キラキラした背中、見せてますか?

10年前に勤めていた児童館では毎年夏にお祭りをしていました。
子ども達を中心にお店を企画運営し、当日お客さんをもてなす。
そのベントの中で、どうしても自分がやりたかったことがありました。
高校生の時からやっていた「バンド演奏」。
一緒に働くスタッフでギター経験者がいたのと、若手の男の子に「なんとなく似合うから」という理由でベースを(パワハラではありません(笑))、機材をレンタルし、お祭りのオープニングでやらせてもらいました。
今までのお祭りとは違うオープニングだったので子ども達も若干驚きと、見慣れない機材が並んで興味津々の眼差しで始まったお祭りでした。

その中で、バンドという行為にワクワクしている小学校6年生の女の子4人がいました。
当時は「けいおん」というアニメが流行っていたのも相まっていたのでその子たちの中で「やってみたいよね!!」という声が聞こえてきました。

男性指導員の私としては思春期の女の子との関わりは、しっかりと距離を見定めているようにしています。
その小6の女の子他紙とも距離を測っている段階だったのでその「バンドやりたい」という声はもう「待ってました!!」と言わんばかりのタイミングでした。

なので声をかけてみました。「バンドやってみない?」と。

無邪気さもあったせいかすぐに「やりたい!!」と乗ってきてくれました。

そこから施設にドラム、ギター、ベース、すべてを導入し、その子達ができる環境を整えました。
もちろんんその子達がやってみたい曲も検討しましたが、完全にこちらの趣味嗜好で(笑)「ELLEGARDEN」「RADWINPS」の曲の数々をやってもらい、それを児童館のイベントで披露をしてもらいました。

教える熱量や、楽しさ、その子達の素直に上達する姿に感動し、直接「上手くなったね」「感動したよ」と声をかけ続けてました。
中学生になっても続けてくれ、楽しい趣味の一つになれたのではないかと個人的に思っています。

10年後の今。

私は今、「子どもたちが幸せになれる環境を作る」と明言し、#Morning Houseというクラブハウスの音声SNSで素敵な方々の意見を受け入れながら「ドッジボールお兄さん」として「子どもを幸せにするために子どもと関わるスタッフがキラキラした大人であることが大切」と発信しています。

その為に自分は今まで何をしてきたのか、を棚卸していました。その中に「小6の女の子達とのバンド活動を通じての交流」がトピックに挙がりました。同時に「自分は今まで人に受け取っているだけで与えることができていたのだろうか」と考えるようになりました。

#Morning Houseでも受け取っているだけで、自分が何か与えることができているのか。そもそも与えるってどういうことなんだろう。そう考えて悩んでもいました。

そんなときに一本のLINEがきました。

「お久しぶりです。お元気ですか?」
「実は転職について考えているところです」

あの時バンドを教えていた女の子の一人からでした。
今年22で新卒社会人一年目になっていました。

「どこかでちゃんと社会人やらなきゃと考えるんですがちゃんとってなんだろう、自分の中で大切なことってなんだろうって考え始めました。そんな中で北村さんのようなキラキラしている大人を思い出して連絡しちゃいました」

思わずその場で号泣してしまいました。

もらっているばかりではなかった。自分も誰かに与えることができていたんだって。

心の中ではわかっていました。
この仕事はすぐに結果が返ってくる仕事ではない。むしろ帰ってくることを期待する時点で指導員として間違っている。
今でもそれが大事な芯として仕事をしていました。
「楽しく働く大人の姿を魅せる」
これを心に決めて仕事していました。

たまたま今自分の棚卸と悩んでいた所にこのLINEで思わず涙してしまった、ということです。

10年越し。

これは本当に自分でも驚きですし、「キラキラした大人」として存在できていた事も嬉しかった。

大事なのは「繋がっていた事」ではなく、「キラキラした大人でいることが大切」という事です。
別に意識はしていません。
ただただ子ども達と楽しい事をしたい。その為に何ができるか。をいつも考えて行動しています。
それが結果子どもや一緒に働く大人に「キラキラしている背中」として魅せられる。

やっぱり楽しくやっていこう。
そう思えました。

皆さんは毎日笑って、キラキラしていますか?


☆北村 篤☆



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