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イムリ 読後レビュー

ジャンル:ファンタジー
評価(5段階評価):4
状態:完結(26巻)

※以下大いにネタバレなどを含む時があります。

▽内容
魔法で人の心を操ることのできるカーマ。
そのカーマに支配された二つの星に、イムリとイコルという虐げられた二つの民族がいる。この三民族は生まれながらの外見の差異はほとんどない。

カーマ育ちの主人公はイムリはカーマ人として暮らしていたがある日自分がイムリだということを知る。その主人公に課せられた役割はカーマの支配秩序を守るために、自分の同胞であるイムリを奴隷化していく仕事だった。

助けてもらったことのある旅のイムリが奴隷化された事でカーマ社会に反抗し、その後は一人で世界の調和に悩みながら戦いを続ける。

▽感想
凄まじい熱量の漫画。流石は三宅乱丈先生。
まず弱点を挙げ連ねてゆく。

絵柄の都合でキャラがとても見分けにくい
設定が細かいために脳が追いつくのに少しかかる
いわば7巻までが状況の説明少しテンポが遅い
善人が善人すぎる
カーマ軍が色々雑
三民族の講和に関して社会人としての知識や体験が不足している

その上での評価となるが、世界観がすごい。一定巻数を読んでからの引き込まれ方がピカイチの良作。キャラクターも魅力的で、ストーリーもよく練られている。逃亡を阻止する設定は非常に面白い。

最後の2巻くらいで世界が混乱しながらもまとまる描写。ここをもっとシンプルに終わらせるか、続けたならば物語の整理だけに使うのではなく、また一つのシナリオがあると尚良かったと思う。ニコはもっと苦労しろ!って思わなくもない私的感情。ともあれ、作品自体は密度が高く保たれ高評価の4。エンディングの印象がもっと上手く作れていたらそれ以上もあったと思う。

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