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独断的聖書解説:聖金曜日「十字架につけろ!十字架につけろ!」

今日は聖金曜日(Good Friday)。
教会に復活されたキリストの存在がなくなるこの日はミサは行われません。
ただ、信徒たちは磔刑に処されるイエズスの苦難を想い、その死の意味を考え、わが身を省みるために聖堂に集まります。

たとえば、この日の聖書朗読。一種の朗読劇スタイルで行われます。

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ピラト、ユダヤ人に言ふ「視よ、汝らの王なり」
彼ら叫びて言ふ「殺せ、殺せ、十字架につけよ」
ピラト言ふ「われ汝らの王を十字架につくべけんや」
祭司長ら答ふ「カイザルの他、我らに王なし」
ここにピラト、イエスを十字架に釘くる為に彼らに付せり。
彼らイエスを受取りたれば、イエス己に十字架を負ひて、
髑髏(ゴルゴダ)といふ處に出でゆき給ふ。
其處にて彼らイエスを十字架につく。
又ほかに二人の者をともに十字架につけ、
一人を右に、一人を左に、イエスを眞中に置けり。
ヨハネ伝福音書 19章14節~18節

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イエスの言葉を司祭、地の文とイエス以外の人物の言葉を信徒の代表者が。
そして群集の言葉を会衆が全員で唱えます。
上記の引用の中だと「殺せ、殺せ、十字架につけよ」「カイザルの他、我らに王なし」が会衆パートです。
コレ、実際に聖堂で声を出してみるとけっこうグサグサ来るんです。
「ああ、こうやって人となられた神が私達(すべての人)の罪の赦しのために十字架の上で死に至るのだなあ、
そのことに私達は一向に気づいていないばかりか、自らの手で彼を死に追いやってしまうのだなあ(詠嘆」みたいな。


そんなふうにして自分のエゴや至らなさときちんと向き合ってみる、今宵はそんな夜です。

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