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あなたに首ったけ顛末記【長編小説】

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『異能もの現代ファンタジーラブコメ』女子向けライトノベルなお話です。お口に合いそうでしたら、ひと口だけでもいかがでしょうか?note独占配信(笑)&全話無料!不定期更新で連載中で…
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2022年11月の記事一覧

あなたに首ったけ顛末記<その3・水野春臣の懊悩と金曜日が終わらない件>【小説】

あなたに首ったけ顛末記<その3> ◇◇水野春臣の懊悩と金曜日が終わらない件◇◇ (10300字) <1>水野春臣の金曜日・1 (1900字) 「なんだこれ……ヘビ、なのか?」  それを確かめた途端、俺、水野春臣は、思わず声を上げた。  ここは、十緒子の部屋。  さっきまで寝室の入口にいたヤバそうな生き霊は、去った……ベッドの上でベロチューかます、俺と十緒子を見て。  そのすぐあと、姿を現した、それ。    仰向けで脱力している十緒子と、十緒子に覆いかぶさって

あなたに首ったけ顛末記<その4・御崎十緒子のゴカイ☆フェスティバル>【小説】

あなたに首ったけ顛末記<その4> ◇◇御崎十緒子のゴカイ☆フェスティバル◇◇ (14400字) <1>御崎十緒子は誤解する(1) (4200字)  『鑑賞』が足りないから生き霊になりがち、というのは、実は詭弁だったりする。  水野さんが、命がかかっていることだからと仕方なく、渋々イヤイヤ提案してくれて、私は嬉々としてそれに乗っかって。  結局、『鑑賞』が生でも間接でも、問題はそこではなかったのだ。  だって、私がいちばん最初に願ってしまったのは。  手を伸ばした

あなたに首ったけ顛末記<その5・手は口ほどに物を言うし言われたがってる>【小説】

あなたに首ったけ顛末記<その5> ◇◇手は口ほどに物を言うし言われたがってる◇◇ (15400字) <1>御崎十緒子は眼鏡をかける (5300字) (十緒子様、あの女。魂のつなぎが、もうすぐ切れます。数多の邪を、引き連れて)  生き霊さんに警戒しながら、私、御崎十緒子のウチから水野さん、水野春臣の住むマンションへ移動した土曜日、彼の部屋のリビングで。  ソファのローテーブルの上、宙に浮かぶ白いヘビ……この世のものではない不思議なヘビ、しーちゃんが、ふわん、と白く