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深い谷から抜け出して

まるで深い谷から抜け出せたような、
そんな感覚を持ち始めた。

私はきっと、側から見れば恵まれているのだろう。
もちろん、そういった自覚もある。

でも、心底ではそう思えない部分が多い。

どこかで折り合いを付けて、生きてきた。

「結局、こういうものか」
「はいはい、またこのパターンね」と諦めて、
心の中に仕舞い込んだことも、幾つもある。

人はそれを社会経験だとか、
成長だとか捉えて、無理矢理収めようとする。

私にとっては、絶望の連続だった。
経験値の層は厚くなったけど、
思考がマニュアル化しつつもあって、どこか気持ち悪い。

恵まれていないと感じて、
自分でなんとかしなくては、と思うことがよくあった。

恵まれていることに気付いていない人は、
考える必要がなくて羨ましい、と感じる。

気付かないままで居られることの幸せ。

羨ましいけど、私はそんな幸せは求めていない。

試練ように降ってくるから、
どうしても避けられない。

人生のマイナスと捉えてもいい部分を
受け入れて、向き合ってきた。

そんな風に思えるようになったのは、
今、山を登り始めている実感を抱いているから。

きっとこれまで
事象を深く考えて、
自分の中で複雑化していた。

これからは
物事をある程度、突き詰めたら、
とことん削ぎ落としていきたい。

例えば
人の気持ちを考えすぎないこと。
先読みしすぎて、
返って重たい感情を与えてしまうから。

その代わりに
言葉と伝え方のバリエーションを増やして、
道具として使いこなすこと。

そしてよく思うこと。
若干、空気が読めないほうが尊敬されるのだ。

その違和感が、新しい価値観として
受け入れられるようになれば、
やがて、それは魅力となる。

どんな環境に身を置いても、
結局は自分の捉え方次第だということ。

ただ、新しい環境に身を置いたからこそ
習慣が変わり、
付き合う人が変わり、
これまでの価値観が変わった。

本来の自分を見つけて
在りたい姿が明確となった。

やっと、深い谷から抜け出すことができた。

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