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独断的聖書解説

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カトリックのクリスチャン歴50年。 言い方はだいぶ酷いけどそう間違ってないはずの聖書解説詰め合わせです。 ぼちぼち増やしていく予定。 読後の感想につきましてはノークレームノーリタ…
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#イースター

復活節の福音から。:走れ、ペテロ!(復活の主日)

週のはじめの日、朝まだき暗きうちに、マグダラのマリヤ墓にきたりて、墓より石の取除けあるを見る。 乃ち走りゆき、シモン・ペテロとイエスの愛し給ひしかの弟子との許に到りて言ふ 「たれか主を墓より取去れり、何處に置きしか我ら知らず」 ペテロと、かの弟子といでて墓にゆく。 二人ともに走りたれど、かの弟子ペテロより疾く走りて先に墓にいたり、屈みて布の置きたるを見れど、内には入らず。 シモン・ペテロ後れきたり、墓に入りて布の置きたるを視、また首を包みし手拭は布とともに在らず、他のとこ

復活節の福音から。:かわいそうなトマのはなし(復活節第二主日)

カラヴァッジオ「聖トマスの懐疑」(1599年頃 サンスーシ宮国立美術館) この日すなはち一週のはじめの日の夕、弟子たちユダヤ人を怖るるに因りて、居るところの戸を閉ぢおきしに、イエスきたり彼らの中に立ちて言ひたまふ「平安、汝らに在れ」 かく言ひてその手と脇腹とを見せたまふ、弟子たち主を見て喜べり。 イエスまた言ひたまふ「平安、汝らに在れ、父の我を遣し給へるごとく、我もまた汝らを遣す」 かく言ひて、息を吹きかけ言ひたまふ「聖霊をうけよ。汝ら誰の罪を赦すとも其の罪ゆるされ、誰の

復活節の福音から。:ゆふぐれのエマオへの道で(復活節第三主日)

カラヴァッジオ「エマオの晩餐 」(ロンドン・ナショナル・ギャラリー所蔵、1601年) この日二人の弟子、エルサレムより三里ばかり隔りたるエマオといふ村に往きつつ、凡て有りし事どもを互に語りあふ。語りかつ論じあふ程に、イエス自ら近づきて共に往き給ふ。されど彼らの目遮へられて、イエスたるを認むること能はず。 イエス彼らに言ひ給ふ「なんぢら歩みつつ互に語りあふ言は何ぞや」かれら悲しげなる状にて立ち止り、その一人なるクレオパと名づくるもの答へて言ふ「なんぢエルサレムに寓り居て、獨

独断的聖書解説:復活祭「推しの墓に泣きに行く。」

さあ、復活祭!イースターですよー。 通常は春分の日のあとの最初の満月に最も近い日曜日。 日本ではキリスト教最大のイベントはクリスマスだと思われているようですが、本当はこちらが最大のイベントですからね? 復活の主日のミサの福音朗読はヨハネ福音書20章1-9節がまあ定番ちゃ定番なんですが「キリストが復活して墓からいなくなっている」エピソードは4つの福音書それぞれにありまして各年の復活徹夜祭の福音(マタイ28章1-10節、マルコ16章1-7節、ルカ24章1-12節)を主日に朗読し