遅ればせながら、エーステ冬単ACT2観劇してきたよの日記。

今回、2月25日ソワレ公演のみチケットを持っていたので、24日~27日までの3泊4日で東京旅行に行ってきました。
旦那の仕事の関係で引っ越ししたばかりの私は無職。時間だけはたっぷりあるので少し長めのゆったり旅行です。金は残り僅かな退職金で。

冬単が始まってから最後も最後の観劇だったので、初日の舞台を配信で見てはいたのですけど、今回、「あぁ、やっぱり生は全然違うな」と思ったのはエーステ史上一番だったかもしれない。
それもこれも、全部輝馬ガイのせい。

輝馬さんの歌の圧に押されて鳥肌がぶわっと立ったし、歌の圧に押されて涙が止まらなかった。

歌が素敵なことは噂で聞いていたし、配信でもめちゃくちゃ上手い……!と絶賛だったのだけれど、なんていうんだろう。声が良いとか、ピッチがあっているとか、声量があるとか、表現力があるとか……それは大前提としてそういうことではなくて、そのときの役の感情や叫びがそのまま歌として届くから、こちらの身体にも想いが直撃するというか。
考える隙を与えてもらえず浴びるあの感情の波動に圧倒されました……
すんごかった……
1幕最後の、感情を取り戻していく場面でのあの歌はずるい……大好きです。「悔しい」や「感謝」が歌に乗るとこういう風に届くのか……衝撃。本当に凄い。

これは配信じゃあ感じられない圧だったなぁと思うので、現地に行けて良かったです。いや、毎回それは思うことなのだけど、今回は特に。
立川付近に住んでいたら、わたしは立川ステージガーデンの亡霊になっていたかもしれない。

あと、タンジェリンがくっそ可愛かったです。
お顔や立ち居振る舞いや声、「シトロンが可愛がる弟」という立ち位置で何一つ解釈違いが起こることもなく、更に上をいく可愛さでした!
衣装の裾を両手で持って駆ける姿にきゅーんって音がした。あのフォルム最高。
なのに、消火活動にあたる場面での凛々しい姿は様になっていて、それもまたたまらない。冬単可愛かった大賞は間違いなくタンジェリンでした。

あとあと、わたしが8幕で一番好きなシーンが、戴冠式当日、千景にこっそりついて行く至とのあのシーン。アプリでストーリーを追っていたときから本当に大好きで、千景さんの物騒さと、物理的には絶対に足手纏いな至さんが大人組としてこちら側についてくる&(案外)役に立つっていうスリルと関係性が見られるのが最高すぎて……!
今回立石くんが出演しないと分かったときから「満足いく演出で見られないんだろうな……」って思っていたから正直、本当、残念な部分ではあったんですが、そのシーンも含めて戴冠式当日のテンポ感がとても良いものに仕上がっていてあの一連の場面めちゃくちゃ好きなんです。
春単の「まるまる?まとまる?大作戦!」オマージュの音楽にうぉぉぉっとくるものがあるし、次々に場面が切り替わって最終的に出てくる咲也のラスボス感。
今回春組が一緒にサポートで入っているのは「シトロンがいるから」ではあるんだけど、それと同じくらい「咲也がいるから」は大きいと思う。ACT2の締めくくりである今回、物語の最後の曲に「The Show Must Go On」が歌われるの泣いちゃう。
そこからの「~中庭の水を使うのだ」で幕、って感じでしょう。最高。そして最高。

話が逸れますが、コロナ禍の特に初期。
芸術や文化は不要不急だという流れだったじゃないですか。まぁ、人の生き死にに直接関わるものではないというのは分かっているし、芸術は人が生きていく最低限が保証されてその上で楽しむものだということも理解出来る。が、芸術や文化は時に生きる希望や糧になるもので、不要不急だと簡単に切り捨てて良いものでもない。「病は気から」って本当そうで、その「気持ち」をプラスに持っていく力があるもののひとつが芸術だと思う。
この「The Show Must Go On」の精神って、この流行り病によって大好きな芸術が次々に絶たれたあのときの気持ちも相まって、今、めちゃくちゃ心に響く言葉になっているんだよね……

幕を下ろすな、芝居を続けろ。

それが周りを巻き込んでやがて大きな力になるって、そこに関わる人間と芸術の力だなぁって本当に本当に素敵なことだなと思います。
わたしあんまり映画を見る人じゃないんですけど、このシーン見る度「タイタニック」の沈みゆく船の中で音楽家たちが演奏を続けたシーン思い出しちゃいます。(有名な映画の中で唯一何度も見ている映画がタイタニックくらいしかない)あのシーンもめっちゃ好き。あれもまさに「The Show Must Go On」じゃない?
人間が生命活動を続けるにあたって必須ではないのかもしれないけど、より人間らしく心豊かに生きるためにはどうしたって必要なものだと思うから、エーステを観る度、咲也のこの言葉を聞く度、「舞台の幕よ閉じないでくれ。芸術や文化が不要不急なんてことあるか」って叫びだしたくなる。

話を戻しますが、そういう今だからこそ余計にグッとくる「The Show Must Go On」をACT2の締めに持ってくるのがとっても粋。本来、曲としては「うそつきは魔法のはじまり」で幕が開いて、「UNMASK」で閉幕って感じなのだろうけど、舞台の構成上こういう終わり方をするのがとっても好きです!
いや~、いい舞台だったな。

ところで、ACT2からのルーキーズ4人はこうもピッタリの役者連れてくるかな?っていうくらい素敵な4人でしたね……いや、これまでのキャスティングを見ていて心配はしていたわけではなかったけれど、それ以上のキャスティングでした。

アプリでルーキーズが発表されたとき、「いやいやいや!そんな安易なことしなくてええねん。5人が最高やろう??なぁ??」って思っていたのを久しく思い出しました……
こんな辛辣なことは言っていなかったとしても(笑)一定の監督さんは「えっ、増えるの?」ってどちらかといえばマイナスの感情だったとは記憶しています。これまでの形が変わるのってなかなか受け入れられないよね……今でこそアイドルなんかの卒業&新加入の形って当たり前に行われているけど、当時娘。が増えるって分かったときショックだったもんな……(今でも卒業や新加入……特に卒業はキツイけど)

また話が逸れてしまったけれど、うん。だけど蓋を開けてみれば、6人じゃない春(夏、秋、冬)組なんて考えられない!ってなったいるし、入るべくして入った団員だったなぁと今なら強く強く、強く!思います。

そんな経験も多々して来ているのに、エーステでACT2がはじまるよ!団員増えるよ!ってなったときに少なからずドキドキはしていた私。
アプリのときほどマイナスな感情ではないにせよ、現団員の5人とあわさったとき大丈夫かな……?一体誰が来るのかな……?と、考えても仕方のないドキドキ。若手の役者に詳しくもないから見当もつかない。笑

なのにいっちょまえに、「千景役は立石くんより少し背が高くて、歌も踊りも上手で、切れ長の目で、アクションが出来る人!そして聡明そうなお顔立ち。できればうえちゃんと既に関係性がある人!」とか言ってましたね……。いるんか、そんな役者……おらんやろ……なんて考えていたあの頃の私をぶん殴ってやりたい。
思っていた方向とは少し違ったけれど、そんな陳腐なわたしの想像では考えもしなかった角度から染谷千景が現れて今ではこの人以外考えられないとなっています。
わたしは観ていないけど、「監督さんのことをどう思う?」って質問に「普通」と答えた染谷千景に土下座で感謝しています。

あと、私は箱推しではあるけれど、特に夏組推しなので九ちゃんが新くんで本っっっっ当に良かったと思っているし、なんていうんだろう?歌もダンスも一定以上出来て姿や声もバッチリでっていう部分もそうなんだけれど、夏組って一番煩くて賑やかな組だけどたぶんギャップも含めて一番真面目な組じゃないですか。いざ!っていうときに意外と大人しいというか(笑)(勿論そこも好きです)
そういう場面で新くんが居ると今までより会話が成り立つというか、居ることによる安心感が増したな、って個人的に思っています。バランスが最高になった!
個人的に新くんのダンス大好きで、秋単の「ゾンビ!」の振りは九ちゃんが最高です!次点でやっぱり外せない三角なのでこの203コンビのダンスが揃って大好きになりました。

莇役の志音くんも歌もダンスもレベルが高い!そしてお顔が綺麗!
原作キャラクターとしての最年少でもあるし、エーステメインキャストの中での最年少(準くんが早生まれで西暦は若いけど、新くんと志音くんと準くんが同学年ですよね)
なのに、物怖じしない感じとかカンパニーでの立ち居振る舞いが、勝手な見解だけれど莇っぽいなって思わせてくれて頼もしすぎる!
秋組の歌のハーモニーもめちゃくちゃ厚くなったよね。秋組、元々みんな声の質が素敵なので今後のお歌が楽しみ。

そこに輝馬ガイって……ルーキーズがもはや新人だって概念ないよな。みんなキラキラ……

まぁなので、余計に卒業は辛いよねって話。
二次元じゃないから。人間が演っている以上もうこれは仕方のないことだし誰が悪いとかそういう話じゃなく、その発表を受けてどう思うかっていういちファンの気持ちの問題なのだけど。
荒牧くんの紬が大好きだったっていうのは大前提としてそれはもうめちゃくちゃにある。紬って、優男で繊細そうで、風船持たせたら飛んで行ってしまいそう(公式)な男性。実際女装させても似合っちゃうし、話し方も穏やかで、一見なよっとしているのかなと思ってしまいそうだけど、いや、そういう部分も実際あるのだけど、でもそうじゃない。
案外大雑把で、親友の隠したい過去とかさらっと暴露しちゃうし、天鵞絨町に戻ってくるために仕事と彼女を捨てて演劇を取った男だし。演劇に対する熱さは尋常なものではない。そして実際に演技が巧い。
そういう「ああ、紬ってこうだよね」って思うこの複雑な「月岡紬」を荒牧くんは丁寧に演じて下さったなという印象です。天然かと思いきや計算しつくされた男を演じさせたら荒牧くんの右に出るものってこの界隈いないんじゃないかと思う。
そういう意味でも卒業か……どうするんや……って気持ちも大きいし、それよりも。これまで培ってきた他のキャストとのエーステとしての関係値がここで終わってしまうんだなぁって思うと純粋に悲しい。
言葉が難しいけど、MANAKIカンパニーって家族だから、月岡紬は終わらなくても、中の人が変わるってもう家族の一人が今日から別の人になるよみたいな感覚というか。
(牧島くんの卒業のときに、春組はりょうやくんも入れて6人になるみたいなことを言っていて凄く素敵だなと思ったし、そう思えばいいんだなとは思うんだけど、なかなかまだ気持ちは追いつかないです。あっ、でも牧島くんりょうやくんの部分はかなり落ち着いて本当の意味で受け入れることが出来てます!荒牧くんはまだ……まだ時間をくれ)

秋冬が終わった後にみんなでUSJ行って「エルモの青いの事件」を起こしたりとか、コロナ禍でリモートで稽古しただとか、個人的に大好きな荒牧紬と水江万里の関係性だとか……(もう叶わないけど、荒牧紬に「立派な演劇バカにそだっちゃったなって」って水江万里に言って欲しかった……)
みたいな、ほんと、なんて言うの?キャラクターと役者が一部混じって本当に家族みたいだなって思うシーンたくさん見てきたから、そういう歴史がね、役者変わっちゃうとそこは引き継がれないから……
でも!仕方がないことなのでなんとかそこはゆっくり受け止めていかないといけないんだなぁとは思っています。ただ、時間をくれ。まだ無理だ。

……と、つらつらと、一部分ではあるけれど冬単楽しかった!日記でした。
もっと言いたいことあったはずなのに時間が経つにつれて忘れていく。いやだ……悲しい……。
あっ、毎回言っているけれど咲也(りゅうぎくん)のダンスは最高です!今回席が7列目(実質4列目)だったのですけど、目に入る部分はずっと咲也定点していました。こう、りゅうぎくんのダンスって止まって欲しい位置で手足が止まってくれて、で、その手足が伸びる方向に視線を持っていくのが上手いのですよね。あの長いまつげで視線を流すからとても色気のあるダンスになってて大好き!咲也なのに男の色気感じてそのギャップに毎回やられています。
顕著にそのいろっぽダンス堪能できるのは、冬単(ミステリと真夜中)の再演のカテコです!ぜひ円盤で咲也定点してみてね。

たぶん書いていたら次々に言いたいこと出てくるけれどこの辺で終わっておきます。延々と書いてしまう。
次の公演情報を戦々恐々しながら楽しみに待っている、花粉の酷い春の午後でした。では。

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