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はじめてのメダカ❷餌やりと掃除

さて第2回、メダカ飼育の第1週目のスタートです。
今日から1週間は、エサやりとスポイト掃除だけをやっていきます。


置き場所

まずはメダカの水槽をどこに置くのか?…ですが、屋内飼育の場合は、

  • 直射日光を避けた明るい場所

  • 夏場に室温が上がらない場所

  • 夜は真っ暗になる場所

が原則です。

屋外飼育の場合は上記条件にプラスして、最初の2か月間は雨を避ける場所に設置してください。

直射日光を避けた明るい場所

水槽に直射日光を当てると、夏場であれば水温が40度を超え、メダカがお星様になってしまいます。
また、藻やコケが大量に発生してしまったり、雑菌が繁殖して水質を悪化させたりもしますので、くれぐれも注意してください。

夏場に室温が上がらない場所

真夏の車の中を想像してみれば分かると思いますが、たとえ日影であっても密閉された場所の温度は、とんでもなく上昇します。
そういった場所に水槽を置けば・・・もうおわかりですよね。

ということで対策としては、部屋の熱は上に溜まるので、
・水槽を低い場所に置く
・出かけるときは換気扇を回す
という方法が有効です。

また、水槽の下に割り箸などのようなものを敷き、風が通り、熱が逃げる隙間を作るのも安価にできる対策です。

それでも水温が上がる場合は、水槽に扇風機をかける方法があります。
これは気化熱を利用する方法なので、水面に風が当たらなければなりません。
ですから水槽の上蓋を取り、水面に風が当たるようにしてください。

夜は真っ暗になる場所

メダカは自然界の生き物です。
なるべく自然環境と同じようにしてあげなければ、ストレスがかかってしまいます。
メダカも休みますので、なるべく夜は暗くなる場所に置いてあげてください。
※夜に暗くなる場所がなければ、段ボール箱のようなものを被せる方法でもOKですよ。

雨水が入らない場所

100均バケツでの飼育(屋外飼育)をオススメしてますが、メダカや水質が落ち着くまでの2ヶ月間は、雨が入らない場所に置くようにしてください。


エサやりと掃除

よし、エサをあげよう!
と思うかもしれませんが、チョット待った!です。

エサをあげない?

水槽に入れたばかりのメダカは緊張していて、エサをほとんど食べません。
また、色々な事をするとストレスがかかってしまうので、初日はなるべくそっとしておくことがベターです。

エサやりは、
・朝~昼に水槽に入れたのであれば翌日の夕方から
・昼~夕方に水槽に入れたのであれば翌々日の朝から
1日2回(朝と夕方)エサを与えるようにしてください。

※活動期(6月~9月)を過ぎると、朝か夕方の1回でもOKです。冬の活動低下時期は室温や水温にもよりますが、エサやり回数や量はもっと少なくなります。
(外で飼育しているメダカは冬眠状態になっているので、1~2ヶ月くらいは全くエサを食べない場合もあるんですよ)

※おさらい※
メダカは活動期でも1週間くらいなら、エサを食べなくても平気な生き物ですので安心してください。

まずは掃除から

さぁ、エサをあげよう!
っと、その前に。

水槽の底を見てください。
何か溜まっていませんか?

もし溜まっているのなら、スポイトで吸い取ってください。
そして、吸い取った分の水を補充してください。
もちろんカルキ抜きをした水ですよ。
エサやりはそれからです。

さて、ここで問題です。
カルキを抜く以外に気を付けることは何でしょうか?
(答えは、このページの一番下にあります)

エサをあげよう!

やっとエサやりにたどり着きましたネ。

ということで与えるエサの量ですが、一般的には、
・1分間で食べきれる量
とされていますが、ハッキリいって初心者の方がそんな量が分かるハズもありませんよネ…
(これを書いている私も未だに分かりません…笑)

同じメダカでも、夏場の活動期、冬場の休眠期、産卵期などでは食べる量が全く違いますので、体感で覚えていくしか方法がないのが現状です。

ということで、とりあえず2匹につき耳かき1杯程度のエサを与えてみてください。

多ければ底に溜まりますし、少なければ底がキレイなままですので、そのときはエサを追加してください。

底にたまった残ったエサは、次回のエサやりの前にスポイトで吸い取ってあげてくださいネ。
※食べ残しのエサがあまりにも多い場合は、即座にスポイトで吸い取ってください。水槽内の水が栄養が豊富になり過ぎて、微生物が大量に発生してしまい、一晩で水が白濁りします。

※エサやりのコツ※
1.エサは、底にたまった糞や食べ残しのエサ、その他のゴミをスポイトで掃除してから与えること!
2.食べ残しのエサが少ししか底に溜まらないように調整して与えること。
3.少しのエサが底に残っていても、バクテリア(後述します)のエサになるので、あまり神経質になって取り過ぎないようにすること。


体感で覚える水槽

《体感で覚える水槽???…なんだそれは…》

と思った方も多いかもしれませんが、【はじめてのメダカ❶セッティング】にも、
「最初の1週間は、この5点だけでスタートOKです!」
と書いたのですが、その理由を説明します。

眼で見て分かる体感学習

一般的によく見る水槽と、今あなたの目の前にあるご自身の水槽の違いでは、底砂(低床)の有無が挙げられますよネ。
下記画像参照のこと

もうお気づきだとは思いますが、底砂があると底砂が邪魔で、
・エサの量が多いのか少ないのか?
・どのくらいの量の糞をしたのか?
などがわかりません。

エサや糞が大量に溜まるのは、水質悪化の最大原因のひとつです。
これではメダカを上手に快適に飼育することの学習ができません。

ですが一方、今あなたの目の前にある水槽の底には何もありませんよネ。

何もないがゆえに、
・糞の量
・エサの食べ残し
・その他の遺物
をご自身の目で見て、体感で学習できるのです。

※低床などを敷いていない水槽を「ベアタンク」といいます。覚えておきましょう。

先を見据えて

【はじめてのメダカ❶~❺】まででは、低床は敷きませんが、あなたご自身がメダカ飼育に慣れて、いずれは下記画像のような水槽を作って行くかもしれません。

その日が来たときのためにも、是非とも今目の前にある水槽で、
・エサの量
・糞の量
・異物やゴミ
などが体感で分かるように学習をしてくださいませ。

より良い飼育者になることを願ってます。


循環サイクル

自然界は、生き物が死に→土に還り→草木の栄養になる。というふうに、循環するように出来ています。
今あなたの目の前にある水槽も、その循環サイクルを作らなければなりません。
※循環サイクルは、濾過(ろか)システムなど呼ぶことがあります。
下記の図を見てください。

いかがでしょうか?
バクテリアがアンモニアを分解して弱毒化させ、水草がリン酸などを含めて吸収してくれています。(これが生物濾過です)

あなたが目指す水槽は、この循環サイクルを持った水槽です。

※飼育での完全な循環サイクルは、有害物質が若干残るので不可能ですが、それを補う方法が水喚えです。
(自然界のメダカは川の流れで水が入れ換わります。水槽内は手動で水換えを行うことにより、自然界に近い状態を作り出します)

濾過の種類

濾過システム方法としては、
・生物濾過=バクテリア・水草・貝などで分解濾過する方法
・物理濾過=主にフィルターで濾す方法
・化学濾過=活性炭やゼオライトによる濾過
がありますが、この【はじめてのメダカ❶~❺】では、生物濾過をメインに進めていきます。

バクテリア

バクテリアを制する者は水槽を制す。なんてことを囁かれるほどバクテリアによる分解濾過は大切です。

《それじゃぁ、バクテリア剤を買ってきた方が良いの?…100均にも売ってたし…》

確かにバクテリア剤を買って水槽に入れた方が良いとは思いますが、もうすでに目の前の水槽にはバクテリアが入っているんですよ。

下記の図を見て思い出してください。

水質の水合わせのときに、ゲットした袋の水を水槽の中に入れましたよネ…

実は、この袋の中にバクテリアが入っていたのです。

メダカをゲットしたときに袋に入れてくれている水は、そのメダカブリーダーさんが飼育していた水です。
当然その水にはバクテリアが漂っています。
※そういった水を「飼育水または種水(たねみず)」といいます。

ですので、絶対にバクテリア剤を買って水槽に入れなくてはならない!…というワケではないのです。
※大気中のチリなどにくっつたバクテリアが水槽内に入って繁殖したりもします。

※重要➀※
バクテリアが循環サイクルに貢献するまで増えるには、2ヶ月以上かかります。気長にバクテリアを増やしましょう。

※重要②※
「水1リットル=メダカ1匹」をえる場合は、バクテリア剤を購入して水槽に入れてください。
また、バクテリア剤はピンからキリまであるので選ぶのが大変です。出来れば曼荼羅メダカまつりで知り合ったブリーダーさんか、ショップの店員さんに聞いてみてください。(大きな声では言えませんが、「コレ、ほとんどバクテリアが入ってないじゃん…」っていう商品もあります)


水中の酸素

メダカは酸素を必要としますが、そのまま何もせずにいると、水中の酸素が無くなってしまい、メダカがお星様になってしまいます。

この酸素の補充は、2つありますので説明しますネ。

水面から補充

酸素は水面から溶け込み、補充されています。
※ただし、水槽の水を対流させなければ、水表面の酸素濃度が飽和状態になってしまい、それ以上の酸素は水に溶け込むことが出来なくなります。

水換えによって補充

糞やエサの食べ残しをスポイトで吸い出し、減った分の水を補填するのですが、このときに新しい水の中に入っている酸素が補充されます。

またそれと同時に、水表面の酸素濃度がいっぱいになった水が、スポイトなどで新しい水を入れる際に攪拌されて対流し、酸素が少ない水が水表面に出てくるため、新たに酸素を取り込むことが出来るようになります。

通常はコレで十分です。

※コツを伝授※
エサやりをする前に、スポイトで水表面をクルクルと軽く攪拌すれば、酸素濃度が少ない水が表面にくるので、また新たに水表面から酸素を取り込むことが出来ます。

※豆知識※
酸素は水表面から溶け込んでいきますが、下記図を見てください。

ということです。
※あまりにも縦に長い水槽はブクブク泡の出るエアーが必要ですが、水1リットル=メダカ1匹なら問題ないので、あまり気になさらないようにしてください。


水換え

水換えについて、おさらいと補足説明です。

水1リットル=メダカ1匹の割合であるのなら、水換えは先述した通り、朝夕のエサを与える前にスポイトで底にたまった汚れを吸い取って、減った分だけ水を補充すればOKです。

ですが、水1リットル=メダカ1匹を超える場合は、スポイトで底にたまった汚れを吸い取ったうえに、さらに月に1度は水槽の5分の1~4分の1くらいの水を入れ替えなくてはなりません。

これは、水の汚れと酸素不足が懸念されるためです。

※屋外でバケツなどで飼育しており、かつ、ヒメタニシやミナミヌマエビを入れている場合は、スポイト掃除を2~3日に1回やっていれば水替えはほとんど必要ありません。

ですが、水槽の水が濁った場合、話は別です。
多くの場合は、白色に濁ります。

こういった場合のやり方としては、
・エサやりの回数を1日1回に減らして、
・かつ、エサの量を5分の1にし、
・3日に1度、水槽の3分の1程度の水の入れ換えて
・バクテリア剤を投入し
・エアレーションの導入
を考えます。

これらの方法をネットで調べてみることはもちろんですが、曼荼羅メダカまつりで知り合ったブリーダーさんに聞いて見ることが一番です。

各ブリーダーさんはSNS等をやっていますし、次回開催の曼荼羅メダカまつりに来て、直接聞いてみることもオススメします。

※病気の場合もありますので、メダカの病気はネットで調べて、ひと通りは知っておいた方が良いです。

水槽リセット

病原菌が蔓延してしまった水槽や、どうしようもないくらいに藍藻類やコケが蔓延ってしまった場合などは、水槽などを丸洗いしないといけません。
そのために、一旦メダカを別の容器に移します。
(病気の場合は薬を投与して治療)

そうして、水槽や低床、流木など洗えるものは、とことん洗って天日干しして、再度水槽を作り直します。

この行為を「水槽リセット」といいます。

そうならないように、毎日観察してくださいネ。


寿命

メダカの寿命は1~3年程度です。
産卵時期は夏前後ですので、たくさんメダカを飼っていると水温差が激しくなる夏前後にパタパタとお星様になりますが、水質悪化か寿命かを見極めれるようになってくださいネ。
(越冬のときにも体力のないメダカはお星様になりますので、あまり慌てないようにしてください)


次回、用意するもの

ということで、次回(第2週目)に必要な物を紹介しておきます。

第2週目から行うことは、
・素焼きのポットに
・麦飯石(またはボラ土)を入れ
・水草を植える
ことをやります。

そうです。上の図にも書いてあった硝酸塩やリン酸などの「有害物質を水草に栄養として吸収」させるという生物濾過を行うためです。

そしてもうひとつ。
それは、より多くのバクテリアが棲むための場所の確保です。

それでは、準備しておいて欲しいものを紹介しますネ。

➀素焼きのポット&鉢底ネット

釉薬や色を塗った物は避けてください。
ホームセンターに行けば、100円前後で売ってます。
※注意※下記画像参照

AとBの素焼きポットですが、まず穴の大きさが違います。
そして、Aの素焼きポットには3カ所(赤丸の部分)凹みがありますが、Bの素焼きポットにはありません。

水中に沈めて使用しますが、水の循環対流のためには、Aの穴の大きさと、凹みがとても重要になりますので、必ずAの素焼きポットを選ぶようにしてください。

水槽に入れるポットの大きさや個数はおまかせしますが、最初は2号ポットか、2.5号ポットの1個から始めることをオススメします。
※最大でも、水2リットル=2.5号ポット1鉢程度です

曼荼羅メダカまつりを主催している馬九の店先の100均バケツビオトープです。
👇参考にして下さい👇

馬九ウェブサイト
馬九ウェブサイト

②麦飯石(またはボラ土)

素焼きポットの中に入れる土の代わりです。

・ボラ土
ホームセンターで売ってます。
麦飯石は少し角が尖っているので、植えるときに茎を傷つけてしまうので、出来ればボラ土をオススメします。
※土とは名ばかりで、軽石です。

【おしらせ】
ボラ土は、曼荼羅メダカまつりでも販売してますよ。

③鉢底ネット

鉢底ネットを自分でチョキチョキ切って、麦飯石またはボラ土が鉢底の穴から出て行かないように鉢底に敷きます。

④水草

水草は流石に100均では見かけません。
ホームセンターやペットショップ等で購入してください。

おススメというより、是非とも入れて欲しい水草は、
1.マツモ
2.カボンバ
3.アナカリス
この3種です。

この3種のなかでも、断トツにおススメするのがマツモです。

強さや成長力がバツグンです。

2番目はアナカリスです。手に入りやすく冬にも強くて育てやすいのでおススメです。

カボンバは、ある程度のバクテリアの多さと循環サイクルが出来てないと育ちにくいので、1ヶ月以上経ってから入れてみてください。

水草はこの3種を育ててから、他の種類を楽しんでください。

※重要※
【残留農薬】
水草を買うときに外国産の水草であれば、裏書に「エビの飼育には不向きです」と書いてあることがありますが、これは「農薬などの薬が使われています」ということです。
無農薬を指定して購入してください。
(ショップの店員さんに、「ミナミヌマエビを飼育しているのですが、この水草は大丈夫ですか?」と尋ねるのがコツです)

ということで、次回をお楽しみに。。。

答え:水を合わせる
(コレ、忘れる人が多いです。気をつけてくださいネ)


第3回

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