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自分の山に登ってますか?

山岳会に入ってある程度経った頃、「自分の山、登ってないなあ」と思うようになりました。
山岳会では先輩に連れられて、自分ではとても行けない所に行けたり、一人ではできない経験を多くさせてもらうのですが、ある時そう思ったりするのです。
自分で行きたいところに行けないレベルであったり、山岳会に合わせすぎて自分を出せなかったり。
本当にそこ行きたいの?行きたかったの?と。
自分が心から登りたい!行きたい!と思う山(壁)を見つけて、自分が登っている姿を想像してワクワクして、本当に行けるか、登れるかなんてドキドキしながら計画を立て、登るまでの心技体の準備をして、不安と期待をどっさり抱えて登山口に立ち、息を切らし、自分の準備と野生を信じて山と向き合い、壁に取り付き、そして、登り切った!出し切った!という思いと、どっと溢れる安心感と達成感を抱いて下山口に下り立つ。
そういった山行ができないと、先輩とどんな厳しい山行を共にしてそこに達成感があったとしても、ふと「自分の山、登ってないなあ」となるのです。
自分が登りたいと思う前に誰かに誘われたから行くとか、誰かにすごいねって言って貰えそうだから行くとか、自分の外に判断基準があるとそういった気持になるのだと思います。
山をはじめた頃、あぶなっかしくも嬉々として山を駆け巡っていたあの時、自分の山を登っていたなあ。


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