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28.A Gift From IWAKI いわきからの贈り物(5)

■蔡さんと呉さん

2010. 06.06

今回ニースには、蔡さんの奥さん・呉さん、長女・文悠ちゃん、次女・メイメイちゃんが一緒に来ている。蔡さんと同じように呉さんとも長い付き合いになる。
我々いわきチームがニースに到着した際にも呉さんが空港で出迎えてくれた。私は半年ぶりの呉さんの顔を見つけてホッとした。彼女は二人の子供の母親でもあるが、蔡さんのよき理解者であり、本当に良きパートナーだと思う。

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休日を楽しく過ごす蔡さん夫婦


私達が作った図録の中には、16年前の呉さんと文悠ちゃんの写真がある。そのころの呉さんも今と同じように、蔡さんの仕事が忙しい時は必ず手伝いに来ていた。蔡さんの下の子供メイメイちゃんは、今ちょうどそのころの文悠ちゃんの年齢。呉さんと写っている女の子の写真を見ると、これはお姉ちゃん、これは私と見分けるという。小さい頃の記憶はないが、お母さんの呉さんの様子を見て判断するらしい。私達にとって呉さんは、年をとらずいつも若々しい感じに見えるのだが、子供にとってはすぐわかると呉さんが笑って説明してくれた。

蔡さんはニースに来るまでかなり忙しかったようで、家族がゆっくり蔡さんとの時間を過ごすようなことがなかったと聞かされる。蔡さんはニースで家族との時間を大事にしているということが見ていても感じられた。
土曜日、美術館スタッフレベッカのお爺さんの家を訪問した際も、次女のメイメイちゃんに下のプールサイドにいた子供と一緒に泳ぐことをすすめ、蔡さんは子供達が安全に遊べているかを心配そうな面もちで眺めていた。

蔡さんが子供の面倒を見ている間に私たちは、呉さんとおしゃべりをする。呉さんは「自分の得意なことはいつでも眠れ、いつでもすぐに起きられることだ」と話した。そして「いつでも食べる事ができるし、食べないのも我慢できる」と言う。私たちが蔡さんの仕事を手伝う時の情況を考えると、呉さんの言うこともよく理解できる。呉さんは蔡さんの事を「永遠の子供のようだ」と言い、「自分は蔡さんとこの子供達の子育てを二回しているようだ」と笑った。

蔡さんと生活をしていくことをよく表現していると思った。以前に呉さんに聞いた話だが、20年近く前はやることがなくいつも寝てばかりいる蔡さんに呉さんが「なぜ、そんなにいつも寝ていますか?」と聞くと、その問いに「そのうちに寝る時間もないくらい忙しくなるからだよ」とまじめに返事されたと笑って話してくれた事を思い出す。

想像以上に忙しい蔡さん家族にとって、土曜日の館長宅訪問・レベッカの実家訪問、そして日曜日のモナコ見学は、いい休日になったように見受けられ嬉しく思った。

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モナコの船着場には高級クルーザーが並ぶ

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モナコのレストランで休日の楽しい昼食


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