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明日の予約が取れそう問題

明日は午後二時からこどもの小学校で参観の予定がある。
明後日と明々後日はかなり久しぶりの友人たちに会う予定がある。
そして今日、私の前髪および分け目付近には数本、元気のいい白髪がある。

明日の午前中に何をしようか、という話です。
明日の午前中は予定がない。
そして白髪がある。

美容院の予約サイトを見てみますと、わたしが前回行った美容院は10時から12時は予約が入っていません。
なるほど。
髪をメンテナンスしてもらおうと思えば叶うわけか…。

美容院に行きたくなるときはいつも突然で、第一希望の日時は予約が埋まっていることが多々。
でも、なるほど。
明日は空いているそうで。

そうなるとなぜか迷い始める、不思議な心理。
そうかー、髪切れるのかー、染められるのかー…そうかぁ、、

美容院に行くと、疲れる。
わたしはカットだけで美容院に行くことはほとんどない。髪の分け目から伸びた地毛とカラーをした毛のさかい目が、ちょっと度を越えたなと感じたときに行く。最近実験的にやめているけど、パーマの時代も長かった。カラーやパーマをすると、じっと座っていることになるわけで。本を読んだり、スマホをポチポチしたりと退屈はあまりしないけど身体的に疲れはする。でもわたしが怯えているのはその疲れではないのです。

わたしが怯えているのは、美容師さんと何をどれくらい話せばいいのか問題。ずっと黙っていると感じ悪いから「あなたのこと、きらいではないんです全然。ただ今日は読みたいのです、この本を。」というメッセージが伝わるちょうどいい塩梅を、探って探って疲れる。
メインの担当の人とやっとちょうどいい空気が作れた、さてそろそろ本を読んでも大丈夫そうかしらと思った頃。「カラーは少しスタッフ変わりますね。」と新キャラが登場。どーも、と連れてこられた人ともこれまた塩梅問題勃発。
「あなたのことよく存じ上げないのですが、もちろん話したくないとかではないですよ、でもメインの方ほどきゃっきゃとは話さないほうがいいですよね、メインの方とのバランスもありますしね、それに束の間の関係ですしね」とまた塩梅を探る。疲れる。

人と話すのは好きなほうだと思う。のに。どうしてあんなに疲れちゃうんだろう。美容院では、自分の話を、その気はなくても店内中の人の小耳にはさんじゃうかもしれない感じは苦手。考えすぎなのかもしれないけど。
でも、たまたま居合わせただけの、隣のお客さんの身の上話をがっつり小耳にはさめられた経験が私にはある。美容院で美容師さんとする会話はもはや演説の類だと思えてしまう。
年齢も、暮らし方も、考え方も全く知るはずのない方たちの前で演説する勇気もネタも私にはない。というか、美容院はリラックスの場であってほしいと思っているフシがあるから、演説などしたくない。そう、何も考えたくないのです、本当は。
家事からも子どもからも物理的に離れ、じっと座っているだけでいい夢の場所。シャンプーまでしてもらえて、かゆいところがないかまで聞いてもらえて(本当にかゆかった経験は一度もない)、ドライヤーで乾かしてまでもらえる。願わくば、しゃべることも手放して夢うつつでいたいのです。

前回行った美容院は、ここ数年に行った中では塩梅問題がかなりらくちんだったなぁ。担当の人もやさしくて、髪型の仕上がりも家族にも好評だったなぁ。
その美容院の予約が、明日取れるってよ。
白髪、染めてもらえるってよ。
参観日もあるよ?
久しぶりの友人にも会うよ?
さぁ、どうする?

その明日、を今過ごしています。
どうするか考えていたのは昨日のわたし。午前中も元気に過ごして、午後からは子どもの参観に行って、晩御飯も作り、お風呂にも入りました。

元気な数本の白髪と共に。

ちなみに昔、シャンプー台で寝そべっているときの手の処遇の正解がわからずに悩んだ時期がありました。その正解はもう見つけましたよ。
シャンプー台で寝そべっているときの手は、おへその上あたりでふーんわり組む、が正解です。この正解を発見できたことは、歳を重ねてよかったと思ういくつかの出来事のうちのひとつです。手、どうしたら?と悩んでいた方は、ぜひやってみてください。ふーんわり、美容院がちょっとラクになりますよ。


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