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轟轟戦隊ボウケンジャー妄想スペシャル 「はじめましてのクリスマス」その3

このSSは2006年12月12日に某mixiに投稿したものです。

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こちらからお読みください。「はじめましてのクリスマス」その1  https://note.com/manet26/n/n75d8107d69c4

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「・・・なーんで、こんなことになるかなーっ」

明石は30分ほど前、サージェスミュージアム内ボウケンジャー専用ラウンジで起こった予想外の出来事を反芻する。

反芻はするのだが、一体どうすれば良かったのか、というよりもそもそも何ゆえにあんなことになってしまったのか、彼にはまったくわからないのだ。というのは・・・。

「・・・というわけで、ここに集まった三人がサージェス財団最初のボウケンジャーというわけだ。よろしくたのむ」
「よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」

「私が皆さんの装備や乗機のメンテナンスを担当するメカニックの牧野です。明石さん以外の皆さんは初めてですね、よろしくお願いしますよ」
「ああ、これからもよろしく」
「よろしくお願いします」
「牧野先生ですね。こちらこそよろしくお願いします」

「で、私がキミたちにサージェス財団からの指令を伝える・・・そうだね、Mr.ボイスとでも呼んでもらおう。組織の機密性の問題もあるので正体は明かせないが、そこはお許し願いたい。」
「よろしくお願いいたします」
「なんだかチャーリーズエンジェルみたいだね、よろしくMr.ボイス」
「ああ、よろしくたのむよ、ボウケンジャー諸君」

「それでは、あらためて自己紹介といこうか、オレは明石暁。ボウケンジャーのチーフということになる。前身はトレジャーハンターだ」
「知っています。不滅の牙、でしたね」
「不滅の・・・牙」
「トレジャーハンター時代のオレの通称だ。業界違いなのによく知っているな」
「アマゾン中流域での貴重種のオオナマズ捕獲、古代アステカ文明の再生の仮面の再発見、ギアナ高原でのケツアルコアトルの巣穴探索。少なくとも中南米での不滅の牙の活躍についてはかなり情報が錯綜してはいたものの、こちらの情報部でも噂になっていましたからね」
「なるほど、さすがは世界の警察。そのなかでも情報収集においては比類なきウデを誇ったLone Blueだね」
「お褒めいただき光栄です、Mr.ボイス。情報量だけではなく腐敗度合いも世界一ですが・・・ね。」
明石は、一瞬だけ蒼太の表情が翳ったように感じた。

「さて、と、あらためまして、最上蒼太です。もとはCIA捜査官でした」
「・・・CIA。部署はどちらに」と、それまで無表情だったさくらが多少興味をそそられたように訪ねた。

「さて、言ってもご存じないと思いますよ、西堀さくら元特務三尉殿」と応えた蒼太の声が硬い。

「な、どうして私の名前を」
「知らないわけが無いでしょう。西堀グループ総帥の初孫にして、習志野イチのスナイパーにして近接戦の鬼。もとオリンピック代表候補…」にたり、と笑う蒼太。ちょっと静まったぎこちない空気。

断ち切るようにさくらが「とにかく、自己紹介を続けます。西堀さくらです。元自衛官…」
そこへ、へらーっとした口調で蒼太が割って入る。「そうそう蒼太。ほら、明石チーフ。通産省から圧力がかかって没になった2002年度の自衛隊広報用ポスターのデータもあるんですよ。かわいーでしょ、西堀さん」

ラウンジの中央にあるデスク一面に画像が出た。ちょっと大き目の自衛官の制服を着たさくらが不機嫌そうに映っていた。

「!。そんなものどこから拾ってきたんですっ。消してください」
「やですよ、せっかくかわいいのに。ああ、ややこしいことになりたくなかったら僕の端末に触らないほうがいいですよ。下手するとこのビル中のPCに西堀さんの引きつった笑顔が転送されますからね。」
「ふ、不謹慎でしょう」
「そーんなに肩にチカラ入れないでください。クールビューティが台無しですよ。ほーらリラックス、くすくす。」
「さわらないでっ!」
「おおこわ」

「最上、その辺にしておけ。西堀もだ」明石が仲裁に入った。
血相を変えたさくらがこんどは矛先を明石に変えた。
「しかし明石チーフ。こんな不謹慎なヒトと組んで仕事をするのは…第一、今の発言、自社のサーバーにをハックをかけているとしか思えません。そんな人物を信用しろといわれても無理です」
「う、まあそうだな、それは」

「たしかに。最上さん。いつそんな仕掛けをされたんです?」と牧野。
「いやだなあ、冗談ですよ冗談。やれといわれれば、この程度のネットワークならば180秒もあれば出来ますけどね」と、指をわきわきとさせながら蒼太が笑う。あきらかに目が笑っていない。

そこへMr.ボイスが「その腕は別のときに見せてもらうよ、最上君。できればサージェス以外のサーバーでね」
話はいったん収拾したように見えた。
++(まだ続くか↓)++

https://note.com/manet26/n/nd78b5401902d

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