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韓国ドラマ「シスターズ」について

9月3日からNetflixで配信がスタートした韓国ドラマ「シスターズ」。現在、Netflix内の「今日のTV番組TOP10(日本)」で1位の座をキープしている。グローバルトップ10のテレビ・非英語部門でもランクインし、9月19日~25日週には5位を記録するなど世界的にも人気を集めている。韓国版「若草物語」ともいわれる「シスターズ」の何が視聴者の心を引きつけているのか?(考察版)

「シスターズ」とは?

本作は、貧しい家庭に生まれ育った三姉妹が、大金をめぐって富も力も何もかも手にしている権力者の陰謀に巻き込まれていくストーリー。邦題は「シスターズ」だが、韓国の原題は「若草物語」。脚本家のチョン・ソギョンがアメリカ文学の名作「若草物語」の姉妹たちが、もし現代の韓国にいたら……と着想したことから生まれた物語。
ただし、原作のように、慎ましくも美しく貧しさを乗り越えていく姉妹たちと違って、「シスターズ」の彼女たちは貧しい生い立ちゆえにプライドを傷つけられ、お金がないことで人生を諦めてもいる。そんな三姉妹が突如、大金を手にしたらどうなるか? チョン・ソギョンは『親切なクムジャさん』や『お嬢さん』などの衝撃的な作品で知られるパク・チャヌク監督作の共同脚本家として知られているだけに、“貧困とお金”をテーマに一筋縄ではいかないダークなミステリーが展開していく。

あらすじは?

建設会社の経理で働くインジュ(キム・ゴウン)は芸術学校に通う末の妹イネ(パク・ジフ)の修学旅行費用を母親に持ち逃げされ、お金の工面に困っていた。そんな彼女を救ったのが、職場で唯一親しくしていた先輩ファヨン(チュ・ジャヒョン)だった。ファヨンは経理のプロとしての心得をインジュに伝授したり、休日に高級レストランに誘ったり。インジュにとって姉のような存在だが、突如失踪。やがてファヨンが会社から700億ウォン(約70億円)もの大金を横領していたことが発覚、インジュは上層部から秘密裏に消えた金の行方を調べるよう命じられる。

一方、次女でテレビ局の報道記者であるインギョン(ナム・ジヒョン)はソウル市長選候補・弁護士パク・ジェサン(オム・ギジュン)の過去に疑惑を抱き、取材を始めていく。そして三女のイネは姉たちが知らないうちに、ジェサンの一人娘で同級生ヒョリンと親しい間柄に。しかも、彼女の母ウォン・サンア(オム・ジウォン)からは援助を受け、裕福なジェサン一家に憧れを抱いていた……。

1話70分程度の尺、ミステリーにサスペンス、愛憎劇に復讐劇、アクションもあれば、サイコホラーなどあらゆるジャンルがこれでもかと詰まっている。よく「先読みを許さない」と言うが、本作の場合、掛け値なし。しかも毎回、衝撃の結末が用意されているのだからすごい! おまけに登場人物も増えてまだまだ謎も深まる勢い。全12話だが、どう話が転がっていくのか見当もつかない。
演出を手掛けるのは「ヴィンチェンツォ」のキム・ヒウォン。同作も複雑なストーリーに現実離れした設定、多数の人物が登場するストーリーだったが、見事にさばいてみせた。本作でもその手腕を発揮。異国情緒あふれるシンガポールでのロケシーンもあり、ある意味、「ヴィンチェンツォ」以上にドラマチックで没入感も最高。

Netflixシリーズ「シスターズ」独占配信中

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