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18.グッドニュース

5月3日   ・・・東京事務局にあてたFAX

大場さんの動きがなく、心配していました。既にニュースが入っていると思いますが、5月2日PM4時30分、河野さんが無事北極点に到達しました。アルゴスデータ及び本人からの無線で確認されました。河野さんチームが喜びの中、チョッピリの悔しさと、同じサポートとしてのうれしさの中で、大場さんの動きが頭から離れませんでした。

今後のフライトスケジュールは、5月3日、大場さんの北極点到着と補給要請のスモールアルゴスの受信を待って決めます。こちらの準備でまだ揃っていないのが、無線機です。これはレゾリュートのイヌイットをあたってもらったのですが、現在見つかっていません。5月3日夜には、フランスの北極磁アタックチームが戻ると用意できます。これを待って5月4日(日)の補給フライトを考えています。

河野さんの無線を聞いた状況では、北極点付近は天候が良く、滑走路もあるようです。河野さんチームは、明日5月3日朝、レゾリュートを出て、ユーレイカで給油、そのまま北極点に向かい、北極点到着が5月3日の夕方6時の予定だそうです。場合によると、河野さんがピックアップ機を待っている所に大場さんが行く可能性も十分考えられます。

テリーさんの所は、今日はあまりにも早い河野さんの北極点到達と、動きのない大場さんの情報の中で、一喜一憂の1日で、大場さんの位置を示す新しいファックスが入る度にテリーさんはグッドニュースと言って持って来てくれます。この気づかいが多くの冒険(エクスペデション)を支えてきた事を感じる1日でした。テリーさんは、普通は自室(2階)に置いてあるFAXを今夜は1階に持ってきてくれると言ってくれました。

大場さんの新しい位置データが取れましたら送ってください。河野さんの故郷・愛媛では、地方紙の号外が出たと喜んでいました。丁度北極点到達が、日本時間の朝だったことで、NHKのニュースで流れたそうです。こちらで河野さんのサポートをしている大西君・真木さんは、無事補給の大役を果たし、ホッとしている気持を心地よく感じました。河野さんをレゾリュートまで無事に連れてくるまでは、まだ仕事が終わっていないと言っていましたが、そのうれしさが十分私の気持に伝わってきました。

さて、大場さんの今後ですが、私の考えでは大場さんは北極点で横断を継続することを望む確率が70%以上あると思っています。そのための準備に万全を期したいと思っています。ファーストエアー社への$15,000の送金、テリーさんの所への$3,000の送金は確認しました。もし、大場さんが続行を決断した場合のお金ですが、カナダ側北緯88度を越えない場合の補給は可能でしょうか。(ピックアップの予算を残してのことです。)

今回の北極点での補給の金額を踏まえて、日本側の残金を計算してもらう事はできるでしょうか。現在ファーストエアー社には$21,500位が北極点補給後に残る事を斎藤さんより連絡を受けています。できるだけわかり易く送ってもらえれば有難いです。

村田君が忙しい中、頑張っている事は聞いております。もうひと頑張りお願いします。カメラマンの鈴木君も今日は少し残っている風邪気味なのを治すためにゆっくり寝ていたようで、夕刻には元気がでたようです。山本様ご安心ください。毎回情報に変化が出てしまい申し訳ありませんが、こちらの動きは常に決定はなく、変化することを頭において判断してくれるようお願い致します。

                               志賀忠重

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