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缶詰。【長文】

某mixi日記への投稿から転載。2011年12月19日のことらしい。
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さて。金曜日の朝から大阪に出張。夜は、大阪らしい地もののお魚を堪能して、昨夜は最終の新幹線で帰宅。

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なんばの某所で撮影。看板の隣がピンク映画館とかゼッタイなんかマチガッテ…いや、ナイスすぎです。

街にあふれるオオサカな空気。
決して美人さんではないけどバイタリティとおおらかさが愛嬌にでるミナミの若い娘さん達。やっぱええな、オオサカ。もう2年ぐらい居たかったな。


もういちど言います、最終の新幹線で帰宅。
ええ。21時20分新大阪発の最終の「のぞみ」。西荻窪到着予定は日付が変わって0時32分。

…実際、ウチに付いたのは朝の6時でした。

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東海道新幹線:前夜の最終、午前4時40分に東京到着
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111218k0000m040109000c.html

17日深夜に東海道新幹線の三島-静岡駅間の上り線で発生した停電は18日午前3時すぎに復旧した。静岡-新富士駅間で一時停止した▽新大阪発三島行き「こだま692号」(乗客約200人)▽博多発東京行き「のぞみ66号」(同約900人)の2本は静岡駅まで引き返した後、こだまの乗客がのぞみに乗り換え、同日午前3時37分に同駅を発車、同4時40分に東京駅に到着した。
JR東海によると、18日の始発以降の新幹線に影響はないという。停電の原因は、静岡県富士市内の電柱と送電線を絶縁するガイシの異常とみられる。
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まあ、こういうことで。

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運転再開の知らせに車内どよめき 乗客らに疲労の色 深夜の東海道新幹線停電
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111218/dst11121808560007-n1.htm

停電の影響で新富士-静岡間で立ち往生した東海道新幹線の上り最終「のぞみ」は18日午前4時44分、約5時間遅れでJR東京駅に到着した。改札口前の精算所には、払い戻しを求める行列が発生、乗客の多くは、在来線の始発電車に乗り換え、疲れた表情で家路を急いだ。
新大阪駅から乗車した千葉県浦安市の女性会社員(34)は「知人の謝恩会を早々に切り上げて終電に飛び乗ったのに、結局、こんな時間になってしまった。早く帰って眠りたい」と大きなため息をついていた。

この女性によると、乗客らは落ち着いて座ったまま復旧を待った。18日未明に、東京への到着時刻が午前5時ごろになるとの車内放送が流れると、乗客にどよめきが起こったという。また、別の乗客女性(27)によると、「のぞみ」はトンネル内で停車したという。女性は「携帯電話がつながらず、家族に連絡が取れずに困った」と話していた。

東京都渋谷区の男性会社員(46)は「本当に疲れた。今日は仕事なので、帰宅してもすぐに出かけなければならない。徹夜するしかない」と改札から足早に在来線ホームへと向かった。

「静岡に引き返し運転のときは、座席の向きと反対にバックして変な感じだった」と話すのは、名古屋から乗車した世田谷区の建設業の男性(37)。
「停電で下りの線路を走るというので、車窓からの景色も変わるのかと目をこらしたが、真っ暗で何も見えなかった」と苦笑いしていた。
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東海道新幹線:午前3時過ぎ復旧 静岡の送電不調原因か
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111218k0000e040116000c.html?toprank=onehour

…九州への旅行帰りで17日午後6時55分にのぞみで博多駅を出発した千葉県松戸市の大学生、杉本義尭(よしたか)さん(23)は「携帯電話で知人と連絡を取ったり、寝たりして過ごしていた。事故だから仕方がない」と諦めた様子。新大阪駅からのぞみに乗った東京都江東区の服飾店従業員、上原誓子さん(24)は「いつになったら動き出すのか分からず不安だった。まさか自分が乗った電車でこんなトラブルが起きるなんて」と疲れ切った表情で話した。
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車内の様子、乗ってた酔っぱらいのおっさんの実感を書いてみますね。

「いつになったら動き出すのか分からず不安だった」ってのはたぶん緊急停止から1時間ぐらいの間。JRとしてもこの時点では状況の整理もつかず、善後策も決まらなかったのだと思います。「携帯電話がつながらず、家族に連絡が取れずに困った」というのはたぶんauユーザーなのかな。
トンネル内での緊急停車だったのが災いしてドコモはかろうじて1本立つか立たないかぐらい。auは圏外じゃないんだけど0本でした。SBは知らない。

無線LAN対応の新幹線だったし、窓際の席には電源あったからネットにはアクセスできたんだけどね。…オイラのPCは会社から支給のL-05Aってドコモの定額パケットの通信端末で、WiFi契約してなかったのでネットもNG。(注:このころのスマホ普及率ってまだ1割ぐらいだったんだぜ?)

停止から一時間後ぐらいにあったアナウンスでは「いったん静岡駅に引き返し、停電をしていない下りの線路を使って三島駅へ。その後は通常通り、上りの線路で東京駅に向かう」と。
この時点では「ああそれじゃあ東京着が2時か3時ぐらいになるのかなあ」と、ちょっと後ろの席のオタクっぽい若い兄ちゃんたちがとりあえず東京駅付近のネカフェを検索しはじめたり、どこでどう泊まるかを検討する空気が車内にあふれたんだけど…その30分後ぐらいに「静岡に向けてバックし始めるのが3時頃、東京への到着時刻は5時頃」って壮年男性の声でアナウンスが入ったのでした。はい、ヘル決定。ふぁっきんじーざすくらいすと。

「東京への到着時刻が午前5時ごろになるとの車内放送が流れると、乗客にどよめきが起こった」てのはこのタイミング。兄ちゃんたちの「ナンヤソラ」的なちょっと甲高い笑い声を覚えてる。

3時頃にバック走行が始まるまでは、若い女性の声で「間に回送含め4本の列車がいるので、順次静岡駅に戻しています、それらが戻ったらこの列車を静岡駅に戻します」的なアナウンスがあった他は、新しい情報はほぼ無し。このアナウンスは、車掌室に「すぐ戻せ」って怒鳴り込んだバカが一、二匹いたらしいのでその対処を反映してのものだったと思われます。

つーかこの先、「状況を説明する」内容は壮年男性のアナウンス、「乗客をなだめる」内容は若い女性のアナウンスと使い分けられていたのがちょっとツボに入った。こっそり「…やるなあ」って思ったよね。

ここで、それぞれの乗客はすっかり「ビバークモード」に入る。
状況が見えた瞬間から、まわり中が「とりあえずできるだけ暖かくして楽な姿勢をキープして、飲み物を用意して…ネットか本読むか寝るか」に黙々と移行していく様子というのは見ていて壮観だったね。
斜め向かいの3人がけに一人でいた女性なんて、速攻ヨコになってダッフルコートかけて頭からストールかぶって寝に入ったw

0311震災の際、首都圏の整然と黙々と帰路につくサラリーマンの姿が世界的話題となったけれど、今回も「わるあがきをせず、今できることをする」日本人は健在だったよ。

結果的に、始発あたりの中央線にスムーズに乗り換えて帰宅。
車内が明るすぎてとろとろとまどろむぐらいだったのがちょっとしんどかったけど、今日は休日だったのでまあ明日も元気に出社できそうです。

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東海道新幹線で17日夜に停電、「のぞみ」など2本が緊急停止 約5時間遅れで東京駅到着
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00213780.html
…乗客は、「復旧も『確認中』っていうだけで、そのあとも、何も教えてもらってないんで。それだけで、すごく不安があって」、「すぐ再開すると思ってたんですけど、こんな時間になっちゃって...」と話した。

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このFNNのニュースは、だから微妙に誇大表現。
「(最初の1~2時間は)復旧も『確認中』っていうだけで何も教えてもらってないんで。それだけで、すごく不安があって」っていうなら正しいけど、ってゆーか、このまま発言したのなら、そのヒトは「12時以降はぐっすり寝てた」だけなんじゃないのかな?

今回いちばん貧乏くじだったのは、たぶん後続の「こだま」の乗客。

というのは、回送列車を含む4本の列車が順送りで静岡まで戻っていくその途中、最後に我々の乗ったのぞみが静岡駅に戻るころ、ちょうど「故障箇所の発見と修理」が終了したので、結局、静岡で三島行のこだまの乗客を拾って、上り線をそのままこだまの停る予定だった各駅(新富士/三島/)に停車しつつ、新横浜、品川、東京と進むことになったからだ。

つまり結果だけ見ると、「そのまま止まって修理が終わったら動く」でよかったのに「バック走行して乗り換える」方針で動いちゃったものだから、彼らは夜中の2時か3時に一旦寒風吹きすさぶホームに下ろされて、のぞみが来るのを震えながら待たなきゃいけなかったわけ。僕らはずーっと暖かい車内にいて「新幹線バック走行」といういいネタ体験だけもらったんだけどね。

まあ、まさか「ガイシが一個ダメになってます、交換したら直ります」って、あっさり原因がわかって対処ができるとは思わないし、最悪のシナリオを避けた動きだったとは思うんだけど、そこは本当にお気の毒様でした。

あ、あともうふたつ。ちょっとしたエピソード。

夜の4時過ぎ。三島に向けて走り始めた頃、備蓄のお水が乗客に配られました。

とってもありがたかったし、パーサーと車販の女性ふたりが頑張って配ってたのでそこは好感だったのだけど、この時点では本気でお水が欲しい人は静岡か新富士の自動販売機で購入してたんだよね。
ちょっとタイミングが遅かったかな。

それと、この車販の女性がめっちゃ英語が堪能だったので気がついたんだけど…ワタシのすぐ後ろにいた欧米系のご夫婦、日本語まったくできなかったみたい。
緊急停止前に彼女から飲み物を買った際に英語で細かいやりとりをしてたご夫妻が、彼女に「わわわー」って状況説明を求めてた。

決してヒステリックではなかったけど、不安げに。


そっか。それまでの状況説明の車内アナウンスは全部日本語だけだったんだよね。

ご夫婦の間でのやりとりはかなり早口のヨーロッパ言語だったので全然気がつかなかったけど、そうかあ、彼らは「今どうなってて、いつ着くのか」わかってなかったんだなあ。
航空機じゃなくても、こういうときは日英二ヶ国語アナウンスぐらいはすべきなのかもなあって、ちょっと思った。
つか、ご夫婦と何度か目合わせてるんだから気が付け自分。とりあえず話しかけろ!カタコトでも説明できる内容なんだから!!


まあ、なにはともあれ得難い経験でしたよ。

でもさ後厄とはいえ勘弁してくれよな、そろそろ(ぼそ

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