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【エッセイ#7】知らないだけかもしれない

滋賀県に異動になるということで、車が必要になった。横浜の暮らしとは違って、通勤も日頃の買い物も週末のお出かけも車があると便利、というかほぼ必須アイテムなのだそう。

旅行先などでたまにレンタカーを借りることはあったし、車を運転することは嫌いじゃなかったけれど、車自体には全く興味がなかった。
さすがにトヨタとか日産とかメーカー名くらいは分かるのだが、車種の名前なんて全然知らない。知ろうともしていなかった。

そんな状態の俺が車を選ぶなんて一苦労である。
維持費が安かったり、中古で売るときに値が落ちにくかったりという理由で軽自動車がおすすめという話を聞いたので、「軽 人気 ランキング」でググって人気の軽自動車を知ることから始まった。

サイトを眺めていると、車種によって結構顔付きや形が違うことが分かった。俺が気になったのは「ハスラー」とか「タフト」で、アウトドアな雰囲気があるカッコ可愛い見た目が良いなと思った(何事もビジュアルから入りがち)。

そしてサイトを見た次の日、車大好きな父親に連れられて幾つかのディーラーと中古車販売店を見て回った。最初はハスラーが本命だと思っていたのだけれど、タントファンクロスを見たときに、これだー!と感じた。俺はフィーリングとかビビッとくる運命とか、そういう心のセンサー的なものを結構信じている。そのセンサーが反応した。車なんて全然興味なかったし、欲しいと思ったこともなかったのに、とても意外だった。

車に興味がなかったのは確かに事実ではある。でもそれは単に「知らなかっただけ」なのかもしれない。これからは「知らない」だけのことを「興味ない」と切り捨てないようにしたいなと思った。ようは食わず嫌いはダメということ。

結局、車は新車だと7月くらいまで待つ必要があるので、父親の知り合いで中古車販売をしている人に新古車を探してもらっている。タントファンクロスは去年の秋に出たばかりのモデルなので、出回ってない可能性が高いからどうなることか。まあ違う車種だったとしても、またそれも運命ということで良しとしよう。人生最初の車が何になるか非常に楽しみである。

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