悲しいけど嬉しい置き土産
これは、私が今年6月まで勤めていた職場での出来事で、
ずっと下書き保存されていた記事です。
※
お年寄りと接する機会が多い仕事をしていると
自然と「死」に接する機会も多い。
つい昨日、ついさっき、
お会いしたばかりの人が亡くなった
なんて知らせは、しばしばある。
仕事で会ってるだけだけど、
一回でも話しかけてくれた人が
今はこの世にいないってことを理解するのは一瞬ではできない。
※
今日、仕事終わりの帰宅路で、
葬儀屋さんの立てた看板にショックな名前を見つけた。
頭が真っ白なって、立ち止まった。
その看板に書かれた名前は、仕事でお世話になっていた、とある団体さんのおじいちゃん会長さんだった。足腰はしっかりして、きちんと人前で喋ることも出来て、90歳過ぎても1人暮らしをしていて、奇跡の90歳なんて言われてもいた。
2年前、右も左も分からない新人の私に話しかけてくれて、仕事の仕方や考え方など色々教えてくれた。会長さんという偉い立場ながら、気さくな人柄で、会うたびに立ち話をしてくれる会長さんが私は好きだった。
先週、会議終わりの廊下でばったり会って、
「あんだは結婚しないのか?」
といきなり聞かれた。
『今年します!』と言ったら、
「そうなのか!よかったな!頑張れよ!!」
とニコニコ笑ってくれた。
私の私的な話はあまりしたことがなかったので、その出来事が、ヤケに頭から離れないで残って、とっても嬉しかった。
・・・それが先週の出来事。
そして、今日の葬儀屋さんの看板。
小さな町で同姓同名・・・?
真っ先にそう思った。
人って一瞬で居なくなるんだ・・・
また会えると思ってたちゃいけないんだ・・・
どうしてもこんな否定的な思考しか沸いてこなくて、
家族でも親戚でもない血の繋がりのない方の死をこんなに悲しいと思ったのは始めてだった。
会長さんに会えないのは寂しいし悲しいけど、
会長さんがくれた
『よかったな!頑張れよ!』
の言葉でなんか頑張れる気がする・・・
うぅぅ・・・泣
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