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record of tokyo 4

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#スナップ

愛は、常に残ります。

MGMTの最初のEPに入っているlove always remainsという曲が大好きだ。kidsやelectric feelsなど、彼らには名曲がたくさんあるが、このlove always remainsには及ばない。 この曲を聴くと、10年前くらいにライブハウスに死ぬほど行ってた頃の私を思い出す。あの時代や、あの日のことなど、思い出して泣きそうになる。かと言って、かつて行ったどのライブハウスやイベントでも、この曲を聞いたことはなかった。私が一人で部屋の中で聞いたり、電車

拡張、もしくは小さく収まる

ラカンドでの写真展、「タイム・オーバー」の時に撮ったネガをやっと現像した。まだ先月のことなのに、とても古い思い出のようにも感じる。 ロシアの友人、アニャ。タックの洋服を着せられて、ポマードで髪を固められ、胸にはスターリンのピンバッジ、笑えるけどかっこいい。そしてかわいい妹のような。 私はこうやって人と人との繋がりで、展示もできて写真を見てもらってインターナショナルな友人も出来て、これまででは考えられないほど、大きく世界が広がった。けれど、こうして手の平に収まるネガを見てみ

孤独な夜からの目覚め

仕事が早く終わったので、機材などを物色しに、私は夜の新宿に来ていた。一通り用事が済み、そう言えば、と思って、「でも、ふりかえれば甘ったるく」が陳列している様子を見に行こうと、本屋さんへ向かった。この本が発売される直前、元彼氏が、一緒に本屋さんに並んでいるところを見に行こう、と言っていたけれど、私は今、颯爽と一人で向かっている。未来はいつも、思い描いているものとは違う。思い描くから違ってしまう、とも言うのかしら。 店内は、仕事が終わったらしい人々で賑わっていた。本屋さんの

作らずにはいられない

最近は2011年から2012年あたりの音楽を聴くのがマイブーム。あの頃って今聞いても良いなあ、と思うのは、あの頃聞いてた自分がいるからだ。 その頃の私はCDをよく買っていたけれど、買った袋の中に入れてくる何の興味もないアーティストのフライヤーが大嫌いだった。新譜の宣伝や、ライブ情報など。宣伝というのは難しいもので、より大勢に知ってもらおうと躍起になってやればやるほど、いやらしさが出てくる。消費者は生産者が思っているよりも、もっとずっと敏感なので、そういうものにすぐ気が付く。

落とし物

人の携帯を5回くらい電車の中で拾ったことがある。私に拾われるなんてラッキーな人だなあ、なんて思いながら駅員さんに届ける。 今日は目の前を歩く人が切符落としたので、サッと拾って渡した。 「切符、落としましたよ」 「あら、これ私のものかしら?」彼女は切符をまじまじと見ている。 「そうですよ、あなたが落としましたよ」 「あ、そうですね、私が買った切符です、どうもありがとうございます!」 「いえいえ。」 私は落とし物を拾ったとき、本当は本人にとって要らないものだったのか

線を追って

人生を電車に例えて、決まったレールの上を歩くことを嫌がる人がたまにいるが、決まったレールの上に乗っかっているつもりでも、それが本当に何のトラブルもなく終着駅まで着く人はいないと思う。 スーツを着たサラリーマンを嫌う人が知人でいて、なぜならそういう人達に随分虐げられてきたらしい。ネクタイしてない、車持ってない、結婚してない、そういう条件だけで人を見てくる連中だ、人を見下してくるんだ、と言っていた。 見た目で判断するなという人が、見た目で判断しているのだから、これは大した矛盾

遠い渚

カラー暗室は新宿御苑にあるplace Mを利用している。友人と一緒に暗室を作ったが、それはもうやめてしまった。レンタル暗室にまた通い始めた。 以前、小松透さんの「遠い渚」という小さな冊子をplace Mで買った。丸い枠に綺麗なモノクロプリントがなぜかとても気に入って、購入した。キャプションはあまり読んでいない。 先日、暗室作業を終えて出てくると、展示の入れ替え作業が終わった人たちが酒を飲んでいた。そこに小松さんもいらっしゃった。その場にいた、何人かの人たちで、写真の話をし

可能性を潰さない

フィルム装填や巻き上げが下手くそなので、すぐに感光させてしまう。写真は好きだと言う割に、始めた頃から何も上達していない気さえする。そんなことはないけれど、ウッカリする自分にとても嫌気がさす。 あー感光しちゃったーもったいないー現像出しても無駄かなー、と泣きながら友人に言ったら、「とりあえず現像出せばいいじゃん、最初の方は写ってるでしょ」と言われた。 本当に写ってた。 どんな時も、続く道を絶ってしまうと本当にそれで終わりだが、少しでも可能性があるならば、そちらを選んだ方が

憧れの純喫茶

純喫茶ってどういう定義なんだろう?ずっと前、疑問に思ってパフェとともにinstagramでポツリと書いたところ、お酒の出ないところが純喫茶だよ、とご教授いただいた。そういうことなのか。 喫茶店はどの店が好きとか、何が好きとか、こだわりは殆どないのだが、とにかく喫茶店に入ることが私にとってのステイタスなのだ。特別な私になれると思い込んでいる。 でも生粋の江戸っ子なので、コーヒーなんかは、出てきてからものの10分ほどで飲み干してしまう。これじゃラーメン屋や蕎麦屋のランチと何も

あなたと私の良いとこ悪いとこ

人の悪い噂はすぐに広まるので、極力言わないように心がけている。とは言え、まっったく言わないお人好しのできた人間には絶対になれないので、気心の知れた友人とは酒の肴にして話してしまう。アララ。大丈夫、私もどこかで言われてる。うまい酒になっていれば、幸いです。苦しゅうない。 そんな話を移動中の電車内にて話していたら、「悪い噂も、見方によっては違うよね」との一言を頂く。確かにそうだ。 誰かから見れば悪い印象でも、反対側から見れば決して悪い印象とは言い難い、といった場合もあるだろう

2018春

友人のツテで、auntie rosaとaunt marie'sのzozotown掲載用の写真を先日撮った。洋服は可愛いし、モデルさんも可愛いし、大変だけど楽しい現場で、毎回ワイワイしている。 model / yutaka katagiri 通販カタログや、雑誌のモデルさんを姉と一緒に見ては、いっせーので好きな服に指を差す遊びを子供の頃にしていた。まさか私が、撮影する方になるとは思ってもいなかった。 model / aduki oguchi このような現場にいる時、社会

おもいだせ幸福論

やることは沢山あるのに、息するだけで本当は精一杯だから、何から手を付けていいのか分からない。1日に10時間は寝たいのに、やるべきことが何も進まないので、無駄に夜更かしをして悪循環。やる気はあるのに、なにも成し遂げられない自分に焦り、一人で軽いパニック状態。泣きながらラインをしたら、うちにおいでよ、と優しい近所の友人宅にて美味しい食卓をいただく。その時は、スッカリ嫌なことも忘れて楽しかったばっかりに、帰ってきてからまたグルグルと考えるばかりでなにも出来ないギャップに勝手に苦しむ

是が非でも何が何でも写真展「号外タイムオーバー」に来てほしいです。

かなり期日が迫っているのに、ぶったまげるほど進まない号外タイムオーバーの準備。noteまでサボっているのに進んでない。えらいこっちゃ。 展示会場のラカンドさんに声をかけていただけたこと、これは本当に素晴らしいことであって、この世界には掃いて捨てて掃いて捨てるほど(2回掃いて捨ててもまだ掃いて捨てるほど)居るカメラマンの中で、作品を見ていただいて、「展示をしませんか?」と、声がかかるのは、その中のたった一握りかと思われる。 ということで私に、またとないチャンスが巡ってきた。

てくてく歩く、ザギンまで

続きを書くと言っていた、日本橋の休日その2です。 私たちは写真展を後にし、周辺でランチを済ませ、とりあえず銀座まで歩くことにした。銀座、というか銀座1丁目にある沖縄物産店に目標を定めて歩いた。寒い寒いと、途中無意味に店などに入り、暖を取りつつ歩く。日本橋から銀座まで大した経路じゃないのに、迷いそうになり、一時喧嘩しそうになる。私はとても勘が鋭いので、こういう時とにかくこの場を落ち着かせようと思い、ありとあらゆる心理的作戦を駆使して、一触即発状態を切り抜けられる。この芸当誰に