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映画館で映画を観るとは?その2

少し前ですが、映画館で「ROMA ローマ」を観ました。

ご存知の通り、この作品はNetflixで製作、配信されながら、アカデミー賞で作品賞など獲得した作品です。まるで誰かの夢の中に迷い込んだような、個人的で、それでいて壮大な作品だと感じ ました。私も自分のiPadで見ることもできたのですが、映画館で観ることを選びました。

映画館で観るのと、家でテレビやタブレットなどで観るのと何が違うのか。ひとつは設備、もうひとつは日常か非日常かという点?暗闇で作品世界に没入し、感情を揺さぶられたり、知らない世界を垣間見たり、美しさや作り手の技術に驚いたり…そんな期待を裏切らない作品だったと思います。

東京には数多くの映画館があり、日本で公開される殆どの映画を観る事が出来ます。そしてレンタル店でも旧作も借りられて、映画の情報もあらゆる所で手に入れることが出来ます。
それに比べて人口の少ない地域では、映画館もなく、レンタル店もない。でもネットで情報を調べたり、配信で映画作品を観ることは出来る。そういう意味では格差なく観られる時代なのかもしれません。

でも反面、映画館で観ようと思う人はこのままだと減り続ける気がします。特に車がないと映画館に行けない地方の人は、家で安く観れるならわざわざ調べて映画館に行くのが煩わしいとか、他の娯楽を選ぶ人もいるでしょう。

2018年仙台市内にあった、仙台セントラル劇場(旧桜井薬局セントラルホール)が閉館しました。そこは決して車で行かないと行けない場所ではなかった。それでも観客の減少は防げなかったのは、何故なのか。自分もお世話になっていた劇場なのでショックでした。

今年そこに思い出がある、伊坂幸太郎さんや、佐伯一麦さん、いがらしみきおさんなど、多くの方が執筆された本が出版されました。
https://twitter.com/sendai_central
読んで驚きました。こんなにも多様な映画を上映していたのかと。

実は私もこっそり参加しています。そこにも書きましたが、映画館というのは、言葉にできない思いや、少数派の意見すら呑み込んでもらえる場所だと思う。
だから無くなって欲しくないのです。

令和という新年号から日本の新しい時代が始まろうとしているけれど、お金のような即物的な豊かさではなく、文化的で精神的な豊かさを求める時代になるような気がしています。その時に、映画作品を人と共有し合って、価値観を拡げるというのは大事な事になると思うのです。

『ROMA ローマ』はキュアロン監督自身の子供の頃の思い出が色濃く描かれていると言います。既に個人的な思いを映像で表現し、発表できる時代になっている、だからこそ、映画館で映画を観るという行為が消えないように、守っていくべきだと考えています。

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