱帽しました。

「I was walkin' & sleepin'」

 こういう気分、私にもあります。ミッシェルがぐっと身近に感じられた一曲でした。そういえば英語の一人称は「I」ぐらいしかないけど、日本語の一人称は無数にあるよな、とか考えながら聴いてもいました。ん? さっきの「ブラック・タンバリン」でも「おいら」でしたね。歌詞中の一人称に注意しながら聴くという楽しみもありますね。

「Dallas fried chicken」

 いわゆるインストという曲形態です。最初に聴いた時はあれ、もう終わったの? という感じでした。ドラムメインの曲は珍しいかも……?
 私は本当に音楽のことは分かりませんが、他のアーティストのアルバムでも、たまにインストが収録されているような気がします。小休憩のような感じでしょうか。違っていたら申し訳ない。

「アンクルサムへの手紙」

 アルバム内で「世界の終わり」と一、二を争うぐらい好きな曲です。かなりゆったりとしたテンポで、ノスタルジックな印象を受けます。長めで寂寥感の漂う曲という点では、「ブギー」と共通している気がします。
 アンクルサムは、アメリカ人やアメリカそのものを表す語。まぁ、それが分かった所で、この曲を理解できたわけではありません。湯舟か水槽か、あるいはプールに沈みながら聴いてみたいですね。

「スーサイド・モーニング」

 「世界の終わり」と少し似た衝撃を受けたというか、「スーサイド」って入っているのに、こんなにも爽やかで、晴れやかな曲になるのかぁと感に入りました。
 もう段々暖かくなってきましたが、朝の寒い外気を浴びながら聴くのが良さそうですね(前に続いて、曲を聴くのにぴったりのシチュエーション考察)。

「いじけるなベイベー」

 ここに来て私のエピソードが入るのですが、些細なことでめっきり落ち込んでブルー状態の時に、「いじけるなベイベー」が流れてきて、勝手に励まされた気分になりました。あの時はありがとうございました。
 私は世に言う応援歌ソングはあまり好まない質ですが、私にとっての応援歌ソングはこれです。

「眠らなきゃ」

 全体的にミッシェルの歌詞って、詩に近い詞だと思っています。まだ好きになって半年ぐらいしか経っていない私が言うのも烏滸がましいですが……。
 それで、「眠らなきゃ」の歌詞はより詩的というか、抒情詩のような趣があります。私自身大して詩に詳しいわけではありませんので、悪しからず。
 最後のちょっと恐いけど(こういう音楽技法?)「remember Amsterdam」に自然と繋がっていく音、割と好きです。

「remember Amsterdam」

 アルバムのラストを飾るに相応しいインスト。もう余計な言葉は不要です。文句なしにかっこいい! でも意外と早くあぁ、終わっちゃったなぁと、しばらく無音状態が続きます。


 ……。
 …………。
 ………………。



 では、おやすみなさい。


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