反復性膝蓋骨脱臼の手術をしました②
今回は、受けた手術の内容、
それから手術を決意したきっかけについてです。
2019年9月24日に、左のヒザを手術しました。
反復性膝蓋骨脱臼の手術です(疾患については前回参照)!
初めての手術で左ヒザを選んだ理由は、利き足(右足)を残しておきたかったから。
手術の説明を受けた時に
「元通りに動けるようになるのは、術後3ヵ月後から」
と言われていたので、
その3ヵ月間の生活を考えて、少しでも不便がないように右足は残しました。
どんな手術か(ざっくり)
膝蓋骨を、いろんな手法で内側に引っ張る手術です。
膝蓋骨が外側に引っ張られると脱臼するので、それを予防するため、逆の内側に引っ張ります。
これは人体を正面から見た絵です。四角く囲ってあるところが左ヒザ。
中の骨の配置はこう。赤い丸が膝蓋骨で、これが外側に行くと脱臼です。
脱臼。
膝蓋骨が外側にズレるのが脱臼なのであれば、
脱臼を予防するためには…
・膝蓋骨を外側に引っ張る力を弱める
・膝蓋骨を内側に引っ張る力を強める
あの手この手で膝蓋骨を内側に引っ張ります。
手術内容
やりようは色々あるんだけど、
この3つでした。
①MPFL再建術(定番)
②外側膝蓋支帯切離術
③脛骨粗面内方移行術(骨切り。ちょっと珍しい)
あと、膝蓋骨の裏側をなめらかに磨いてもらいました。
全身麻酔で一気にやります。手術時間は約3時間。
それから、当初の予定では「内側広筋縫縮」もありました。が、当日中止になりました。
①MPFL再建術
またの名を、内側膝蓋大腿靱帯再建術。
これはド定番の術式らしいです。
「北海道旅行に行くなら海鮮丼!」
みたいな。
「膝蓋骨脱臼の手術するならMPFL再建!」
みたいな。
MPFLは靭帯の名前です。膝蓋骨を留めておく綱の一種。
ヒザの内側にあります。
みなさんあります。
このMPFLは、脱臼を繰り返すと千切れます。
なので作り直します(再建)。
自分の身体から、使ってない腱を取ってきて、
その腱を材料に、MPFLっぽいものを作ります。
材料となる腱ですが、ハムストリングスの一部を使ったそうです。太もも…?
再建した2代目MPFLは、大腿骨にぐるっと巻き付けるようなデザインになります。
実際は巻き付いているのではなく、
大腿骨に穴をあけて、腱を通しています。
②外側膝蓋支帯切離術
外側膝蓋支帯は、膝蓋骨を外側に引っ張るやつです。
外側に引っ張られたら脱臼してしまう。
それは困るので、切ります。バチンと。
③脛骨粗面内方移行術
今回の大目玉!
骨切ったり釘打ったりするやつです。
まず、もともと、膝蓋骨を上下に引っ張っている腱があるんですね。
ピンクの三角×2が腱。
で、上の腱(大腿骨側)はどうでもよくて、狙いは下の腱(脛骨側)。
下の腱が生えてる根本部分を、より内側に移動させます。
こうですね。
下の腱の根本は脛骨(黄色い部分)に埋まっています。
なので、腱の根本を移動させるにあたって、土台である脛骨ごと腱をくり抜く必要があります。
くり抜いた骨片&腱を、脛骨のもっと内側あたりに移し、スクリューで留めて完成です。
完成品がこちら!
左脚のすねを横(内もも側)から見たレントゲン。
やったことまとめ
こうして人は、膝蓋骨(赤丸部分)を内側に引っ張るのであった。
各術式に詳しい病院HP!
・MPFL再建術に詳しいHP▽
・外側膝蓋支帯切離術
・脛骨粗面内方移行術
に詳しいHP▽
手術を決めたきっかけ
23歳の時に職場で部署異動があって、接客系の業務(銀行や病院の総合カウンターにいる職員さん、みたいなイメージ)に就いたからです。
書類を持っての立ち座り・歩き・時には小走り…といった動作が頻繁にある。その上、繁忙期が年に数回ある。
もし、脱臼して急に数日間動けなくなったら、その間仕事ができない。
しかもそれが繁忙期中だったら、同僚に迷惑をかける。
でも脱臼は突然起こる。予防ができない。
異動から1年。
今の仕事が好きで、
今後も続けることを考えると、手術で根治するしかない。
と思ったのが一番の理由です。
ちなみに異動前の業務はほぼ1日中デスクにいる感じで、ヒザが動かなくてもあまり仕事に影響はなかったのです。実際、松葉杖で出勤していた時期もある。
あと他の理由としては、
・成人したらヒザを出すファッションをしなくなったので、手術跡が残ってもいいやと思った
・母親(脱臼持ち)から「昔、赤ん坊(しんた)を抱いてお風呂に入ろうとして脱臼し、思いっきり転んだことがある」というエピソードを聞いた。
聞いた瞬間、すごい怖いけど私もやりそうと思った。なので、妊娠や育児が始まる前に手術を受けておきたいと思った。なお予定はないです。
・医師から「脱臼を繰り返したことによりヒザの軟骨が擦り減っている。このままいくと数年後には歩行に影響が出る」と言われた
というのもあります。
手術のこと自体は小学生のときから知っていました。
病院にかかるたびに勧められて、
受けるかどうかずっと迷っていました。
術後3ヵ月も動けないんじゃ学校困るし
人から見える場所に傷が残るのはイヤだ
いつか手術しなきゃいけないけど
今すぐじゃなくてもいいじゃん
という気持ちでした。笑
というわけで約15年悩んでいたんですが
今回ようやく覚悟を決めました。
「手術を受けてでも仕事を頑張りたい」と思えるような職場に出会えたこと。
その職場の皆さんから温かいご配慮やお心遣いをいただいたこと。
そのおかげで治療に専念できたこと。
家族や友人、上司や同僚、いろんな方が手術を応援してくださったこと。
本当に恵まれているなあと思いました。
もう、本当に感謝しかないです。
来週、職場復帰です。
頑張ります!! よろしくお願いします。
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