なぜ私たちは物語に癒されるのか?あるいは、夏目漱石が小説家になった理由について
本稿の成り立ちと目的について
前回、村上春樹の考える「小説の役割」について考察しました。
この引用文にて、村上春樹は「小説の目的は、人(読者)が自分で考えること」と言っています。ですが、その言葉の意味が分からない。
一般的に「考える」という言葉を使うときには、論理的思考のことを指します。しかし、論理的に考えることを目的とするのであれば、法科大学院で法律を、あるいはMBAで西洋式マネージメントでも学べばいい。あるいは、自宅で哲学書でも読んで考えれば済むはずです。
でも、