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とりとめなき38

これは一昨日のこと、『TAR』を観終えた。描かれるのは天才の脱構築、というより"天才の苦悩"の脱構築とするのが正しいか。藝術の、それも精神にも準えられる音楽(クラシック)が駆動装置となり、観る者は紛れもない"現実"を、いま生きる世界を作中に見るのである。とまあ当然の成り行きでマーラーを聴く訳であるが、なんでも交響曲第七番は第一楽章、そのフィナーレには全身に火花鮮烈に走るの感が。いまも頭の中で渦巻いておる。

さて、今夜は人に本を貸すこととなっておる。文化の秋、延いては読書の秋にというお話ではあったが、生憎、疑いようもないくらいに冬となってしもうた。彼には過ぎ去りし秋の探索でもしてもらうとしよう。

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