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よそ者にも優しかったから、板橋区。

「0歳からようこそ!音楽と演劇の場」のキッチン・ワルツはこうして生まれ育ちました。

こんにちは、キッチン・ワルツ代表の保田真奈です。  
先日とても嬉しいことがありました。
板橋区の紅梅児童館さんに出張コンサートに伺った際、
ケーブルテレビのJ:COMさんが 取材に訪れ、板橋の地域ニュースとして放映してくださったのです。
 保育園の園長先生方が数名、地域の民生委員さんも視察にお越しくださいました。 スタンディングオベーションで熱狂してくれた子どもたちからは「たのしかった!また来てね!」と たくさんのタッチをもらいました。
なんて素敵な日!

これは、偶然の幸運ではありません。
たくさんの板橋区の方々がうんとうんと力を貸してくださって、ここに至りました。
応援してくださった皆様に感謝の気持ちを込めて、
今日は私たちのヒストリーを一部、ご紹介します。

 

【1.完全な「よそ者」】
2011年。 私は世界中の絵本が集まっている「いたばしボローニャ子ども絵本館」さんの 「読み聞かせボランティア」になりました。 俳優さんが毎月楽しい読み聞かせを行っていた枠が空くことになり、その後任を探していたそうです。 当時、私の住まいは千葉県船橋市。 
私の友人が結んでくれたご縁でした。
 絵本館さんは、地域活動に意欲のある若い世代に、私のあとにも出身の地域を問わずその場を開いていらっしゃいました。
 結果、すべての催しがより楽しいものになっていったように思います。
年に数回の「大きなおはなし会」というイベントでは広々としたスペースにカーペットが敷かれ、 約1時間の演目を多くの親子が楽しんでいました。 「いいなあ、こうしてくつろげる空間で、もっと演劇的で豊かな音楽の生演奏があったら・・・!」

  2012年。 絵本館さんにあるご提案をいただきました。
それは、「板橋翻訳大賞受賞作」のお披露目イベントの上演。
絵本の画像をプロジェクター投影しながら読み聞かせを行うという企画です。 そこで、ピアニスト・冨永紘加さんに作曲を依頼し、プログラムの上演に臨みました。

【2.いたばしボローニャこども絵本館の近くで、公演を打とう】
冨永さんの音楽で上演した翻訳大賞のイベント本番は好評でした! 
ところが 私はこの本番、 友人同士で出かけた旅行でただ一人O-157に倒れ、2週間入院して出演できなかったのです。
どんなポンコツだ。
夢の共演ならず。
せっかくのチャンスを逃したことが悔しくて、 これを機にキッチン・ワルツが発足します。
「おおきなおはなし会」みたいなイベント、本格的な音楽のあるものを実現したい! 絵本館さんでおはなし会に親しんでいるご家族なら興味を持ってくれるかもしれない。 初演は、板橋区立グリーンホールに決定しました。   

【3.キッチン・ワルツのお父さん?グリーンホールのXさん】
会場を予約し、下見と打ち合わせに進みました。 担当してくださったのはグリーンホールのXさん。 企画の趣旨を丁寧に聞き、 「それなら授乳コーナーを会場内に設けます?電気ポットもありますよ」 「おむつ替えできるようにしますか?」 と、いくつも提案してくださったのです。
「なるほど!」 当時出産を経験していなかった私たちは目からうろこが落ちる思いでした。  舞台も固定座席もありませんが、その分自由にアレンジできる空間です。 鑑賞する空間に赤ちゃんと過ごしやすくなる機能と安心感を持ち込めるとは!
区外の人間にもひらかれていたので選んだ会場。予約した時には思いもしなかった利点です。
このことがきっかけで、そうできる会場では極力その機能をもたせるのがキッチン・ワルツの基本姿勢となりました。教えてくれたXさん。まるでお父さんです。
あたたかく丁寧でフレンドリーで、ユーモアたっぷり。それでいて私たちを立ててくださいます。私たちは完全なよそ者でしたが、「実はこのホールのピアノコンサートが減ってしまったんです。応援していますよ!」とニカッと微笑んでくれました。 なんてチャーミング!
この後も、このXさんに何度も応援していただくことになります。



【4.酷暑、氷川児童館のサイダー。】
「絵本の出張展示が実現すれば、イベントにお越しのみなさんに絵本館さんをPRできるかも!」 絵本館さんに宣伝のお力添えをいただく恩返しの方法を私なりに考えました。 当時の館長さんがご快諾くださいました。 その上、チラシを置かせてもらえるように、区内のいくつかの児童館さんに電話で連絡してくださったのです。 私たちはすぐに向かいました。 

それはそれは暑い夏の日でした。 
文字通り茹だるような暑さ。
 汗が首を伝うに連れ、私たちの口数も少なくなりました。さらに、土地勘のない私たちは道を間違え別の児童館さんにたどり着いてしまう始末。突然の訪問で驚かせてしまい、またの機会に…と言われました。当然です。アポなしの汗だくの不審者2名です。ようやくたどり着いた次の館では、事前連絡のおかげでチラシを優しい微笑で受け取っていただけましたが、申し訳ないことに住民でもない私たちの訪問は少々警戒させてしまったよう。そりゃそうだ、何のゆかりもない、よそ者だもの・・・。 御礼を言って失礼し、すぐに最後の館へ急ぎました。 それが「CAP’S氷川児童館」さんでした。明るい声、まぶしい笑顔で職員のみなさんが迎え入れてくださいました。 涼しいお部屋にお通しいただき、なんと冷たいサイダーでもてなしてくださったのです。
その、美味しかったこと!
 どっと吹き出る汗をぬぐいながら、座らせていただいた椅子で足がじんじんするのを感じます。 当時の館長・P様が、私たちの実現してみたいことを真剣に耳を傾けてくださいました。
あの日飲んだ、細身の缶の、甘いサイダー。
私たちにとって忘れられない味です。

 【5.それは文化会館の地下室で】
かくして私たちは初演を迎えました。 発足して間もない団体の初演にも関わらず、私たちを知らない方から徐々に予約が入りました。
友人・知人もたくさん来てくださいました! このときの制作した公演のスライド画像とオリジナル音楽を 友人が動画にしてくれたのですが、気がつけばこれが再生回数1万回を超えていました。 そちらもぜひ御覧ください。

そのうち、「より参加型のイベントもやってみよう。まずは小規模で」ということに。 文化会館の地下、「リハーサル室」で、平日開催、限定15組。 予想に反して、早々に定員になりました。 こんな小さな平日のイベントを見つけてくれるなんで! 驚きました。嬉しかったです。
すると、板橋区立文化会館の事業ご担当者様が話しかけてくれるではありませんか。 「うちでも、乳幼児向けの音楽イベントを増やしたいと思っているんですよね。当日覗いてもいいですか?」
「ぜひいらしてください!お待ちしてます!」
 板橋にはなんて親切で境界線にとらわれない方が多いんだろう!
 このおかげで、この後私たちは初めて「共催」イベントを実現することになります。
*このイベントに参加してくださったあるママさんが、 可愛い赤ちゃんの帰り支度をしながら最後に仰いました。 「私、練馬区から来ました。練馬区にはまだまだこういうイベントが少ないように思われて・・・  いつか練馬でもやってくださいね!」 「では、ぜひやります!」 この約束を、私たちはこの2018年秋に守ることになります。 詳しくは別の記事に。

【6.はじめての共催】 
かくして、私達は初めて、「共催」という、ありがたいお力添えをいただきました。文化会館さんの和室を活用したコンサートです!
なるほど、和室なら赤ちゃんもお家の方も心からリラックスできます。 
この和室コンサート、2回開催しましたがどちらも満員御礼でした!
この素晴らしい売れ行には理由がありました。
コンサートの前に二回とも、「NPOいたばし子育て支援・フラワー」さんという団体の皆様がワークショップを開催してくださったのです。
知名度の低い私たちのイベントは、フラワーさんと文化会館さんによって
多くの皆様に知っていただけたに違いありません。

その後も、氷川児童館さんの当時の館長さんがおつなぎくださり、区内での出張コンサートや絵本館さんのイベントに伺いました。

また、活動地域を広げ、NPO法人リトルワンズさんや江東区文化コミュニティ財団さん、 江東子ども劇場さんなどから厚いご支援をいただき、少しずつ、公演を重ねました。

【7.保育園へようこそ】 
ある日、私達のホームページにお問い合わせが届きました。
「以前、氷川児童館で0歳の子どもとコンサートに参加しました。
おはなし仕立てで、歌とピアノを聞いたのは、初めての経験で、
0歳のわが子も集中してピアノと歌声に聞き入っていたのが印象的です!」

というメッセージを添えて、役員を務めていらっしゃる方が、保護者会主催行事への出演のご依頼をくださったのです!

嬉しかった!本当に嬉しかったです。
お仕事と育児でお忙しいはず、それにも関わらず、細やかにお力添えくださり、板橋区の保育園さんで出張コンサートを実現することができました。
ご紹介くださった方と会長さんを筆頭に、この保護者会の役員の皆さんの笑顔の輝かしさ、はつらつとしたお姿が今も印象に残っています。

【8.だから、板橋区で。】
今、板橋区の児童館さんには年2~3回程コンサートでお伺いしています。
よそ者に優しかった板橋区のみなさんに、少しでもお返ししたい。
そんな気持ちで、オファーがある限り続けようと話し合ってきました。
それを、あのサイダーを振る舞ってくれた氷川児童館の当時館長・P様が、保育園の園長先生方や取材に来てくださるよう働きかけて下さいました。

そうして、私たちキッチン・ワルツは、支えてくださった皆さまのおかげで
出産・育児をしながらも活動を継続することができました。
2018年。
NPO法人リトルワンズさんの協力により、「子供の未来応援国民運動」の支援を受け、活動を拡大できるところまで至りました。
子どもの未来がより豊かであるように私たちも貢献したい。

それならば、今話題の、未就学児への「非認知能力」へのアプローチもできるワークショップ付きのコンサートをやってみよう。
非認知能力を高めるアプローチをすることで生涯年収が上がり、子どもたちの選択肢を増やせるというという研究と説が上がっています。
東京学芸大学の名誉教授「小林志郎先生」をお招きして、小さなお子さんをお連れの方にもミニ講演、実演形式で親しんでもらいたい!

支援のおかげで少ない負担でみなさんに親しんでもらえるなら…
「まずはぜひ、板橋区で!」私達は思いました。

ただ、ワークショップを楽しめるお子さんの年齢は2~3歳以降が中心です。
上のお子さんと存分に楽しまれたい方や、メモを取りたい方がいらしたら?
…そうだ!
「NPOいたばし子育て支援・フラワー」さんに見守り託児をお願いしてみよう!
あの、【はじめての共催】のときにお力添えいただいたフラワーさんです。
私たちの願いをお伝えし、今回もご協力いただけることになりました!
「マット席」のプレイマットや、託児スペースのおもちゃ、もしものための救急箱はフラワーの皆様のお心遣いによるものです。
誰も託児を希望しないかもしれません。はじめての試みで、ニーズがそこにあるかはわかりません。それでも、フラワーさんは私達に力を貸してくださいました。子どもたちの豊かな未来を願って。

そして、今回はより「ドラマチックな演出」を体験してもらえるよう、注力しています。

かねてより照明で魔法をかけてくれていた心強い協力者のお兄さん二人も、
小さなお子さんたちの未来を願って、今までよりも一層協力してくれています。その度合が高くて「魔神」と呼ぶことにしました。
魔神たちが、赤ちゃんも怖くない、優しく不思議な魔法をかけてくれます。


そのイベントは、9月24日の祝日、月曜日に
9月に入って2度目の3連休、最終日です。
お子さんが小さくて、混雑を避けたいけれども遊び場にお困りの方がいらっしゃるのではないか。
自分たちの経験を踏まえて、検討を重ねて決めた日です。
場所は、キッチン・ワルツの始発駅「板橋区立グリーンホール1階」。

きっと、家族の楽しい一日に。
どうか、子どもたちが安心して暮らせる未来へ。
さあ、音楽と演劇の場を、当たり前に。

ようこそ!0歳からのコンサートと、親子あそびとまなびの講座へ!


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