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「大繁盛店」を閉めた理由、そして今必要な「人」の力

こんばんは。

家族サービスで観にいった映画のせいでまんまと「鬼滅の刃」にハマり、Netflixで全話視聴し、漫画を全巻「オトナ買い」した森です。

ストーリーや演出はもちろん、感心したのは偶然見たアニメ制作側のドキュメンタリー。とにかく「世界観」へのこだわりが半端ないですね。例えば、善逸達キャラクターの羽織の柄の数はちゃんと個数が決まっていて、毎回数えるんだそうです。

アニメを見てる人は正直そこまで見ないんだけど、その世界にいたとしたら柄の数はもちろん変わるはずないですよね。

「そういう部分」にこだわる人たちだからこそ、最終的にあれだけのクオリティのものを生み出せるんだと思います。

それは僕らに置き換えても全く一緒で、「見えないところ」も「見えるところ」も大事。みんなが店で過ごす「質の良い時間」のためにこだわり続けます。


あえて避けてきた、そこで働く「人」へ目を向けること

現在FISHMANには、東京新宿を中心に炉端居酒屋などを展開し接客や人材育成に秀でた「株式会社 絶好調」の専務取締役、松村康夫さんと総店長の深瀬一輝さんに入っていただき、「チームビルディング」や「店の在り方」も含め、1ヶ月間コンサルティングをしていただいています。

でも、2009年のオープンからFISHMANは今年で11年目。

なぜいま、外部の方に入ってもらってまで「人」の育成をしているのか?

そこには、FISHMANの前身「パロマグリル」での経験も含めた僕の「失敗」が関係しています。


大繁盛の中、閉店した「パロマグリル」

見た目はカフェ、でもいざ店に入ると“フレンチレストラン並み”の料理が味わえる。
そんな世界観で2002年から2016年までの14年間、FISHMANの向かいで営業していた「パロマグリル」。

おかげ様でオープン以来14年間連日満席で、一度も赤字を出さなかった繁盛店でした。
席数は16坪30席と店舗も決して広くはなかったものの、毎月150万〜200万の利益を出していましたから「ビジネス的な成功」もあったと思います。

15年目も16年目も、営業し続ければ「ずっと」続いてたはずです。


でも、「パロマグリル」は閉店しました。

僕が閉店させました。

突然店を閉めなゃきけないようなアクシデントがあった訳ではありません。

アップデートして、またリニューアルオープンしようとも正直思っていませんでした。


店を閉めた理由は一つ。

そこで働く「人」の関係性に疲れ切っていたからです。

大繁盛といわれた店自体の盛り上がりとは対照的に、裏ではそこで働く人たちの「チームワーク」というものが全くとれていなかったんですね。

これは僕自身の「在り方」もすごく影響していたと思います。

当時店では「仕事ができないのは悪だ」という空気が蔓延していました。

それは僕自身がスタッフの「人間性」を見ることなく、「仕事ができるか」で全てを判断していたからです。

でも当時は、それが「パロマグリルのためになる」と本気で考えていました。
僕自身も厳しい中で這い上がってきたし、それが自分の「自信」にもなっていたから。

そういう僕の考え方を鏡にして、それぞれ仕事はこなしてくれていましたが、料理長や店長を始めそこで働く「人」の関係性は悪化していました。

要は、僕の悪い意味での「イズム」が人を動かしてしまっている状態。

いくら毎月何百万単位の利益をあげても、働くスタッフたちの「幸福度」は上がらない。

一度根付いしまった「悪いイズム」と店の空気を変えることができず、僕は大繁盛の中、パロマグリルの幕を下ろす決断をしました。

いま、「人の力」をアップデートする


それは2009年にオープンしたFISHMANについても同じでした。
根付いてしまった「人に厳しいルール」を変えたいと思いながら、僕はそれを「パロマグリル」を閉店した後も形にできず、さらにはFISHMANを遠ざけ、コンサルティングのため全国に足をのばし、店に顔を出すのも月に一回ぐらいになっていました。

「自分の店なのに自分の店じゃない」という不思議な感覚で、気づけば10年経っていました。

そんな中、僕がFISHMANに強制的に向き合うきっかけを作ったのが、このコロナショックでした。
全国に行くのが難しくなり福岡にいる時間が多くなった中で、自分自身を整理し、内観し、FISHMANについて考える時間を設けることができました。


そして踏み出した店のアップデート。

その一歩が今回のスタッフたち、いわゆる「人」のコンサルティングです。

親バカかもしれませんが、僕が築いてしまった「厳しいルール」の中で働いてきてくれたスタッフたちは、人一倍「忍耐力」とお店に対する「愛」を持っていると思うんです。

そして各々が持つエネルギーをさらに「結集」し、お互いに「感謝」しながら働けるようになったとき、僕が思い描くこれからの飲食店、しいては社会の形に必ずつながっていくと確信しています。

ということで、これまでは僕の話をしてきましたが、今度はFISHMANで働くスタッフたちのことも知ってもらいたいと思います。

そこで働く「人」にスポットをあてます。


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