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【詩】オトコのしっぽ おんなのしっぽ

オトコの尻尾は 子犬のしっぽ

くるくる、さわさわ動いてる
ぴくぴく、ぱたぱた、はしゃいでる
しゅんとすぼまり、まるまっている

どんなに世慣れた、かっこつけしいのオトコでも
よくよく知れば、しっぽの動きはまるわかり

オンナは、それに抵抗できない
応えたくなる、笑いたくなる、いじり、いじわるしたくなる
おとこのしっぽのかわいさに
オンナは腰砕け



オンナのしっぽは こねこのしっぽ
バランスとるのが、おもな役割

わかりやすいのは、イラッとしてるとき
ぱたっぱたっとムチ打つように
おびえたときには ふくらみ 威嚇

オンナのしっぽは 愛でるものではありません
さわったら、きっとひっかかれるし

オンナが何か訴えて 心地いいとき
気をゆるしてるのは
しっぽじゃなくて、のどの「ぐるる・・・」であらわせられる

オトコは、それに抵抗できない
なでたくなるし かまいたくなる
いじり、少しは、じらせたくもなる

オンナの漏らす「ぐるるる・・・」に
オトコはくびったけ

・・・・・
・・・・・

でも


オトコの中には
しっぽの短いヒトもいる

子供の頃にちょきんって
耳や尻尾をカットされた品種みたい

男らしくね・みっともない、と
すなおにパタつくしっぽをなくして
かっこよくても?
なんだかちょっとかわいそう

でもね
そんな、てごわいオトコでも
慣れてくれば、かすかに
見えないしっぽのうごきがわかる
ピンピンぴくぴくしてるの わかる

わかってるって、
わかられちゃったら、もったいない
そういうスカしたオトコには
こっちも、しっぽを読めないふり、の
なんとなく距離感が、ちょうどいい
かっこいいでしょってがんばるオトコの
おしりをポンポン、
きっと、お顔はデレデレよ


・・・・・

しっぽの曲がったオンナもいる
もともとなのか、ケガのせいか
ひねて曲がって、しなやかじゃない

だけれど、しっかり伝わっている
イライラ、しょんぼり、かまってほしい
あやしてほしいし、あまやかされたい
気配は伝わる、発せられてる

おひげや、耳や、ひとみの光
そういうヒントも、あちこちに

うまく尻尾をパタつけない
そんな不器用なオンナには
わからなくてもわかります、のウソも必要
ぜんぜん、うまく読めてなくてもね

撫でて、逃げられちゃったなら
あまえてくるまで放置したり
おいしいやおやつ、が効果的かも
とたんに、態度はアマアマに

オトコのしっぽ
オンナのしっぽ

曲がっていても、なくっても
ぼろぼろだって、はげちょろけでも
目には見えない、こころの動き

ぱたぱた、ぴくぴく、
いじらしくって、
いとおしい。











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