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【レポ記事】名も知らず、素性も分からぬ者同士で、5時間立ち話をし、一瞬の連帯感が生まれ、さっと解散する。「トーキョー立ち話フェスティバル’24」は、そよ風みたいなイベントだった

2024年6月16日(日)に、「トーキョー立ち話フェスティバル’24」を実施しました!

■告知記事:https://note.com/manianananika/n/n1835bee98fb2


立ち話フェスティバルは、タメにもならず、喜怒哀楽なんの感情も揺さぶらず、つまらなくも面白くもない立ち話をするだけのフェス
煽情的な表現に充ちみちた現代社会において、どうでもいい話こそ稀なものになっているのではないか。そんな着想から開催したイベントです。
立ち話界最大のフェスとして、国内外から高い評価を得ています。

どうでもいい話しをすることに長けたトーキングヒューマン4名が高円寺の空き倉庫に立ちつくし、来場者の皆さまと立ち話をくり広げていきます。

▲高円寺高架下の倉庫で、立ち話をする
▲立ち話の匠、トーキングヒューマンの面々


都会の喧騒のなかに突如姿を現した、高円寺高架下の空き倉庫が、フェスの舞台。

2023年開催の第1回フェスは参加総数20名でしたが、今回は倍増。51名にお集まりいただきました。このペースで拡大すると、8年後には1万人を超える巨大フェスです。武道館をおさえます。

多くの方々が、来場から最後まで会場に滞在してましたし、5時間ぶっ続け参加の方も数名いらっしゃいました。

トーキングヒューマンは、あくまで立ち話のきっかけ。
ひとたび立ち話が始まってしまえば、ヒューマンも参加者も主催者も、立場は関係ありません。全員が立ち話の当事者です。

参加者同士は、自己紹介どころか名を名乗ることさえしませんが、仲の良い友だちとすら話さない、日常のほんとうに些細な出来事やとるにたらない思いつきなどを無作為に話していました。
さまざまな立ち話が生まれては消えていきました。どんな話しがあったか、このレポート記事を書くにさいして思い出そうとしましたが、まったく覚えてません。立ち話とはそういうもんです。

▲ランダムにトークテーマが決まるステージ「アブストラクト・エアポート」

今回から、会場をテーマごとに5つのステージに分けました。
たとえばこんなステージがありました。

◆メインステージ
『キング・オブ・スタンディング』(KING of STANDING)

これぞ王道!なオチもない、役に立たない、立ち話を聞くことができる。
収容人数も最大で、まさに立ち話のために用意された舞台。初参加者にも安心のステージ。

◆待合室風味のステージ
『ウェイティング・ユニバース』(Waiting Universe)

横並びのイスが用意され、座りながら立ち話ができるステージ。あたかも待合室のようなシチュエーションが、あなたを立ち話の宇宙へ誘う。


◆地べたに座れるステージ
『チルアウト・フォレスト』
(Chill Out Forest)

地べたの敷物の上に、座ったり寝転がったりできるステージ。お花見を思わせる佇まいから、リラックスしたオチのない話が繰り出される。


などなど。
最終的にはどのステージにも10人程度の参加者がいて、それぞれのステージにふさわしい立ち話をプレイしてました。


最後の一時間は、すべてのトーキングヒューマンがメインステージに集合して、立ち話をプレイしました。
40名以上の大集団での立ち話は前例がありません。ギネス記録です。

どうでもいい話をしていただけなのに、なぜかフェスの終わり頃には、会場の参加者たちに不思議な連帯感と充足感が生まれました。
が、そこは立ち話。終了時間をむかえるや、誰も名残を惜しむこともなく、さっと会場から立ち去っていました。

名も名乗らず、素性も知らぬ同士で、数時間立ち話をし、一瞬の連帯感が生まれ、さっと解散する。なんとも軽快な、そよ風みたいなフェスです。

第3回のフェスは、来年春頃に開催予定。
とはいえ、フェスをしていない期間も、立ち話は終わっていません。日常のそれぞれのステージで、めいめい立ち話を続けていきましょう。

ではまた、立ち話フェスティバル’25で、みなさまと立ち話できることを楽しみにしております。

■トーキングヒューマンの感想


・トーキングヒューマンやなせさんの感想ツイート


■参加者の感想ツイートの一部


執筆 松澤茂信


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