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オススメの短編集・読切マンガをみんなで集めました【マンバ読書会レポート】

どうも、クチコミとランキングでいいマンガが秒で見つかるサービス『マンバ』です!オンライン配信イベント「短編集・読切マンガを語るマンバ読書会」を開催しました!このイベントのもようを、マンガソムリエ・兎来栄寿さんによるレポートでお届けします!

配信アーカイブを聞きながら参加者の皆さまイチオシの作品をぜひ読んでいただだければと思います。それではどうぞ!


10月21日(金)、「短編集・読み切り」をテーマにしたオンラインマンバ読書会が開催されました。

マンガといえば、世間一般のイメージの多くは人気のある長編作品であろうと思います。
しかし、ほとんどの作家が最初に描くのは短編であり、その限られたページ数の中でいかにキャラクターを立ててドラマを盛り上げ、読者の感情を揺り動かすのかというところにはマンガのエッセンスが込められています。

「忙しくて何十巻もあるマンガには手を出しにくい……」
そんな時間に追われながらも無限のコンテンツに囲まれている現代人にこそ、短編集や読切作品はぴったりであるとも言えるでしょう。

この会では短時間で読めて面白い作品が数多く挙げられましたので、読書の参考にしていただければと思います。

■オープニングトーク

毎度僭越ながら、私のオープニングトークからスタートしました。
今回もリストを作成し、それに沿った形で作品紹介をさせていただきました。

世の中に面白い読み切り・短編集が溢れすぎていて、最近のものかつそれぞれ10タイトルずつという私的縛りを設けた上でも非常に選定に苦慮し、明日になったらまたかなり違う顔触れになるかもしれないと思いながらこの日に提示したのはこの辺りでした。

「さよなら絵梨」についてはこちらの記事で特筆しております。

その他にも、大白小蟹さんの「海の底から」、東真彩さんの「怪獣たちのバラード」、吉富昭仁さんの「20years」、三田白三さんの「人魚姫」小川しらすさんの「きみの絵を見ていた」、吉村健太郎さんの「人はバットで殴られると死ぬ」、羽浪さんの「応為ブルー」、島本和彦さんの「燃えよペンRRR 1993「LIVE A LIVE」制作記録編」、西村隆さんの「Period.」、弓庭史路さんの「國我政宗の呪難」、朝比奈りいむさんの『ダブルステップ』、いしいひさいちさんの『ROCA 吉川ロカストーリーライブ』、山口つばささんの『ヌードモデル』、平尾アウリさんの『女子には歴史がありまして』、misoさんの『恋い焦がれ歌え』、川原泉さん・福田素子さんの『デジタル原始人』、鯨庭さんの『言葉の獣』、あべまりなさんの『あべまりな短編集 不思議な箱庭』、真造圭伍さんの『センチメンタル無反応』、玉置勉強さんの『ザ・ドラッグス・ドント・ワーク』、 谷口菜津子さんの『うちらきっとズッ友』、山田金鉄さんの『全軍奮闘!』、福田星良さんの『百年後のアポロ』etc……挙げたかった作品がたくさんたくさんありました。

■皆さんのリスト

今回も、事前に皆さんが作ってくださったリストを順番に見ていきました。
個性豊かで、中身の充実したリストばかりですのでぜひご覧になってください。

こちらはtoyonekoさんが作られたリストです。
あさがくる」は珠玉の読み切りでしたので、多くの方に読んで欲しいですね。
からの、「オナ禁エスパー」という対比。今年最もパワフルでエネルギーに満ちた読み切りのひとつであったのは確かだと思います。
『岸辺露伴は動かない』『空が灰色だから』『BEAST COMPLEX』辺りはもう絶対に外さない名作短編ですね。

こちらはかしこさん作成のリスト。何と、32作品もの読み切りを挙げていただきました(更に追加もして頂いている模様です)。
最初に挙げられた「20世紀のアフタヌーン ~由利編集長のはなし~」からしてもう間違いのないリストだと伝わってきますね。諸事情により電子版からは消えてしまったのですが、個人的にももう一度読みたい読み切りです。話題の67歳の新人、ハン角斉さんの名前も。
はちヨシミさんの「へんだな恋かな」も非常に良かったので連載が楽しみです。
会では取り上げ切れませんでしたが、ヤンマガの40周年特別読み切りシリーズも良かったですね。

こちらはあうしぃさんによる、「この先生も百合を描いていたの!?」と驚くような方の描いた百合マンガのリストです。
『甘々と稲妻』がアニメ化もされブレイクした雨隠ギドさん、元々はBLを多く描かれていたこともあり感情表現の巧さは抜群。それが百合にも十全に生かされている『終電にはかえします』は名作ですね。
『ウミショー』『さんかれあ』『綺麗にしてもらえますか』のはっとりみつるさんは、とにかくかわいい女の子を描くのが上手いので百合を描いても良いのは最早必然。
『宙のまにまに』の柏原麻実さんも同様に絵のかわいさが生かされながら秀逸な百合を描いています。『バンドリ』のコミカライズも良かったですね。

「甘い百合もいいけど、ちょっと考えさせられたり切なさもあったりする百合も」というあうしぃさんのリスト。個人的にもどちらも好きですが、心に掻き疵を残すような百合はまたそこにしかない良さがありますよね。
『推しの肌が荒れた ~もぐこん作品集~』は私も冒頭で紹介した短編集です。
須藤佑実さんの『包帯少女期間』、紺野キタさんの『女の子の設計図』など絶妙なラインナップですので、切ない系の百合好きの方は触れてみては。
なお、台湾発の『綺譚花物語』に関しては、マンバ内でも度々特集しております。


こちらもあうしぃさんによる、谷川史子さんの単巻完結&短編集のまとめです。
80年代から長らく漫画家として活動されている谷川さん、数多くの作品があるので「どこから読んだら良いかわからない」という方も多いかと思いますが、こちらはとても良い谷川史子さん入門ガイドにもなっています。
これらの短い作品から入って、気に入ったら『清々と』『はじめてのひと』『おひとり様物語』などにも入って欲しいというあうしぃさんのコメントに120%同意します。

こちらはみやさんによるリスト。
一番最初から雨野さやかさんの『星の砂』を挙げてらっしゃるところからして、「ああ、何と綺麗で優しいリスト!」と思いましたが、最後に「?」が付いている通りそれでは終わらず。
『櫻井大エネルギー』『ひとりあそび』と、成人向け漫画との境のところにあり一般のマンガ好きにはあまり有名ではないものの確かな名作が並べられます。
そして、『雨と君と』が大いにバズっている二階堂幸さんの短編集『ありがとうって言って』でまた綺麗で優しいところに戻って〆られるという味わい深いリストになっています。

■おわりに

近年までは単行本未収録の読み切りが良いとお薦めをしようとしても、最新でなければ雑誌のバックナンバーを見付けるのは難しいなどハードルが高いものでした。しかし、最近では多くの雑誌が電子版で手軽にバックナンバーも読めるようになっており、またweb掲載されるものも増えたことで数多くの作品に触れやすい環境が実現していて便利な限りです。ぜひともこの環境を生かして良い作品にたくさん出逢っていただければと思います。

また、短編集については自分だけで楽しむのも良しですが、1冊だけで十全に楽しめるというところでマンガが好きな方へはもちろんのこと普段マンガを嗜まない方へのプレゼントにしてみるのも良いかと思います。連綿と話題にされ続ける連載作品と比べるとなかなか話題に上がることも少ないのが短編集ですが、良いものは良いと語り継いでいくことで新たな感動との巡り合いを創出できたら嬉しいですね。


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