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ヒーローズカップ関西大会

今日は「小学生ラガーマン保護者」と「ラグビーアカデミーの分析担当コーチ」の立場から、ヒーローズカップ関西大会について書きたいと思います。

ヒーローズカップ関西大会

小学生ラガーマンの全国大会「ヒーローズカップ」の関西予選。
中国大会を勝ち抜いた3チーム、近畿大会(京都、奈良、滋賀、和歌山)を勝ち抜いた5チーム、大阪府ドコモカップの成績上位6チーム、兵庫県大会の成績上位4チーム、四国スクール大会の成績上位2チームの計20チームが5ブロックに分かれ、勝ち抜きで決勝大会進出をかけて争いました。

決勝大会に進出したのは…

どの試合も気持ちのこもった熱い戦いが繰り広げられ、堺RS、八尾RS、生野RS、東大阪KINDAIクラブRS、芦屋RSの5チームが決勝大会進出を決めました。

激戦を勝ち抜くには…?

長男の所属スクールはもちろん、アカデミーのコーチとしての立場もありますので、できるだけ多くの試合を継続して観戦しました。
小学生ラグビーとは思えない高いレベルの試合が随所に繰り広げられ、残念ながらここで大会を終えるチームもそのポテンシャルは無限のものでした。
勝ち抜いた5チームの共通項を簡単にまとめます

1対1で勝負できる強いフィジカル
勝負する場面と次のプレーに移行する選択が速やかにできる状況判断能力
グラウンドを広く使ってアタックするスペース感覚
スペースへ的確な判断でボールを運べるハンドリングスキル

勝ち抜いた5チームはこの4点が他チームより優れていたように思えます。
成長期にさしかかり大人顔負けの身体になる小学生も増えてきます。一方で成長期前の小学生も一生懸命取り組んでいます。これらの子どもが本気のフィジカルバトルをした際に、大きな差が生まれるのはいたしかたない部分があります。
相手を蹴散らすまでのフィジカルは不要ですが、自チームのマイボールをしっかりキープできる身体の強さは必須の要素となってきています。

とはいえ成長段階の小学生です。目先の勝利のために、必要以上の身体の負荷を子どもたちにかけることは反対です。指導者は子どもたちの特性に応じたラグビースタイルを選択しなくてはなりませんし、それがゆえに全国大会への進出ができなかったとしても、小学生がラグビーの全てではありませんので、割り切る度量は必要となってきます。

アカデミー生の活躍

この大会には4スクール、総勢30名以上のアカデミー生が参加しました。残念ながら出場のかなわなかったメンバーもいましたが、それぞれがチームの中心選手として普段の練習の成果を存分に発揮してくれる姿は、とても頼もしく映りました。
スキルの部分の上達や、勝利という結果はもちろん嬉しいのですが、「コーチからグラウンドへの指示禁止、プレイヤーズファースト」を掲げる今大会において、自分たちでゲームをコントロールし、仲間同士で声を掛け合う「心」の部分の成長した姿を見ることができたのが最高に嬉しかったです。
上手くいかないとすぐに泣いていた子、自分勝手なプレーばかりしていた子、上手く声を出すことができなかった子がグラウンドで自分を表現する姿は、この時期の成長に少しでも携わる立場として嬉しく思います。
こういった子どもたちの成長を見ることができるのが、アカデミーに携わる喜びの1つです。

人生の中で全国大会に出場できるチャンスというものはそうそうないわけで、そのチャンスがあるのであれば狙いに行くのは当然の選択だと思います。たとえ出場ができなかったとしても、その舞台を全力で目ざしたプロセスはかけがえのないものになるからです。
どんな時も中心にいるのは子どもたちということを忘れずに、周囲の大人が見守っていきたいですね。