2023年#4 ベイビー・ブローカー 記:大橋

こんにちは。
暑いですね。関東はこれから台風が来るようで、一歩外にでると”焼けつくような日差し”(文字通りの意味)で、肌が痛いです。

お盆休みも始まって、10日間も何をすればいいのだろうか、と考えて昨日と本日はなぜか仕事をしてしまった大橋です。

それじゃダメだろう、と本屋で適当に4冊(これくらいが私が10日間で現実的に読める量だ)見繕って平行して読み始めました。
小説と実用書が半々くらいなので、二つの物語(それは高い壁のある架空の街の話だったり、教祖が住む共和国で起こる殺人だったりする)を行ったり来たりしつつ、財務諸表の読み方のエッセンスと頭をすっきりさせるための習慣をグリグリと移動して、なんとかだれないように、後悔しないように過ごそうとしています。

さてその合間、夏季休暇1日目の夜に、ベイビー・ブローカーを見ました。

以下、ネタバレありです。


もはや日本でも知らないものがないくらい有名になったソン・ガンホが主演で、マイ・ディア・ミスターに出ていたイ・ジウン、梨泰院のイ・ジュヨン、秘密の森のペ・ドゥナなど、画面に映る人が皆有名すぎていったい何の祭りなんだという事態にも拘らず、全体としては非常に落ち着いたトーンで、インディ映画の雰囲気すら少し出ています。さすが是枝監督と感服します。

話も是枝監督の好きそうな話(答えの出ない話)で、膠着の中で窒息しそうになりつつも、いい感じのところで絵の美しさでもって気持ちをリフレッシュさせてくれるので、気が付くとエンドロールという名ドライバーぶりを見せてくれます。

今回は、堕胎と捨て子、どちらが無責任なのか、というテーマです。

どちらが無責任かというと、捨て子のほうかなと私は思います。
産むという意思決定は重い。

子育てというロングプロジェクトはコミットさせられることが多すぎるうえ、費用対効果が明確ではないので、一度も経験したことがない人はよほどの覚悟を持ってそうすると決めない限りは、(産むということを)選ぶべきではないと、私は思います。

「ワンオペは大変なのよ」
「捨てるのを正当化するなよ」
「売るのは どう正当化するの?」
「捨てる人がいるから売る人がいる 逆じゃない」
「だったら あんな箱作らなきゃいい」
「おれもそう思うよ」

ベイビー・ブローカー 38分くらい

このセリフのやりとり、ヒリヒリします。

捨てた側と捨てられた側が代理戦争。

捨てられた人が赤ん坊のブローカーやってるというのは、なんとも皮肉な話ですが、これは捨てられた経験があるからこそ加担できる悪事で、彼らの側にはまやかし半分ではありますが正義がある。
そして捨てる側にも今回は理由があって、オフセットされる。すべては水に流されます。

夏休み1日目にしてはいい映画過ぎました。せっかく時間もあるので、映画くらいは気をぬいてリラックスして見られるやつにしてみます。
見たことを瞬時に忘れてしまえるようなアクション映画がよいですかね。

それではまた。



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