なぜ政治家の謝罪会見はバズるのか
なぜ政治家の謝罪会見はバズるのか。 これは簡単で、「ステータスが下がるのを見れるから」です。 パワハラ・セクハラで告発されて、その謝罪会見をするとなったら恥ですからね。 恥をかく政治家を見たい。 政治家というのは、ステータスが高いですから、どれだけ転落するかを見たい。
人間は、いつも誰かがミスをするのを待っているし、序列が下がることを望んでいる。 それの象徴的な例が、「政治家の謝罪会見」なんですね。 先日も日大の大麻問題で、林真理子というステータスが高い人が会見をしてました。あれも注目度が高かったですよね。テレビでも取り上げられる。 テレビというのはチャンネル数が限られていて、その中に組み込まれてくるわけですから、非常に人々の関心を引くコンテンツテーマだということですね。
ワイドショーで取り上げるものも、ステータスが高い人(政治家、芸能人、経営者など)の事件事故、裏金問題、不倫です。ステータスが高い人がミスをしたとか、有名な企業が不正をした。 ちょっと前はビッグモーターというでかい会社が不祥事を起こして話題になった。 なんで話題になるかというと、「成功者を引きずり下ろしたい人がたくさんいるから」ですね。 ここぞとばかりに成功者のステータスを下げる。そしてもう二度と上がってこないようにする。これがステータスを気にする生き物としての人間の当たり前の行動なんですね。
これを道徳ポイントを稼ぎたい人は、こういう人間のステータスを気にする属性を、 「良くない」と言って、「克服しよう」と言って、「他人と比較するな、ステータスを気にするな」みたいな、そういうことを言うんですが、 僕はそれは言いません。というのは、進化の過程で形成されたステータス欲求は、ちょっとやそっと考えたところで手放せるものじゃないからです。「手放せないのに手放せる」と言うのは、人を騙していることになるんで、僕はそういうことをしたくない。 無理なことをできると言いたくない。自分ができないのに人にできるよと言いたくない。 よく自己啓発とかで、「他人と比較するな」「地位や名声を追うな」みたいな、そういうことを説く人がいるんですが、 あれっていうのは結局、その人が「道徳ポイントを稼ぎたいだけ」なんですね。進化心理学の言葉で言えば、「美徳シグナリング」と言って、「自分は道徳的に優れた人間である」ということを人々に見せつけているだけなんですね。 その行為自体も生存戦略として人間に備わっているので、全否定はしません。人は自分を理性的で高貴な人物であるとアピールしたい。 それも人間の習性の一つですが、それをどこでも振り回していいかと言ったらそうじゃなくて、やっぱり人に迷惑になることはやめたほうがよい。 だから自分の道徳ポイントを稼ぐために、人に無理なことを要求するのはおかしいんですよ。ですから、人に対して「比較をやめなさい」とか「ステータスを気にせずに生きなさい」みたいな、そういう要求をするのはおかしいと思うので、きっぱりと僕はそういう人を軽蔑します。「単に自分が気持ちよくなっているだけでしょ」と言いたい。
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