反復性膝蓋骨脱臼の手術をしました①
しんたです。お世話になっております。
今回はタイトルにもある反復性膝蓋骨脱臼(はんぷくせい・しつがいこつ・だっきゅう)について、イラストでざっくりご説明する回です。あと自己紹介をします。んで次回は手術の話。
この病気は整形外科系の疾患にあたります。なので、原因にしろ治療にしろ、目に見える要素が多くて分かりやすいです。工作っぽい。
私が10代のすべてをかけて向き合った疾患。15年迷った末に受けた手術。その情報が、もし誰かのお役に立てたらとても嬉しいです。娘さんのいる方とか。
ヒザの機嫌をうかがう人。
反復性膝蓋骨脱臼とは何か。症状、原因等
「反復性膝蓋骨脱臼」でワンフレーズですが、敢えて分けるなら
①膝蓋骨
②脱臼
③反復性
になります。
①膝蓋骨とは
膝蓋骨とは、いわゆる "ヒザのお皿の骨" です。
皿…と言われてもピンと来ない方は
想像でいいので
・仰向きに寝て、両ヒザを立てる
・そのまま左ヒザを見る
という、上図の体勢をとってみてください。
その方向から見ると、ヒザ~太ももの中に2つの骨が入っていて、位置関係はこう。
赤いのが膝蓋骨です。
太もも側から見ると逆三角形みたいな形してるけど、真上から見ると丸い。
②脱臼とは
骨が、何らかの拍子に本来の位置から外れてしまうのが、脱臼です。
肩の脱臼とか有名ですね。スポーツ選手がなるやつ。
これは脱臼した膝蓋骨のイラスト。
膝蓋骨の脱臼の場合は、あるあるがあって
・外側に外れる
・勝手にもとに戻る(病院ではめ直す必要がない)
というパターンが多いらしいです。
確かに私も20回以上脱臼してるけど、すべてこのパターンだな。
どうせなら一回くらい、アクロバティックで激レアな脱臼を経験してみたかったかも。
嘘です。脱臼したくない。
③反復性とは
膝蓋骨脱臼をたくさんやると、「反復性」というステータスがついて「反復性膝蓋骨脱臼」になります。
「客」が「常連客」になるようなもんですね。
何度目の脱臼で診断名に「反復性」がつくのか?
その基準は曖昧です。医師にもよるのかな。
病院で「私、以前も同じような脱臼したことあって…」と言ったとき、
「もう数年様子を見て、繰り返すようなら反復性」と言われたことももちろんあるし
「そうなの?じゃあ~反復性だね!反復性膝蓋骨脱臼!」と言われたことも数回あります。
ご飯屋さんの常連客になるよりハードル低くないですか?
で、気になって調べてみました。
膝はと言うと、20〜50%の割合で再脱臼すると言われています。再脱臼が一度起こると、その後は何度も繰り返し、脱臼が癖になってしまうケースが多数。そして、癖になってしまうと反復性脱臼と言って、強い衝撃がなくても膝蓋骨がずれるようになり、治療する方法は手術するしかありません。
https://www.knee-pain.jp/knee-dislocation/
再脱臼を起こした時点で、けっこう詰みっぽい。
二度あることは三度ある。
逆に言うと、2回目の脱臼をしなければいいんですが…
脱臼経験者の約半数が2回目やるって、割合高くない!?
もうこれ初回脱臼の時点で詰みでしょ。
膝蓋骨脱臼、どういう人がやるのか
膝蓋骨脱臼をするひとは生まれつきの素因を持っている(脱臼素因)ことが多く、膝蓋骨や大腿骨(だいたいこつ)の形や位置の異常、大腿四頭筋(だいたいしとうきん)の作用する方向と膝蓋腱(しつがいけん)の方向が異なっていることなどがあげられます。 https://www.juntendo.ac.jp/hospital/clinic/seikei/about/disease/sports/sports_07.html
脱臼をする人の多くは、生まれつきそういう体質なんですね。
あれです。
やる人は何度もやるし、やらない人は一生やらないっていう。
浮気野郎の話みたいだな。
膝小僧の話ですよ。
あと、10代の女性に多いです。
理由としては、まず成長期で身体ができてきて、上記の体質が出現してくる時期だから。また、ホルモンバランスの影響で、ヒザを囲んでいる筋肉や靭帯が弛みやすくなるから。
骨の形や身体の柔らかさも関係してきます。
あひる座りができる人は女性が多い、という話がある通り、体質には男女差があります。脱臼するには女性が有利。
初回脱臼は突然来るので、娘さんのいる方は言葉だけでも知っておいてあげてほしいなぁと思います。
脱臼するとどうなるか。感覚、対応等
脱臼した瞬間に感じることは3つあります。
痛みと腫れと羞恥です。
①痛い
痛い。これ赤文字で書きたい、痛い。脱臼する瞬間って、膝蓋骨が周囲の軟骨をゴリっと削ったり、近くの骨(大腿骨)と擦れたりする。そのせいなのか、次の血管の関係なのか、とにかく痛い。
②腫れる
膝蓋骨が脱臼するときの勢いで、ヒザ周辺の血管やリンパが切れ、ヒザに血や水が溜まって腫れる。ちょっと笑っちゃうくらい、モッコモコに膨れて熱を持つ。この腫れが邪魔でしばらく膝が曲がらなくなる。
③突然転んで恥ずかしい
脱臼するとだいたい転ぶ(片ヒザが突然機能を失うので)。例えば道をのんびり歩いているときに脱臼すると恥ずかしい。本人は転倒し、痛みで起き上がれない。通行人には心配され、子どもには注目される。
こんな感じ。
脱臼初心者のときは③が一番きつかった。思春期だし目立つの嫌だし。
でも大丈夫です。恥ずかしさはそのうち慣れます。
脱臼後の対応は、痛みや腫れの程度によって変わります。
軽ければ、タクシーや徒歩で自宅に帰り、氷枕で冷やして安静にしていればOK。
症状が酷くて長引きそうなら、現場近くの整形外科に行く。
病院でやることは毎回同じで、
①痛みについて:レントゲン(場合によってはMRI)を取って周辺組織の損傷具合を確認。
②腫れについて:当日と1週間後の計2回、ヒザに注射針を刺し、中の血や水を抜く。
③今後について:手術を勧められる。
この3つ。
注射針は苦手ですが、②が一番の目的です。こうやって抜かないと、1ヵ月ほど腫れっぱなしなので。
というわけで
反復性膝蓋骨脱臼、ざっくりですが、こういう疾患でした!
プロフィールとヒザ略歴
しんただよ~
1994年12月生まれ。女性。
仕事は事務職。千葉県出身。
運動嫌い。一切やらない。学生時代は吹奏楽部。
好きな食べ物はチョコとトマト。右利き。
9歳(小4)の冬に初回の膝蓋骨脱臼。
原っぱで鬼ごっこしてたら脱臼→そのまま病院で診断。
その後、年間1回以上のペースで左右どちらかの膝を脱臼しながら日常生活を送る。
・中学生の時、林間学校中に脱臼し、途中から車椅子参加になる
・就活生の時、最終面接の会場へ行く途中に脱臼し、選考辞退
・階段で脱臼し、一番下まで転げ落ちるという合わせ技
・映画館で脱臼し、ポップコーンをぶちまける
…など、活動は多岐にわたる。
あまりにも脱臼するので、体質面を調べたら
見るからに外れやすそうなヒザしてた。
あと、Q角は右脚が24°・左脚が23°あった(正常値は15°以内)し、X脚だし。
とはいえ、20回くらい脱臼して、半分以上は軽い症状で済んでいます。
松葉杖や車椅子が登場するような事態になったのは6回程度です。
20歳の春に就職。3年間デスクワーク。
23歳の春に部署異動。接客系の業務にうつる。
24歳(社会人5年目)の秋、2019年9月24日に左膝を手術。
経過をみて、1年後に右膝も手術する予定です。
まとめ
・膝蓋骨を繰り返し脱臼すると反復性膝蓋骨脱臼になる。
・今後ともよろしくお願いします!
・次回、手術の話!
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?