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旅の友としての品物


固執しているものがある。


学生の頃から万年筆に興味があった。単純にカッコよかったから。
ボールペンの方が書きやすいし、持ち運びやすいし、ちょっとくらい乱暴にしても(文具オタクには怒られそうだけど……)平気なのはわかってる。
それでも万年筆に憧れたのは、やっぱりカッコ良かったから。
左利きであることを残念に思うことのうちの一つ。

固執しているものがある。

もう一つは某革製品ハイブランド。
エルメス。
こちらは当然まだ手を出せる代物ではないのでショーウィンドウを飽きるまで眺めてる状態ではある。馬に優しくて、今も馬具を作り続けて、なんというか、私の中で「品のいいもの」の象徴で、ずっと好きなものだ。

まあ好きだから検索をかけたり、実店舗に行ったりする。
そこにいて、お金を気にせず買える人を見て、正直めちゃくちゃうらやましくなる。めっちゃ羨ましい。
でも、それはそれで、その幸福は十分享受して欲しい。うん。



しかし私の、その固執というのが、

満足いく仕事をして、何も心配せずにいつか死ぬ時、
自分の大好きな会社の作ってる一つの、ぼろぼろになったバッグに、
自分の旅の手帳と、大事にした数本の万年筆と、大事な人の写真を入れて、
そうして荼毘(だび……)にふして欲しいというか。

まあそういうレベルの固執で。

満足いくように生きて、満足いくように死んでいきたい。
持てるものの個数はきっと競えないので、
自分の、人生という旅の友として、
愛したものだけ持って死んでいきたいなあと。
たくさんの好きなものを持って人生を過ごしたいから、
これからも頑張らなくてはいけないなと。

こんな感じです。






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