10分でわかる連結財務諸表
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連結財務諸表ってなに?具体的にどういう状態?そんな疑問を10分で解消するnoteです。
簿記のような難しい計算は一切入れず、連結の概要をつかむことにのみフォーカスしてるのでお気軽にご覧下さい。(/・ω・)/
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【このnoteでわかるようになること】
①連結とはそもそもなにか
②連結財務諸表がなにを表すのか
③どのようにして作成されるのか
※当noteは貸借対照表や損益計算書などの基本的なワードを知ってる前提で書いてあります。
連結財務諸表ってそもそもなに?
連結財務諸表は『連結貸借対照表』『連結損益計算書』『連結株主資本等変動計算書』『連結キャッシュフロー計算書』から構成されます
今回はよく見る前者の2つについて。
連結貸借対照表では親会社と子会社を合わせたグループ全体の財政状態を表示します。
連結損益計算書では親会社と子会社を合わせたグループ全体の経営成績を表示します。
文章だけだとよくわからないと思うので、図解と一緒に見ていきましょう!
違いがわかるように個別財務諸表と比較して説明していきます。
個別財務諸表
個別財務諸表とは、1つ1つの会社が期末に”保有してる財産の額”、”1年間の売上”や”利益”など自社の情報を報告するものです。
その会社単体の情報が表示されるので、多くの人がイメージしやすいと思います。
連結財務諸表
これに対して連結財務諸表とは、親会社と子会社等の経営成績などの情報を合算し、グループ全体の情報として表示しているものです。
一言でいうと、
『複数の会社の情報をまとめて表示している』ものです。
より具体的にイメージできるよう、数字を使って見てみましょう。
『おーとりあえず合算してるんだな』ということを数字を通して理解できればそれでOKです。
合算して表示する連結の範囲・子会社とは
連結がどんなものか、ざっくりとしたイメージはつかめたかと思います。
次の話は
『子会社等と合算して表示する』と書いてあったけど、『そもそも子会社等ってなに?』という話です。
どんな会社が子会社等で、合算の対象になるのか見ていきましょう。
定義を書くと
子会社とは、親会社に意思決定機関を支配されている会社のことです。
はい、皆さんの考えてることはわかります。(笑)
『意思決定機関?支配?どゆこと?』って感じですよね。
簡単にいうと、
自社が他の会社の議決権の過半数を保有したら、その会社は自社の子会社になります。
これもまた図解と一緒に見ていきましょう!
まず前提知識として、株式会社は役員の報酬や経営の方針を”株主総会”という機関で決定します。
これが先ほどの意思決定機関のことです。
そして、株主総会の決議は多数決で行われます。
例えば、
A社開催の株主総会における総議決権数が100で、そのうちB社が60の議決権を持っていると想定しましょう。
この場合、B社は自分たちに好ましいような意思決定を、多数決によってA社に行わせることができます。
つまり、議決権の過半数を持っているような状態が
”B社がA社を支配してる”=”A社はB社の子会社”
ということです。
なので、この場合、B社の財務諸表にA社の財務諸表を合算して表示します。
【重要】1つイメージとして持ってほしいのは、連結の考えにおいて、子会社は親会社の1部ということです。
『親会社の1部なら合わせて表示したほうがいいよね』という感覚です。
※【参考】子会社等の”等”について一応触れておきます
例えば、当社の支配している子会社が支配している会社、いわゆる”孫会社”などのことを指してると思ってください。
孫会社についても合算して一緒に表示するということです。
連結の手順
それではどのようにして連結財務諸表は作成されるのかを”2段階”に分けて見ていきましょう。
ココを理解しておくと、『こういう子会社がいるから財務諸表の形はこうだ!』といった財務諸表の読み方ができるようになります。
①個別財務諸表の合算
1段階目は簡単です。
親会社と子会社の財務諸表を単純に足し合わせるだけです。
これは最初に説明した連結のイメージと合致すると思います。
②連結修正仕訳
①の合算しただけでは実は完成ではなく、そこに”連結修正仕訳”というものを行い、調整を加え、連結財務諸表の完成です。(なぜ調整が必要かは後述)
これも文章で説明されるだけだとわかりにくいので、どんな調整があるのかを図解を使って見ていきましょう!
修正仕訳の例の代表的として、親会社・子会社間での取引はなかったことにします。(親会社が子会社に商品を売るetc..)
なぜこのような修正を行うのか、具体例を挙げて説明します。
連結財務諸表において、子会社は親会社の中の1部というイメージと先ほど書きました。
つまり、親・子会社間の取引は
親会社の営業部が社内の経理部に対して、商品を売り、売上高を計上しようとしてるのとなんら変わらないのです。
これはまずいですよね。
ボールペン作ってる会社が、自分の会社の経理部にボールペンを持って行って売上を計上しちゃうんです。顧客に売ってないのに売上高を計上するわけにはいきません。
親・子会社間の取引は同じ会社の中での取引と同様なので、それを『売上です!』と外部に報告するわけにはいかないので消去します。
修正仕訳の例②親子会社間の貸付金・借入金の消去
親・子会社間の債権債務は消去します。
親会社が子会社に貸付を行っていたとします。これは子会社からすると親会社に対する借入です。連結財務諸表では、これらは消去して、ないものとします。
なぜか。連結において子会社は親会社の1部です。
そのため、親子会社間の貸し・借りは、外部の人から見たら同じ会社の中での貸し・借りと同じなわけです。
『A会社の経理部は営業部に500万貸してる』という情報は外部の人にとって必要でしょうか。1つの企業の中でのお金動きなんだから必要ないですよね。
なので連結財務諸表を作成する際、合算したものから消去します。
まとめ
・連結は親会社・子会社の情報を合わせてグループ全体としての情報を表示
・子会社は議決権の過半数を所有されているような会社
・大切なイメージは『連結上、子会社は親会社の1部であること。』だからこそ一緒に表示するし、親子会社の取引は消去する。
・連結の手順は①合算②連結修正仕訳
と、なります!ご覧いただきありがとうございました!
おまけ
特にマネタイズは考えてないのですが、『この記事がわかりやすかった‼ 』という方もしいれば、投げ銭代わりにご購入ください。(今後の活動資金にさせていただきます。)
おまけについてですが、アップグレードしたのでそこそこのボリュームになりました。(笑)
投げ銭頂いた方へのお礼の代わりです。
実際の有価証券報告書を使って、『子会社の情報を見たとき、どんなことを考えるか』を2例紹介します。
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