20200121-こがねいろ

尿意だ!先先代の住民からリフォームを繰り返した鉄骨RC造の我が厠は、どういうわけか隙間風でごった返している。惨い二日酔いの朝くらい後味の悪い排泄を終えると猫に叱咤される。お前も寒いのだろう、寄せ合おうじゃあないかとダイニングテーブルの上に小さな命をかき集める。ユニクロ製パーカーの裏地ボアが人と獣との間をとりなす。血の繋がらない姉妹がエアコンの暖風との交換条件を呑んでされるがままになる。今日は請求書を送らないといけない。アコースティックギターの弦も買わなければいけない。バイアスとタスクの区別がつかない。そんなもの全員まとめてバスクだ。チーズケーキはレアが好きだ。サポートは金銭じゃなくてレアチーズケーキのやりとりがいい。あのしっとりと指に粘りつくような冷たくほの甘いパステルカラー!食べ物には美味しさを増すと徐々に黄色くなっていく性質があるのだ。きっとそうだ。数日前からこうして日記をつけているが、改行はしない方が楽だ。ユーザビリティも検索優位性も本質ではない。ただ克明に日々を綴ること。少し大げさに書いてみせるのは自分へのサービス精神のようなもので、読み返したくなる仕掛けがちょっとは必要なのだ。返報性の原理だ。音楽人が音楽人らしく生きているかというと決してそうではないし、世界的スターにも尿意は平等に訪れる。ましてやほんの何割かの時間を音楽制作に費やす程度の私から絞り出されるストーリーは、劇的でもなければ詩的でもない。ただ所属しなさいと言われれば音楽という土台に乗る日があるだけだ。組織という組織をデパ地下のように渡り歩いてたどり着いた一人きりのデスクは、モニタースピーカーと紙見本と税務書類を搭載してもなお余力を残している。出る咳もない。

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