軍師の海底送り

 連盟チャンネルの対局で麻雀オタク心をくすぐる1局があったので紹介します。今回の主役はEX風林火山の勝又健志プロです。

 第39期鳳凰戦A1リーグ最終節B卓の4回戦から。最終戦の条件としては西川プロは決定戦進出のため大きなトップが欲しい、古川プロは残留のため箱ラスは回避したい、杉浦プロと勝又プロは上も下も離れており普通に打つ、といった状況です。まぁ特に今回の局で条件を意識する必要はありません。

※一発裏ドラ赤ドラのないルールです

 場面は終盤から。親の西川プロが三副露をしており、5巡前に2万を手出ししています。非常に違和感のある手出しですが、オリはないのでよくよく考えると5万とのスライドくらいしか可能性がなく単騎待ちが濃厚に見えます。勝又プロの手牌ですが、打てない白と發を掴んでギブアップという感じです。

 古川プロは最終手番で三索をツモ切ると、これを杉浦プロがポン。打七索としました。

 さて、このままいくと勝又プロが海底のツモ番なのですが、この七索は絶対にチーすべき牌です。なぜでしょうか?

 このまま自分が海底だった場合、安全牌を切って流局することはできますが、親はもちろん場に通ってない三索や七索を切った2人も100%テンパイだと断定できます。よって、ノーテン罰符3000点を払う必要があります。

 ここで親にハイテイを回すとどうなるでしょうか。最悪のケースはツモられですが、ドラの九筒は4枚見えているので西川プロの手は中ドラ1止まり。仮にハイテイでツモられたとしても2000点オールですから罰符よりも安く済みます。

 そして最良のケースがこちら。

軍師からロン牌のプレゼント

 親がハイテイでアタリ牌をつかむパターン。連荘したい西川プロは手を崩すことはできず、八索打ち込みの憂き目にあいました。点棒を払わずに局消化できた勝又先生はご満悦だったでしょう。

 わりと珍しいハイテイ送りのケースだったので紹介してみました。ハイテイ送りをするべき他のケースとしては

  • 明らかに安全牌に困っている人にハイテイを回す

  • オーラス、親がノーテンだと困るのでテンパイしてもらうためにハイテイを回す

などがあります。後者はプロの条件戦以外あまり使う機会がないと思いますが、前者は普通に使える戦術ですので覚えておくと1年に1回くらい得するかもしれません。


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