「お前を崖から落としたのは俺だけど、死んだのはお前自身が選んだ結果」理論
加害者がよく使う理論ですが、根本的な矛盾を気付かれにくいです。
まず、Aは何かしらの理由で、もしくは理由がなくBを崖から落としました。
Bは無防備です、落とされること自体が想定外のことです。
想定内であっても関係なく、高い確率でBはすぐ死んでしまうだけです。
でもAは、この結果を招いてしまったのは、自分のせいではなく、Bが自分で選んだことだと言います。
その理由は、Bは死ぬ前に何かできたからだと言います。
例えば、
落ちても死なない身体にするとか、
常人外れの身体能力で崖を登るとか、
あるとは限らない崖に生えた木を掴まえるとか、
そこの毒蛇で崖の上に登るとか、
いくらでもあります。
AがBをそもそも最初から落とさない、という選択肢は絶対にありません。
Aも崖に飛び込んでみないかと質問したら、死んでしまうこと以外何も起きないからしないと言います。
Bと全く同じ人格と思考で、同じことを全部しても落とされるとは限りません。
とにかく、Bを落とします。
こんな風に書いてみたらはっきり分かるでしょう。どうしてBだけを落とす必要があるのか、どうしてBは言われた通りにならないといけないのか、どうしてBを落とさない選択肢はないのか、それを説明できないと論理性のある主張とは言えません。
これは「崖に落とした」行為じゃないと言ったら、なんでもありになってしまいます。