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10.2度目の補給へ最終確認

北極点でやるべきこと

4月11日 6:45AM  ・・・東京事務局にあてたFAX

河野さんチームから聞いた話では、北極点補給時、寒さのため飛行機はエンジンを止めることができず、燃料節約のため大場さんと接触できる時間は、15分間から長くて60分間。相当慌しく、時間がないようです。

補給時にしたい事と優先順位

1 大場さんの鼻・指の凍傷の具合により続行可能かどうかの判断
河野さんチームの大西君が補給時、同席した副操縦士に聞いた様子では、小鼻の一部(どの位かは不明)が掛けている。唇はパンパンに腫れていたという情報が入ってきています。大場さん希望の塗り薬、包帯などは準備済みですが、この先60日前後の冒険続行可能かを現地にて判断したいと思います。凍傷に関する治療方法、症状などに関しての情報を収集してFAXしてください。

2 北極点以後の補給の有無と回数の打ち合わせ及び決定・・・私の考えでは、2週間ごとに3週間分の食料・燃料・バーナー・その他を補給提案したいと思います。補給は5月5日、5月22日頃を予定としますが、大場さんの合図により実施します。

3 食料・燃料・要請品の移し変え・・・多い分は持ち帰り、次回補給に備える。

4 無線機の手渡しと使用方法の説明書・通信時刻の決定

5 着替えの交換・・・洗濯物を持ち帰り次回補給に備える。

6 激励メッセージ・・・最上中学・事務局

7 フィルム・日記・雪サンプルの受け取り。

8 アルゴス1台回収

9 ロシア時間からレゾリュート時間への変更・・・腕時計

以上気づいた点を書きましたが、忘れていることが必ずあるはずなので、事務局でも再検討をお願いします。

テリーさんの所・ブラッドレー社共、たくさんのチームが入り混じっての対応ですので、できるだけ事前の詰めが必要です。それも人間的な接触が重要な要素になっています。ブラッドレー社はわかりませんが、テリーさんのところは、好意でサポートをやってくれているので、気を使ってお願いしている現状です。

昨日も朝、テリーさんとイギリス人との言い争いがあり、FAXを送るのをなかなか頼めない状態でした。FAX・電話は緊急の場合を除き、レゾリュート時間で、7:30から22:30の間にお願いします。又私が日本に帰ってからの補給要請についても、FAX依頼だけではスムーズにいかない面もあるようです。

特に前回補給時のような判断に迷う場合が困ります。そのような時に間中さんは役立ってくれるはずです。彼も好意で協力してくれていますので、気持ちよくやってもらえるような配慮をお願いします。必要だと思われる情報は、できるだけ流してください。来週、ピーターさんに、ブラッドレー社へ連れて行ってもらい、グレックさんと打ち合わせをしたいと思っております。

今心配なのは大場さんの凍傷のことです。凍傷の治療ことがよくつかめていませんので、早めに情報をFAXしてください。昨日、最上中学から大場さんへの激励メッセージが9枚届きました。それを読んだら感激して涙がこぼれました。一度、緊急信号(イーパブ発信)が出たことでニュースが流れたため、真剣な言葉が感じられました。事務局からメッセージがあったらFAXをお願いします。事務局(村田君)も大変ですががんばってください。

                                志賀


・補給体制について

4月12日 12:00PM  ・・・東京事務局へあてたFAX


大場さんの体調がそこそこで、冒険が続行できる場合、5月5日、5月22日頃の2回の補給が必要になってくると思います。その為には、無線機を持ってもらう事と、その無線交信を受ける人が、テリーさんのところへ居るのがベストです。

無線の基地局は共用で別棟にあり、各チームで時間を決めてやっています。2日おき若しくは3日おきに20分前後の会話をしています。電波の状態により、交信できない事もあります。ブラットレー社は、もう少し電波の状態が良い場所にあるので、ここよりは交信の状態が良いようです。この定時無線連絡により、補給日の決定、補給品の用意等をする訳です。

上記内容を考えると、村田君がこちらへ滞在するのが1番良いと思います。こちらへ来る日は4月28日出発が必要です。私は日本での仕事の都合もあり、4月29日レゾリュート発で帰国の予定をしています。村田君が4月29日にこちらに来るのであれば、私のレゾリュート発を5月6日に再度変更したいと思います。これなら引継ぎもスムーズにできて安心と思います。

必要となること

間中さんへ・・またまた上記の内容で、帰国のスケジュールが変更になります。4月14日レゾリュートの空港カウンターで、レゾリュートエドモントを5月6日に変更しますので、エドモントから成田行きのチケットの手配をあたってみてください。できれば今のチケットを変更手数料がかかっても有効に使えれば助かります。わかったらFAXをお願いします。

古川君へ・・・コールマンのピークⅠストーブは、輸入元から提供を受けているようです。探してみてください。帰国スケジュールが上記の内容で変更になります。5月6日、5月7日、5月8日と講習スケジュールが入っています。 野林さんと連絡をとって、スケジュールをこなせるように手配してください。納入先のカルテに全て書いてあり先方もそのスケジュールを組んでいると思います。野林さんにも今までのFAXを見せて状況を説明してください。

4月末の支払いについて、問題があれば事前に連絡ください。支払いに使う印鑑を手配しますが、電話だけでも済むと思います。大場さんの荷物の補給は、村田君がやることになると思いますが、パスポートの手続きはしておいてください。費用は事務の志賀さんに話してもらってください。

村田君がこちらへ持ってくる補給物資は、早めに集めておいたほうがいいと思います。村田君が来ることに決定したら、これから先の補給品は、村田君の住所へ送った方が時間的ロスが少ないと思いますが、内容物の間違いがないかを古川君と連絡をとり、確認しながらやった方が良いと思います。現在手配済みの物をリストにして、いつ手に入るのかを表に作ってこちらへFAXして下さい。

無線機の説明書がきたらすぐFAXしますが、河野さんのチームの方に使い方を聞いて、メモに書き準備しておきます。またアンテナを張ることも必要なので、1・2度ここでテストすることを予定しています。アルゴス発信機回収については、重さをできるだけ軽くするという事から、今回無線機を持つ事になるので1台は回収したいと考えています。

村田君の帰国スケジュールについては、自分の予定もあると思いますが、できるだけ後にしておいた方がいいです。それとテリーさんのところは1泊15,000円位かかります。1ヶ月450,000円の予算をみなければなりません。現在テリーさんのところにある資金は、私の滞在費を差し引いて(1週間滞在が延びたのを加えて)2000カナダ$(約20万円)位あると思います。

                               志賀

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