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42.旅の終わりに

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・戻った強運と帽子

6月24日

北極海を1760kmひとりで歩ききった大場さんをピックアップした。 午前4時 カール機長の操縦するレゾリュートへ向う飛行機の中、大場さんが私に「帽子を持って来たよ」と突然話し出した。一瞬何の事かわからなかった。

「 前回の補給の時に空から帽子が落ちてきたんだ、帽子を無くして困っていたからずっとかぶっていた 」と言う。

飛行機から落とした私の帽子が偶然にも大場さんの近くに落ち、それがまた、ちょうど欲しかったタイミングだったことに大場さんの運の強さを感じ驚いた。大場さんと一緒に強運がついてよれよれになった私の帽子が北極から戻ってきたのだ。


・大場さん、みなさんありがとう

大場さんの冒険と共に私のレゾリュート滞在も終わるが、言葉が通じても理解するのが難しい日本からレゾリュートに来て色々な国の人と十分な会話が出来ないなかで、多くの人々と気持が通じあえる機会を持てて楽しかった。出来る事を精いっぱいやっているうちにあっと言う間にすぎた80日間だった。

日本へ戻れば、ここですごした 80日間は夢を見ていたような感じになるだろう、それでもこれから先の私の人生で、ここでの生活を何度も思い出す事になると思う。最初の2週間の予定が80日間になってしまったわがままを支えてくれた、全ての人に感謝しています。又、このチャンスを作ってくれた大場さん本当にありがとう、そしておめでとう。

                    6月24日 リゾリュートにて 志賀

北極ベースキャンプ日記 完

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