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悪戯ちょうちょ 綾瀬マナ

全3巻。
本当に面白かった!!百合版・ピアノの森と言ってしまうのは失礼かな。

さくらとなのはが演奏したり、戯れ合う時の表現が、本当にダイナミックでみずみずしくて、2人の喜びがページをめくった瞬間に飛びかかってくるよう。
綾瀬先生も踊りながら描いてらっしゃったのではないかと思うくらい、読んでるこちらを巻き込んでくるのです。

<あらすじ>
好きな物はピアノ。それと…あの子。凛々しい容姿とは裏腹に情熱的な内面を持つさくら。ピアノにかける激しすぎる熱意を胸に、伝統ある音楽の名門女子校へ進学。そこには、さくらが幼少期から「特別な想い」を抱く幼馴染、なのはもいた。音楽を通じ深まっていく二人の絆、同時に焦がれる程に強くなるさくらの想い。儚く、そして切な過ぎる恋心とピアノへの情熱が今溢れ出す――。音楽の園で二人の少女が奏でる幻想的で情熱的な「究極の片想い」物語。


友達として、親友として、恋人として、演奏者同士として……
まずは自分が自分でいるためにお互いをいろんな役割に当てはめ必要とし、そんな相手への想いを止めることはできず。

やがてずっと一緒にいるために、1人に為らざるを得ず、拗ねず、腐らず、才能を信じて自分を信じるために、あの子の言葉が必要で……。

そんなことが素晴らしい物語の展開と絵で襲いかかってくるんですよ。

ああ!眩しすぎる!!美しすぎる!!何これ、好き!!(語彙)

興奮の中、あっという間に読み終えてしまいました。

さくらとなのはの周りにいる友人たちもいいんです。
女子あるあるを、うまいこと物語に絡めてくるキーパーソンになってるんです。

そして、この物語、何が好きって、男性が悪者にならない。

この作品でさくらとなのはを指導する先生はどちらも男性。
私の中の百合作品あるあるなのですが、ヒロインたちを導く大人というポジションは、まず美しい大人の女性とかにしそうなところを綾瀬先生は臆することなく男性をキャスティングしています。

2人の男性指導者は、それぞれ指導者の矜持のようなものでまだまだ幼い才能たちを導きます。

私は、優秀な女性の後ろには優秀な(指導者としての)男性がいるのは、スポーツやアーティストなど、独りで戦う世界では定石のようなものではないのかと考えます。優秀な男性に導き、支えてもらえる女性は強いんだそうです(エースをねらえ!宗方コーチの言葉より)
この大人たちがまた、さくらとなのはという2人の少女をものすごく彩りますからね、そのあたりにも注目してお楽しみいただけたらと思います。

そして、主人公さくらの忠犬っぷりに泣いてください。
愛おしい。素晴らしい百合でした。

ごちそうさまでした。

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