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10年後はAIが人生を予測する? 感性を学習するAIが描く‟これから”の人生観【後編】

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前編取材後、
「待って、人間そっくりに考えるAIが出てきたら、自分と同じように考えるAIが作れるんじゃない!?」「そしたら、そのAIに働かせればよくない!?」と盛り上がった編集陣。
果たして、本当にそんな未来がくるのか。
後編では「感性を学習するAIが描く新しい世界」について迫ります!


そもそも人間のように考えるAIとか簡単に言いますけれど。
実際になにがどうなったらそんなものが生まれるのでしょうか。

そんなAIが作れたとして、ゴースト(魂)はどこに…

でも聞いたことがあるぞ。
人間の脳は、言ってしまえば科学で再現不可能な高性能電子回路のようなものだと。そして、脳型のコンピュータの開発も進んでいるとか。

つまり身体をもたない、データ上の人類ができる……?

そんな ‟極端な話” についてSENSY株式会社・代表取締役CEOの渡辺 祐樹さんから伺うことができた。


■インプットとアウトプットの関係

インプットとアウトプットには明確な因果関係があり、インプット(知覚した情報の積み重ね)によって、人間のアウトプット(行動や思考)は生まれる。これは間違いない。

というか、非常に研究者な言い方をしているが
文章・映像・イラスト・マンガ……
クリエイティブな仕事をする人々は常に同じことを考えているはずだ。これを分析すれば、パーソナルに最適なマーケティングも可能であるし……

ただ、この「インプットとアウトプットの因果関係」という奴を解き明かすことは非常に難しい。自分が好きな服があるとして、なぜそれが好きなのか。なぜ同じ型の色違いではいけないのか。どういった理由から、自分がその服を好きだと思うようになったのか。言葉で綺麗に説明できる人間は少ないだろう。

「だからこそ、AIなら解析できる可能性があるのです」
そういって優しそうに笑う渡辺さん。


あれ?
それじゃあ……この文章を書いている自分も……
(肩をたたかれて後ろを振り向く)
「あ、おまえ……、いや、俺か……?」


■究極! もう一つの現実世界をつくりだす

……ふう。
なんだかもう一人の自分と出会った悪夢を見ました。
閑話休題。

さて、
自分とまったく同じ知覚体験や行動データを同期したAIが存在したとして、
自分とまったく同じ感性を持って行動予測が出来るAIが生まれたとして、
自分とまったく同じ衣食住の環境を仮想空間に作り出すことができたとして、

それって、リアルそっくりな仮想世界とそこに住むもう一人の自分を作り出すことが可能なのでは?
何か商品を作ったら、現実世界で販売する前に、仮想世界で配布する。そうすれば、発売後のリアルな反応を予測することができるということですよね?

極論、だれにどんなものをどのタイミングで提供する必要があるかも予測が可能になるわけで、効率化の先に、ハイパー便利なAIパーソナルマーケティングが完成する……?

これってビジネスの在り方を根底から変えてしまうかも知れない技術なのではないか。


■これからのSENSYについて

「感性」という、今後非常に重要な情報の解析を行うSENSY。
その原理原則は「巡り巡って必ず消費者のためになる活用方法をする」というもの。

現在でもWEBの閲覧履歴やGPSの行動分析といった、ビッグデータ解析は行われている。これらは、なにか重要なデータのような気がするけれど、まだ価値が分かっていない個人情報だ。価値が分からないのは、そういった個人情報を価値に転換しているサービスが少ないから。もっとうまくデータを活かしたサービスが出てくれば、情報の市場価値も上がっていくはず。

そういった未来の動きも、「すべて消費者のためになるような形にしたい」と渡辺さんは語る。

そんな未来に期待しつつ、もし本当にもうひとりのぼくが生まれたら、ぼくはもう働きたくないでござる。

【編集後記】
AIに関わらず、最先端の技術というのはなかなか理解しづらいもの。だからこそ漠然とした不安を感じがちですが、こうやって第一線で活躍する人の信念をきくと少しほっとできるのではないでしょうか。

感性を学習するAIは、「作業が得意な新人君」として私たちの日常を支えてくれるでしょう。魔法使いのように、すべてを解決してくれるわけではないけれど、頼りがいのある相棒として仕事・プライベート共に支えてくれる存在になるはず。

そして今は感性というしかない、膨大な量のインプットとアウトプットの因果関係を解き明かせたら、その先にはデータ上で会える「もう一人の自分」が生まれてくるのかもしれない。編集部も、メールの返信ぐらいであれば、寝ているうちにもう一人の自分がやってくれる未来を期待します!

漫画=田丸こーじ(@koji_tamaru
取材・文=齋藤春馬 編集=檜山(@mek_sake

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