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全国47都道府県のご当地マンガ288作品を集めた日本地図が出来ました!【マンバ読書会レポート】

日本全国 ご当地マンガを語る会

どうも、クチコミとランキングでいいマンガが秒で見つかるサービス『マンバ』です!
先月もYouTube Live配信にてオンライン読書会を開催しました!

今回は「日本全国 ご当地マンガを語る会」。全国津々浦々、実際の地域を舞台にした素敵なご当地マンガを語りました。参加者の皆様とともに日本全国47都道府県をマンガと一緒に巡らせていただきましたよ〜!!

イベントの模様を、マンガソムリエ・兎来栄寿さんによるレポートでお届けします!記事の最後ではご当地マンガを集めた「マンガ日本地図」もお披露目しています。こちらもお見逃しなく。
配信アーカイブを聞きながら紹介した作品をチェックしてみてくださいね〜!

◇◆◇◆◇

「ご当地マンガ」をテーマにしたマンバ読書会が10月31日(土)に開催されました。

△当日の配信アーカイブ△

実際の地域を舞台にしたローカル性の強いマンガを皆で集め、そして今回はそれを元に日本地図を作ろうという企画が行われました。

今回は、事前に作られた「ご当地マンガを語ろう!」トピックが大変盛り上がっていました。

こちらで投稿されたもの、またTwitter上で「#ご当地マンガ」「#マンバ読書会」のハッシュタグで投稿されたもの、そして当日に配信していたYouTube  Liveのコメントによって数多くのご当地マンガが挙げられ、その魅力が語られました。

北から順番に見ていきましょう。

①北海道・東北地方

+++北海道+++

『ゴールデンカムイ』

大英博物館でのマンガ展においてメインビジュアルを飾るほどの人気となった本作。濃すぎるキャラクターとグルメからサスペンス展開までエンターテインメント性の宝庫。最初から最新話までずっと抜群に面白い稀有な作品です。

『スピナマラダ』

(『チェンソーマン』9巻で殺されていたことでも話題の)野田サトルさんの前作。熱いアイスホッケーマンガであり、『ゴールデンカムイ』とも繋がりがあるのでファンは注目です。

『動物のお医者さん』

少女マンガ史に残る金字塔。私もこの作品を読んで動物のことはもちろん、北海道の風土や文化を色々と学びました。普通のシベリアンハスキーは飼うのは結構大変。
なお、マンバ通信のこちらの記事も必読です。

『波よ聞いてくれ』

鬼才・沙村広明さんによる超ハイセンスパワフルラジオマンガ。メインは北海道ですが主人公の勤め先のスープカレー屋のモデルは新宿にあり、私は聖地巡礼に行きました。

『獣剣伝説』

村上もとかさんがキャリア中期に描いた、「クマと戦うマンガ」の代表作。北海道ならではの大自然が持つ雄大さと恐ろしさがここに表されています。

『銀の匙 Silver Spoon』

『百姓貴族』

北海道育ちである荒川弘さんの名作2作品も挙げられました。どちらもすべての小学生に置いて欲しいほど、面白く学びに溢れた作品です。なお『百姓貴族』でも熊の恐ろしさがありありと語られています。


+++青森+++

『ふらいんぐうぃっち』

青森が舞台の作品というとアニメ化もされたこの作品が一番有名でしょうか。背景の描き込みが丁寧で、実際に現地に行ってみた時の感動が大きい作品です。

『1000円ヒーロー』

「『1000円ヒーロー』にも、青森の浅虫水族館に行く話が!」と投稿いただきました。ここでしか見られない生き物も多いそうで行ってみたいです。

『津軽先輩の青森めじゃ飯!』

個人的に青森マンガで推したい作品です。タイトルで解る通り、青森ネタに溢れています。飯テロ注意。


+++岩手県+++

『彼女とカメラと彼女の季節』

月子さんの百合カメラマンガが推されました。カメラで瞬間を切り取るという行為と移ろいゆく思春期の感情は相性が良いですよね。

また岩手県といえば宮沢賢治・イーハトーブ、ということでその関連作品もいくつか挙げていただきました。


+++宮城県+++

『呪術廻戦』

現在アニメ放映中の大人気ダークファンタジー。これが公開される頃には五条悟の素顔がアニメでも出てきて人気が爆発することでしょう。連載最新も最高に目が離せない展開です。

『ハイキュー!!』

今月完結巻となる45巻も発売され、多くの感動を巻き起こしたバレーボールマンガ。スポーツマンガの次元をひとつ拡張しました。

杜王町も宮城ですし、ジャンプファンには宮城は羨ましいですね。


+++秋田県+++

『みかづきマーチ』

今一番推したい秋田マンガは、マーチングバンドを題材にした青春マンガ。元気で明るい音が紙面から聴こえてくるような、素晴らしい今年の新作です。

『雪の峠』

岩明均さんの名作短編。こちらのあうしぃさんのクチコミが素晴らしいので読んでみてください。


+++山形県+++

『詩歌川百景』

鎌倉を舞台にした『海街diary』に連なる吉田秋生さんの新作。つくづく、「マンガがお上手……」と嘆息してしまいます。


+++福島県+++

『あかまつ』

「『よつばと!』に匹敵するくらい何も起こらない」「自分の知らない土地の文化や町の息遣いが感じられる」と称される、会津若松の舞台が丁寧に描写された作品。


②関東地方

+++群馬県+++

『お前はまだグンマを知らない』

「翔んで埼玉」や『東京都北区赤羽』などのような地元自虐ネタを継承して切り拓いた作品。群馬ネタで10巻続けられたことが素晴らしいと思います。

『頭文字D』

群馬の雄といえば5000万部超のこの名作。最近では渋川市とコラボしたマンホールやスタンプラリーも話題になりました。続編『MFゴースト』ではメイン舞台が神奈川になっていますが、最近『頭文字D』ネタが多く出てきて感慨深いです。


+++茨城県+++

茨城ごじゃっぺカルテット

東京から茨城にやってきた転校生と、コテコテの茨城県民な友人たちとのコメディ。ゆるく楽しく、かわいい女子高生たちによる茨城ネタを楽しめます。


+++栃木県+++

『ススメ! 栃木部』

栃木の魅力を向上するための部活「栃木部」を描いたコメディ。宇都宮の餃子だけじゃない、栃木の魅力をたっぷり知れます。

『×(ペケ)』

意識していませんでしたが、新井理恵さんの傑作ギャグマンガは栃木だったかと再認識。後のギャグマンガにも大きく影響を与えた作品です。

余談ですが「暴力とギョーザが支配する街・ウツノミア」を描いた『ニンニクナックル』というマンガも。

+++埼玉県+++

『翔んで埼玉』は正にローカルマンガの魁ですが、その埼玉は何と今回の企画で最多の作品(※配信時点)が挙げられました。湘南・鎌倉エリアや東京が舞台の作品が圧倒的に多いと思っていたので、これはちょっと意外で面白かったです。

『クレヨンしんちゃん』

埼玉県と言えばこの国民的作品。春日部を一番全国的に有名にした作品でもあるでしょうか。

『おおきく振りかぶって』

『球詠』

『ラストイニング』

浦和レッズと大宮アルディージャなどの本拠地がありサッカーのイメージも強い埼玉ですが、マンガの世界では野球マンガの舞台になることも結構多いですね。

『埼玉の女子高生ってどう思いますか?』

今熱い埼玉マンガといえばこれ! 何ということはない女子高生のやりとりと埼玉ネタが微笑ましく、癒やされます。

『らきすた』

「聖地巡礼」という言葉を世間に広く知らしめた作品。2006年には6万人だった鷲宮神社の参拝者が2008年には30万人を超え、その後40万人を超えるように。


+++千葉県+++

『しゃにむにGO』

『赤ちゃんと僕』、『ましろのおと』で有名な羅川真里茂さんの超名作テニスマンガ。男性が読んでも面白いので未読の方には一気読みして欲しいです。

『浦安鉄筋家族』

浦安という地名をこちらの作品で知った方も多いのでは。圧倒的な存在感を放つギャグマンガ。


+++東京+++

『おちこぼれフルーツタルト』

今期アニメが放映中の、一つの家に住む芸能系の活動をしている女の子たちマンガ。今小金井が熱く、作中に登場した無人販売所も人気スポットになっている模様。

『東京BABYLON』

先日、2021年に舞台設定を現代に直したアニメが放映されるとニュースになり話題となった作品。時代を先取りした感性で今読んでも色褪せないCLAMP屈指の名作。

『東京都北区赤羽』

このジャンルを語るには欠かせない、ご当地マンガの傑作。実際に赤羽に行ったらこの作品が書店で面陳され、清野とおるさんのイラストが大きく壁に描かれていて感動しました。


+++神奈川+++

『スラムダンク』

恐らく日本で最も有名な「聖地」の1つが「例の踏切」。コロナ禍前は海外からのお客さんも多く常にごった返して無人の写真を撮るのも大変だったとか。

『海街diary』

『ラヴァーズ・キス』から続き、鎌倉を舞台にした吉田秋生さんの作品。心情描写のレベルが桁違いに高く、キャラクターの存在感が凄いです。

③中部地方

+++新潟県+++

『ロッタレイン』

人によっては生理的に嫌悪を覚えるであろう内容ですが、そういった事柄に切り込むこともまたマンガの価値であり素晴らしい作品だと思います。


+++富山県+++

『さらば、佳き日』

多くの人に読まれて欲しい隠れた名作。「不倫にしろ逃亡犯にしろ、逃避行と〈北〉はよく似合う」というあうしぃさんのクチコミに膝を打ちました。

『月影ベイベ』

『坂道のアポロン』の小玉ユキさんが、富山県富山市八尾に伝わる伝統「おわら」を描いた物語です。心理描写の巧さは流石。


+++石川県+++

『金沢シャッターガール』

北陸新幹線の金沢開通を祝して始まった作品。金沢のさまざまな名所が精緻に紹介されます。


+++福井県+++

『将軍足利義昭 信長を一番殺したかった男』

しまたけひとさんのかわいいイラストからはゆるギャグ系かな? という印象も受ける表紙ですが、内容は非常に趣深い良い歴史マンガです。

『ちはやふる』

コロナで経営が悪化し最近クラウドファンディングが始まった滋賀の近江勧学館も聖地として名高いですが、福井の方でも「綿谷新の住むまち」として「あらた坂」と改名された坂もあるくらいに盛り上げられています。


+++山梨県+++

『ゆるキャン△』

キャンプブームの火付け役となった作品。アニメはもちろん、実写化も話題となりました。ゆるいもののキャンプ知識はガチで実際にやってみたくなるのが愛されている一因です。


+++長野県+++

『orange』

作者の地元愛を感じられる長野県松本市が舞台のSF要素を取り入れた恋愛マンガ。実写版もしっかり松本で撮られており、二重に聖地巡礼が楽しめる作品です。

『咲-Saki-』

全国に聖地がある作品ですが7巻までは長野県予選編で、その後もスピンオフの『染谷まこの雀荘メシ』含め長野県も頻出します。麻雀って、楽しいよね!


+++岐阜県+++

『安達としまむら』

今季放映中のアニメが話題の百合マンガ。メインの学校を始め原作版・アニメ版とも岐阜県(一部愛知)に聖地が多くあり、既に巡礼も盛んに行われています。


+++静岡県+++

『シューダン』

横田卓馬さんがジャンプで描いたサッカーマンガ。「静岡を舞台にしたサッカーマンガってどれくらいあるんだろう?」という話題も出ました。横田さんが描く青春をずっと眺めていたい、と常々思います。


『ちびまる子ちゃん』

静岡といえば、な国民的マンガ。今年の7月には清水にあるちびまる子ちゃんランドもリニューアルされたそうです。


+++愛知県+++

名古屋は日本有数の都市なのに、意外と聖地が少ないと地元住民に嘆かれる愛知県。でもいい作品あります。

『高杉さん家(ち)のおべんとう』

『かりん歩』

愛知愛に溢れた、柳原望さんによる2作品。それぞれ単独でも楽しめますが、繋がっているので併せて読むとより楽しめます。

④近畿地方

+++三重県+++

『神客万来!』

今年5月に1巻が発売したフレッシュな作品。伊勢神宮がある三重らしいファンタジックなお話で、作中のツバメ屋ホテルの外観は実在の六華苑がモデルになっています。


+++滋賀県+++

『へちもん~信楽陶芸日記~』

滋賀県といえば信楽の信楽焼。そんな伝統工芸と美少女を掛け算した作品がこちら。イロモノに見せかけて、焼物を真っ向からしっかりと熱く描いておりお薦めです。


+++京都+++

歴史ある街・京都は、やはり作品の舞台としても使われやすく、会の後も含めて非常に多くの作品が挙げられました。

『であいもん』

『ドラゴンクエスト4コママンガ劇場』でおなじみの浅野りんさんによる和菓子屋群像劇。地元愛、お菓子愛が詰まっており、人間ドラマとしても秀逸です。そろそろアニメ化される(べきな)のでは?

『放課後さいころ倶楽部』

ボードゲームマンガの雄は京都が舞台。読んだらボドゲしたくなること間違いなし。聖地巡礼もできます。


+++大阪+++

『大阪ハムレット』

森下裕美さんによる大阪人情ドラマ。『少年アシベ』でも若干垣間見えたビターテイストに良さがあります。


+++兵庫+++

『神戸在住』

神戸の大学生を中心として様々な人間の感情の機微が描かれる作品。実在スポットや阪神淡路大震災の後の様子もリアルに知ることができます。


+++奈良県+++

馬姫様と鹿王子

奈良といえば鹿と寺社仏閣、否めません。表紙のインパクトが凄いですが、中身も負けず劣らずカオス。だがそれがいい、という作品です。

『14歳の里山レシピ 東吉野で、いただきます。』

「奈良に美味いものなし」と言われたのも今は昔。海はないものの野菜も肉も上質な食材がたっぷり。そろそろぼたん鍋も美味しい時期ですね。


+++和歌山県+++

『サマータイムレンダ』

ジャンプ+で連載中の、謎が謎を呼ぶサスペンス。読み返すたびに発見がある、考察が楽しいタイプの作品です。

⑤中国・四国地方

+++鳥取県+++

どっちが鳥取でどっちが島根? と言われることもありますが、なかなかどうして水木しげるさんの聖地でもありマンガ界隈では話題に事欠きません。

『アスペル・カノジョ』

デリケートな題材を非常に丁寧にリアルに描く物語。地名がサブタイトルにもなっている「米子の雪」編は必見です。

『ヒマチの嬢王』

鳥取出身で歌舞伎町No.1になった嬢が地元に帰ってキャバクラから街を盛り上げていくマンガ。経営やビジネス的な観点からも興味深く読めます。

『そのへんのアクタ』

『うたかたダイアログ』でその天性のセンスを見せつけた稲井カオルさんの新作。終末設定のシリアス感と独自のギャグが融合して不思議な魅力を強く放っています。


+++島根県+++

『島根の弁護士』

島根マンガと言えばまずはこれ。法曹物としては珍しく若い女性が主役で、仲間由紀恵さんが演じた実写化も人気を博しました。

『シノハユ』

松江を中心に、島根県の各所が美しく描かれる『咲-Saki-』シリーズのスピンオフ作品。単体でも楽しめる切なく熱い麻雀ドラマです。


+++岡山県+++

『推しが武道館いってくれたら死ぬ』

アニメ版でも岡山の各所が描かれ、地元民から熱い支持を受ける「推す者と推される者」を描いた作品。アイドルものとして、オタクマンガとして、百合として、さまざまな読み方で読み応えがあります。


+++広島県+++

『この世界の片隅に』

片渕須直さんによる映画版が極めて素晴らしく再評価された作品。インタビューや論考などマンバ通信でも特集されていますのでそちらもぜひ。

『球場ラヴァーズ』

広島といえばカープ。カープといえばカープ女子。野球のことをまったく知らない女の子でも野球観戦はこんなに楽しいんだと教えてくれます。


+++山口県+++

『チロリン堂の夏休み』

子供、冒険、スマホ、神様。小学生時代の夏休みを思わず回想してしまう作品です。普通に読んでいると意識しないであろうものの、山口県が舞台だと思うと違った妙味が浮き出てくるとクチコミで指摘されており、面白い視点だと思いました。

『瞬きもせず』

ホットロードで有名な紡木たくさんの名作。筆者が山口の景色に感動して描いたと言われ、山口弁によるセリフが特徴的です。


+++徳島県+++

四国全体を舞台にした作品として、

『アルキヘンロズカン』

『みかんはまだ青い』

なども挙げられました。

『アンの世界地図』

旧き良き少女マンガの香りが立ち上る、心に沁みるガール・ミーツ・ガール。私自身でたっぷりクチコミを書いていますので、詳細はそちらをお読みください。


+++香川県+++

『うどんの国の金色毛鞠』

香川県といえばうどん県。青年×少女のちょっぴりファンタジーでハートフルな物語。癒やされつつコシのある讃岐うどんが食べたくなります。


+++愛媛県+++

『熱帯魚は雪に焦がれる』

国内唯一の水族館部がある、愛媛県立長浜高校をモデルに描かれた物語。長浜では地元の観光組合も協力して聖地巡礼が盛り上がっています。


+++高知県+++

『たいようのマキバオー』

『みどりのマキバオー』の続編。少年マンガというカテゴリーだった時代には描けなかった更に重厚なドラマが魅力です。

『土佐の一本釣り』

『四万十川』

高知県で生まれ育った青柳裕介さんによる、実体験が色濃く反映された作品。

四万十川といえば『美味しんぼ』の京極さんも思い出しますね。

⑥九州・沖縄地方

+++福岡県+++

『クッキングパパ』

福岡といえば、この現在155巻を超え連載中の大人気長寿料理マンガ。なるか、『こち亀』超え!?(※1年に4冊ペースで最低でもあと13年かかります)


+++佐賀県+++

『ゾンビランドサガ』

『ゾンビランドサガ サガ激闘修行編』

まだ「安易な美少女×地域作品」だという認識の方がいたら騙されたと思ってアニメ全話を観て下さい。感動で涙が流れるほどの物語がそこにあります。マンガ版では実在の佐賀の名店・名所が目白押し。私はゾンサガのお陰でずっと唐津に行きたくてたまりません。


+++長崎県+++

『坂道のアポロン』

小玉ユキさんの原作はもちろんのこと、実際に音が奏でられるアニメ版は動きも良くズルい! と思わせられるレベルでした。良い青春×音楽。

『青の花 器の森』

こちらも佐世保出身の小玉ユキさんによる、波佐見焼の波佐見町が舞台の作品。こちらでは伝統工芸と共に大人の恋愛が描かれます。

『ばらかもん』

『ヨシノズイカラ』

著者のヨシノサツキさんの故郷である五島列島を舞台にした書道マンガ、そして漫画家マンガ。島の独自の雰囲気や生活感が心地よく、更にそれぞれのテーマにも深く踏み込んだ味わいの深い作品です。『ヨシノズイカラ』3巻はすべてのマンガ好きに読んでいただきたい。


+++熊本県+++

『放課後ていぼう日誌』

コロナでアニメが延期、今年7月にあった豪雨のため一時休載と折角の年に辛いことになっていましたが、復活に向けたチャリティ企画も盛況で作品の内外で人の暖かさを感じられました。読むとていぼう釣りに行きたくなります。

『こはるはる!』

学ラン×スカート×下駄×ショートカット×ヘッドホン。ヴィジュアルも熊本弁も強い、応援団紅一点の女の子を描いた作品です。


+++大分県+++

『チューロウ』

大分県佐伯市出身の盛田賢司さんによる、中学浪人青春ストーリー。大分の実在する場所がモデルのようです。高校受験前の中学生の子供がいたら読ませると良いかもしれません。


+++宮崎県+++

『ひまわりっ ~健一レジェンド~』

宮崎県串間市出身の東村アキコさんによって描かれたギャグマンガ。『かくかくしかじか』でも宮崎での思い出が描かれましたが、こちらでも実在するお店なども登場します。


+++鹿児島県+++

『宇宙兄弟』

老若男女問わず誰もが楽しめ誰にでもお薦めしたくなる最高の作品。ロケット発射場で有名な肝付町と南種子町では2015年に「宇宙兄弟宣言」も出されました。


+++沖縄県+++

『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる』

今ホットな沖縄マンガはこれ。うちなーぐち女子かわいすぎる問題。『沖縄で好きになった子が方言すぎてツラすぎる』を読むとサーターアンダギーを食べたくなってツラすぎます。


駆け足で紹介してきましたが、この他にも紹介しきれないほどの沢山の作品が集められ、終了時間から30分のロスタイムをもらって盛り上がり続けました(喋りっぱなしで声が掠れるほどでした笑)。

お陰様で、見事に47都道府県をすべて制覇することができました!

そして、皆さんの推薦によって完成した日本地図がこちら!

マンガ日本地図 完成版

画像1

配信中に紹介した作品、マンバスタッフが追加した作品、イベント後に追加募集した作品を合わせ、全288作品*を集めた地図が出来上がりました!
(*複数の都道府県をまたぐ作品はそれぞれの都道府県でカウント)

高画質版はコチラからどうぞ(※画像サイズが大きいのでご注意ください)。

こうして1枚になると、非常に壮観ですね!

ちなみに最多の作品数を集めた都道府県は東京都(27作品)、地方は関東地方(71作品)でした。

もちろんここに入っていない作品もたくさんあり、それらをすべて網羅するとスマートフォンで閲覧するのには大変向かない更に壮大な地図ができあがるとは思うのですがそれはまたの機会に……。

なぜご当地マンガが増えて来たのか? ということを少し考察しましょう。

インターネットやそれを閲覧するスマートフォンなどのデバイスの進化があり、それに伴って出版社によるwebマンガサイトからpixivのような投稿サイト、そしてブログやSNSといった発表の場も拡充されていきました。デジタル画材や閲覧するデバイスの進歩もあり、描く側も読む側もハードルが下がりました。それによって、従来のマンガ雑誌では描けなかったようなよりニッチなテーマを扱う物や、ページ数や画材の制限のない中で自由に描かれる作品も飛躍的に増えました。

そうした中で、『パタリロ』で有名な魔夜峰央さんの『やおい君の日常的でない生活』という単行本の中に収録されていた作品「翔んで埼玉」が、30年以上の時を経て大ブレイクするということが2015年に起きました。最初にネット上で話題になった後に「マツコの知らない世界」でも取り上げられたことでブームに火がつき、この出版不況と言われる時代に、単巻で3ヶ月で55万部も売れたそうです。

その前にも清野とおるさんの『東京都北区赤羽』や井田ヒロトさんの『お前はまだグンマを知らない』といった自虐混じりのローカルマンガは一部で熱狂的な人気を生み出していました。

たとえば静岡県民と山梨県民はお互いに富士山はうちの県のものだと言って譲らないとか、山形県の中でも芋煮を巡って庄内地方は「豚肉・味噌仕立て」で、内陸地方は「牛肉・しょうゆ仕立て」で「芋煮に牛肉なんて正気?」「豚汁を食って楽しいの?」と対立しているなど、古来からそうした地域ごとの文化やその対立が各地に存在します。

しかもこれは日本だけではなくニューヨーク市とニュージャージー州、コネチカット州の関係や、イギリスの南北の関係など世界中に溢れていて人類が普遍的に共感できるネタです。

そうしたものは、そこに住んでいる人が読んだらあるあるとして共感の嵐でもちろん面白いですし、部外者が読んでもまったくの知らない世界の広がりに「へぇ〜、そんな文化や趣味嗜好があったんだー」と感心できて、実際にその地方出身の人に話を振ってみたら予想の10倍くらい熱く語られてコミュニケーションの切っ掛けや雑談のネタとしてもとても秀逸だったりします。

上記のように、作品の舞台を選ぶ時は純粋に作者が自分の地元を大好きで、その良さを知って欲しいと思って描いているパターン、あるいはそこの出身ではないもののその土地に惚れ込んで描いているというパターンが多いです。他の人が持ってないほどの強い想いを抱えているテーマというのは創作するに当たって強みになるので、そこから立脚してマンガにするというのは理に適っているかなと思います。

結局のところ地域性というのは人間が生み出すもの、人間の歴史の積み重ねであり、簡単にはなくならず世代を越えて共感を呼び起こすものだと言えると思います。

最後に、聖地巡礼が高じて聖地就労までした経験がある私から聖地巡礼という観点でお話すると、通常フィクションの世界というのはあくまで創作であってこことは違うどこか別な場所な訳です。しかし、聖地がある作品に関しては現実にその場所に行ってみるということができる訳ですね。

その場所に実際に立つことによって作品の中の登場人物と同じ景色を見ることができる。空気を感じることができる。それによって、その場所に立ったキャラクターが実際にそこでどんな事を感じて、どんな気持ちになったかということが想像を能動的に行うというよりも、もう自然に湧いてくる感覚になります。それによって、作品世界と現実が有機的に繋がり、物語が他人事から自分事へと融けていきます。まさに、『ガラスの仮面』で北島マヤが行っていた役作りのごとき体験です。

この感覚は、口で説明してもなかなか伝わりづらいので、皆さんもぜひ大好きな作品の舞台へ行ってみてください。きっと新しい扉が開けるでしょう。

◇◆◇◆◇

配信では1時間延長してお送りするほど盛り上がってしまいましたご当地マンガ編。まだまだ追加できる作品があると思うので第2回があればそのときはまた皆さまと一緒にマンガの旅に出発できれば嬉しいです!

次回配信は11月末日を予定しています。詳細情報はマンバ公式Twitterと、マンバYouTubeチャンネルをチェック!

▼チャンネル登録はこちら▼
https://www.youtube.com/channel/UC4HfBia7oLsPhzpH9ePXzoQ

次回もお楽しみに〜!!

全国47都道府県のマンガタグ

イベント後にご要望を頂いていた、全国47都道府県のご当地マンガタグですがやっと全ての都道府県のタグが揃いました!レポートだけでは紹介しきれないほど多くのマンガがまだまだありますので、興味のある方はぜひ覗いてみてください。

<都道府県タグ>

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