是非観て欲しいUNRIVALEDのルールと魅力

2023/02/26に行われたUNRIVALED2。
マッチメイクの話題性はもちろんのこと、自分としてはUNRIVALEDのコンセプトそのものに魅力を感じています。
グラップリングメインの興行とはなっていますが、その他の組技競技の知見がある人ならば楽しめるルールになっていると思っています。
とはいえ、あまり馴染みのないルールなので自分も試合を観ながら細かいルールを把握しました。
今回は一般的な柔術やグラップリングのルールと比較しながら説明していき、魅力を伝えていければと考えています。
気にはなっているが、まだUNRIVALEDを観たことない人に是非今大会のPPVを購入して視聴して欲しいので、個人的に感じた素敵な部分を紹介していければと思います。

UNRIVALEDの基本


プロとアマチュアで多少ルールは異なりますが、プロマッチを基本に進めていきます。
試合時間は15分。
勝敗はサブミッションとポイントによって決定されます。
時間内に勝敗が決定しない場合はサドンデス。
サドンデスの場合、時間無制限(多分)でポイントの先制orサブミッションによって勝敗が決定します。
時間設定としてかなり長いと思う人も多いかもしれませんが、実際に試合を観ているとアグレッシブな選手が多いため意外とあっという間に終わるな、という印象です。

サブミッション


プロマッチでは打撃以外何でもアリといっていいでしょう。
ネッククランク・外掛け・ヒールフック・カニバサミ・バスターetc…
思いつく限りの攻撃は大体OKです。

ポイントシステム


これが他のルールと比較した際、大きく異なる箇所であり、UNRIVALEDの特徴となる部分です。
主なポイントは下記のようになっています。

2ポイント
・テイクダウン
・スイープ
・サイドポジション
・マウント
・バック

1ポイント
・エスケープ

-2ポイント
・引き込み

普段柔術やグラップリングを嗜んでいる人からすると驚く箇所がいくつかあると思います。

2pt(TD,SWEEP,SIDE,MOUNT,BACK)


テイクダウンとスイープにならびサイド、マウント、バックも2ポイントになります。これにより、マウントやバックを取ったとしても逆転される可能性が大きく増えました。さらにスイープにおいては上下が入れ替わった場合、無条件に加点されるのでマウントから上下反転してクローズドガードに入れたとしてスイープのポイントが入ります。

そしてUNRIVALEDにはパスガードの概念がありません。
これは試合を観ていて初めて気づきました。
ガードを経由しなかったとしてもサイドから抑え込みをすれば2ポイント入ります。
テイクダウン(+2pt)→ガードに入らずそのままサイド(+2pt)
この動きで4ポイント入ります。
そしてポジションの移行でもポイントが反映される為
サイド(+2pt)→マウントorバック(+2pt)→サイド(+2pt)
この動きで6ポイント入ります。

上記の内容を踏まえてポイントシミュレーションすると
赤コーナー:テイクダウン(+2pt)→ガードを割ってサイド(+2pt)→マウント(+2pt)
青コーナー:マウント状態で上下反転(+2pt)→ガードを割ってサイド(+2pt)→マウント(+2pt)→サイド(+2pt)
この展開だと6-8で青コーナーの勝ち越しになります。

ちなみに柔術(JBJJF)ルールの場合
赤コーナー:テイクダウン(+2pt)→ガードを割ってサイド(+3pt)→マウント(+4pt)
青コーナー:マウント状態で上下反転(0pt)→ガードを割ってサイド(+3pt)→マウント(+4pt)→サイド(0pt)
となるので9-7で赤コーナーの勝ち越しになります。

こうして比較するとUNRIVALEDのルールはシンプルに構成されているのがわかります。上下が入れ替わったら加点。サイドで抑え込んだら加点。ポイントが入るとしたら大体2点。
初めて組技の試合を観るとしたらUNRIVALEDのルールの方が理解しやすいのではないかと感じました。

1pt(ESCAPE)


1ポイントはエスケープのみになっています。
エスケープの定義としては
・サイド、マウント、バックから脱出し、スタンド状態に戻す
とのことです。
中々展開として起きうる事が少ないですがこのルールの存在意義として
UNRIVALEDの掲げる
「あらゆる組技格闘技が平等にその技を競う」
という概念が元となっていると思います。
それが顕著に表れているのが次に説明する-2ポイントの引き込みです。

-2pt(PULL GUARD)

ポイントにマイナスなんてあるの?と思った人もいるかもしれません。
通常の柔術やグラップリングの展開として当たり前にある引き込みですが
UNRIVALEDでは-2ポイントとなります。
何故?と思うかもしれませんが先ほども登場した
「あらゆる組技格闘技が平等にその技を競う」
という概念を軸に立ち技が重要視されるルールになっています。
UNRIVALEDでは柔道・レスリング・MMAの選手が参加することもあり、組技の試合という広い視点で見たときに引き込みはあまりにも柔術・グラップリングに有利すぎるルールとなります。
かといって引き込みを禁止にするのではなく、あくまでハンデとして-2ポイントが課せられるのがUNRIVALEDの魅力の一つです。
立ち技で勝負出来ないのなら失点を恐れずに最初から引き込み、スイープするなりサブミッションを取ればいい。
このルールが選手のアグレッシブさを加速させる要因の一つとなっていると感じます。

ちなみに、柔術でいうアドバンやルーチのようなものはありません。

その他のルール

細かいルールは様々ありますが、他にもUNRIVALED特有のルールがいくつかあります。

IPPON

道着マッチでの投げ技はサブミッションに匹敵する位置付けになっています。スタンド状態からテイクダウンを仕掛けた際、相手が背中から着地すると投げた人の一本勝ちになります。これは個人的に好きなルールでテイクダウンの攻防がより激しくなり、見応えのあるものになっていると感じました。

場外

試合中の場外は、無条件で中央からスタンドでリスタートとなります。スイープやサブミッションを仕掛けられている最中でもストップがかかり、問答無用のスタンドになります。
こちらのルールを駆使して作戦を組み立てている選手も何名かおり、実際に有効に働いているように見えました。

個人的な見どころ

ざっくりまとめると
・ポイントを取るハードルが低め
・ポイントの加点幅が狭いのと試合時間が15分ある為、逆転が全然あり得る。
・異種試合が観れる(例:MMAファイター vs 柔術家)

他にも大きな魅力として場内演出があります。これは観て体感してください。是非PPVの購入を。


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