地元民がおすすめする、奈良への“大人旅”の魅力
かつて日本の都だった、古都・奈良。
たくさんの史跡や古い建造物が残り、今も昔も定番の修学旅行先ですが、それきりまったく訪れていないという方も多いのではないでしょうか。
実は地元民から言わせると、大人になってからこそおすすめするのが奈良なのです。
ここからは、中学時代から15年奈良に住んでいた身として、また今でも時々奈良を訪れる身として、奈良のおすすめポイントをいくつか紹介したいと思います。
今の奈良は、かつてのイメージとは違う
洗練されたデザインのホテルやカフェが増えた
奈良のイメージは?と尋ねると「地味」「何もない」という答えをもらうことがあります。確かにかつての奈良は、「大阪や京都観光の通過点(奈良に宿泊しない)」「奈良にうまいもんなし」とよく言われてきました。
しかしこれらは、奈良に来たことがないか、もしくは修学旅行などで訪れたきり10年以上奈良を訪れていない人の意見と思われます。
若い世代(20代)でここ1、2年の間に奈良に来たことがある人に聞くと、「奈良いいですよね~おしゃれな場所いっぱいあるし」と全く逆の答えが返ってくるのです。
これはなぜでしょうか。
確かに10年以上前は、奈良に住んでいた者から見ても、きれいで洗練されたホテルが少なく、観光した後休憩するおしゃれカフェもない、廃れた町でした。
今は新しくてきれいなデザインホテルやおしゃれカフェがたくさん増え、観光するにもさまざまな選択肢が増えました。
奈良が「大人旅」に向いている理由
それに、奈良は大人になってからの方が魅力を感じやすい場所だと思います。
広々とした空間、ゆったりと流れる時間、異世界な雰囲気に浸れる空間は、子供のころより大人になってからの方が価値を感じられるのではないでしょうか。
景観を守っていることもあり、奈良の町を歩いていると、「きっと古代の人もこんな景色を眺めていたんだろうな」と思うことがよくあります。
そうして昔の人の人生や暮らしに思いをはせることができる数少ない旅先の一つでもあるのです。
そして、人で溢れかえることもそんなに無いため、そういった思いにもゆったりふけることができます。
現実世界から離れたひと時を過ごしたい大人にとっては最適の場所です。
ちなみに、都道府県魅力度ランキングでは、ここ数年コンスタントに10位以内にランクインしています(2019年7位、2020年7位、2021年9位)。
おすすめの観光スポット・カフェ
東大寺・春日大社・奈良公園エリア
奈良で一番定番の観光場所です。ぜひ1日かけて、日程に余裕があれば2~3日かけてゆっくり回ってみてください(できれば徒歩で)。
東大寺には大仏のある本殿のほか、お水取りの行われる二月堂や、三月堂などもあり、そこを抜けると若草山に出ます。
若草山は初心者でも気軽に登ることができるのでトライしてみるのも良いと思います。
筆者は何度か徒歩で登り、頂上でおにぎりを食べたことがありますが、とても気持ちが良いです。
ドライブウェイもあるので、車で頂上まで行くことも可能です。春日大社の参道脇から登っていくことができます。
観光して歩き疲れたら、あちこちにおしゃれなカフェがあるエリアなので、美味しいごはんやコーヒーを飲んで休憩することもできますよ。
例えば、ご飯なら”志津香”の釜めし。あつあつでほくほくのご飯と、釜に張り付いたパリパリのお焦げで、食べ終わるまで飽きません!場所も、近鉄奈良駅から東大寺へ向かう道中にあるので、便利です。
カフェなら、例えば”空気ケーキ”。あんことクリームをふわふわの生地でサンドしたオリジナル菓子「空気ケーキ」がそのまま店名になっています。店内では空気ケーキのほか、季節のフルーツを使ったケーキや奈良の紅茶も楽しめます。
また、このエリアにはそこらじゅうに鹿がいるので、ぜひ鹿せんべいを買ってみてください。鹿が目の色を変えて寄ってくるのには驚きますが、鹿との交流も楽しめます。
さらに、桜、紅葉や、夏・冬実施の鹿寄せ、1月の若草山焼き、2月の燈花会、3月のお水取りなどの行事と組み合わせて観光するのもおすすめです。
橿原・明日香村エリア
東大寺エリアよりもまた一段と古く、歴史を感じられるエリアです。
たとえば、初代天皇の神武天皇を祀る橿原神宮。
その南東に位置する明日香村には、壁画で有名な高松塚古墳、蘇我馬子の墓ではないかと言われている石舞台古墳などの多数の史跡が点在しています。
少し電車に乗れば、日本最古の神社・大神(おおみわ)神社にも行くことができます。
また、平城京の前の都、藤原京があったのもこのエリア。藤原宮跡では、季節ごとに美しい花が植えられ鑑賞できるほか、万葉集にも登場する大和三山(香具山、畝傍山、耳成山)も見渡すことができますよ。
このエリアを回る際は、バスもありますが、お天気の良い日にはレンタサイクルを借りて、サイクリングするのが良いと思います。
ぜひ風や草花のにおいを感じながら、のんびり観光してみてください。
カフェや食事は、明日香村の中で行くのがおすすめです。
たとえば、奈良名物の葛料理が食べられる“天極堂”や、古代米を使ったカレーが食べられる“農村レストラン 夢市茶屋”、おしゃれスイーツが食べられるカフェ“ことだま”などがあります。
西ノ京・斑鳩エリア
西ノ京には、天智天皇が当時皇后であった持統天皇の病気平癒を祈願して建てた薬師寺、唐から5度来日に失敗し、6度目でやっと叶った鑑真が建てた唐招提寺があります。
近鉄西ノ京駅から徒歩5分程度で着くので非常にアクセスが良いです。創建当時(奈良時代)から残る建物があるのも必見ポイントです。
斑鳩は、聖徳太子によって建立された法隆寺などがあります。法隆寺は、現存する「世界最古の木造建築」です。
すぐ近くに当時の尼寺であった中宮寺や聖徳太子にゆかりのある法輪寺、法起寺などもあり、一緒に訪れてみてはいかがでしょうか。
奈良でゆったり休暇を過ごしてみませんか?
今回は定番の観光エリアを中心に紹介してみましたが、奈良には訪れるところが意外とあること、感じていただけましたでしょうか。
ここ数年海外に行けていない方も多いと思いますが、奈良は日本の中で、日常とは違う異空間を感じられる場所の一つです。
日程にもよりますが、今回ご紹介したエリアを全部回ろうとすると、2、3日ではおそらく足りません。
ぜひ、たっぷり時間をかけて、ゆったりした気分に浸りながら奈良を満喫してみてください。
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