真魚八重子

映画評論家。朝日新聞、キネマ旬報、ぴあ、夜リラタイム等で書いています。著書『血とエロス…

真魚八重子

映画評論家。朝日新聞、キネマ旬報、ぴあ、夜リラタイム等で書いています。著書『血とエロスはいとこ同士』(Pヴァイン)発売中。仕事のご依頼等はnoribumistアットyahoo.co.jpまで。映画評https://filmarks.com/users/manayaekoも。

最近の記事

夜リラタイムはジーナ・ローランズ追悼

隔週連載の夜リラタイムはジーナ・ローランズ追悼です。ジョン・カサヴェテスの映画の話が主な内容になってしまいましたが。 『ラヴ・ストリームス』が一番好きな作品なものの、配信がないのでとりあげられなかったのが残念。

    • ぴあの7月のベスト3と、オススメで『ソウルの春』

      ぴあで8月23日公開の『ソウルの春』をオススメしています。ファン・ジョンミンが出演している映画は、とりあえず観ておきたいですよね。 個人的には映画としての出来より、歴史をこう切り取るのかという視点に興味深さを感じました。日本でも昭和の頃には二・二六事件を扱った映画が多く作られましたが、主観の置き方が全然違っていて、悲劇的なヒロイック性が強い。けれど『ソウルの春』を観るとイマドキ、過去を振り返るならこうなんだなと。観客にシニカルは通じると信頼すべきだと思います。

      • 朝日新聞に『助産師たちの夜が明ける』の映画評を寄稿

        本日の朝日新聞夕刊に『助産師たちの夜が明ける』の映画評を寄稿しています。本当に良い映画なので、ぜひ足を運んでいただきたいです。 わたしが日本でしてほしいのは、年頃の子どもたちに避妊の必要性をきちんと教育することです。それと、ピルの選択肢を増やすこと。中絶についても教えてほしいし、当然男女ともに中三と高二くらいで、念押しで二度ほど特別授業をすべきと思っています。シングルマザーの貧困度もちゃんと教えて、女の子たちに軽い気持ちで「わたし一人で育てるからいい」と、簡単に決断をしても

        • 『アクション・ミュタンテ 4K』にコメントを寄せています

          『アクション・ミュタンテ 4K』にコメントを寄せています。アレックス・デ・ラ・イグレシアの処女長編であり、傑作です。 最近のイグレシアより、昔の方が好きでした…。『どつかれてアンダルシア (仮)』『13 みんなのしあわせ』とか。『オックスフォード連続殺人』にイライジャ・ウッドが出ていたときは、さすがのチョイスと思いました。イライジャにはいつまでも、変な映画に出ていてもらいたいです。

        夜リラタイムはジーナ・ローランズ追悼

          『#スージー・サーチ』のパンフレットに寄稿しています

          本日9日公開の、『#スージー・サーチ』のパンフレットに寄稿しています。女性監督の作品ですし、展開が意外で面白いサスペンスとなっています。若い子の承認欲求の強さが巻き起こす出来事で、ラストの切れ味まで見事です。

          『#スージー・サーチ』のパンフレットに寄稿しています

          夜リラタイム更新していますー介護について

          夏休みを一回貰った夜リラタイムの更新です。今回は「親の老後に備えて、心の準備をしましょう」という内容。親の介護は心の準備の他に、必要な知識を得ておくといいと本当に思います。介護職の離職率が高いという記事を見て、すでに遠距離介護を終えたわたしは、滑り込みで済んだ方かと感じました。今後は地方から来ているかたは、介護も大変になる心配を書いています。

          夜リラタイム更新していますー介護について

          ぴあで8月にこれから観たい映画を選んでいます

          なんだか他の皆さんと選んでいる映画が違う……。浮いてる……。

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          女性が作ったオススメのバッドエンド映画まとめ

          『バッドエンドの誘惑 Kindle版』に加筆した章を、紹介します。すべてわたしの好きな作品で、ぜひ観ていただきたいです。いま現在、配信で観られる映画ばかりです。 章のタイトルは―― 「女性監督たちによるバッドエンド映画名鑑」 それでは作品紹介です。 『グッドナイト・マミー』(14年版) 『ロッジ -白い惨劇-』 「パラダイス」三部作を撮ったウルリヒ・ザイドルという監督をご存じでしょうか。これらで脚本を担当した、ザイドルの妻のヴェロニカ・フランツがこの2作の監督です。共同監

          女性が作ったオススメのバッドエンド映画まとめ

          オススメのフェミニズム映画まとめ

          『映画なしでは生きられない Kindle版』に加筆した章の詳細を紹介します。どれもフェミニズム映画として重要な作品なので、未見の映画があったらぜひオススメです。以下は現在、すべて配信で観られます。 加筆した章のタイトルはーー 「女性監督による、子供に複雑な感情を持つ女性の映画――わたしたちはみんな怪物」 それでは作品紹介です。 『セイント・フランシス』 まず主人公である子どものいない女性が、34歳で中絶すること。これは女性ひとりひとりで、捉え方や意見が分かれる出来事でしょ

          オススメのフェミニズム映画まとめ

          ぴあで『Chime』をオススメしています

          今年、黒沢清監督作品が『蛇の道』『Chime』『Cloud クラウド』と3本公開されます。『Chime』は中篇作品ですが、それゆえに混沌としたまま差し出されたような映画で、その分裂症気味な内容が心地良いです。ラストがなんだか解放感を覚えて、しみじみしてしまいます。

          ぴあで『Chime』をオススメしています

          『バッドエンドの誘惑』が電子書籍になります

          今年の夏、拙著『映画なしでは生きられない』『バッドエンドの誘惑』が電子書籍化されます。『バッドエンドの誘惑』は当時急ぎ作業で、ちょっと忸怩たる思いもあったため、今回大幅に修正を加えました。そして、新たに7000字ほどの新しい章も書き下ろしています。単行本を買っていただいた方に、ダブりで購入していただくのは心苦しいですが、違いや新章に興味がおありでしたら、DLしていただけますと幸いです。 書き下ろしは 女性監督たちによるバッドエンド映画名鑑 『グッドナイト・マミー』(14年

          『バッドエンドの誘惑』が電子書籍になります

          『映画なしでは生きられない』が電子書籍になります

          今年の夏、過去に出版した拙著『映画なしでは生きられない』『バッドエンドの誘惑』が電子書籍化されます。版元がなくなってしまったので、増刷など見込めなかったため、大変ありがたいことです。せっかくの電子書籍化に当たって、修正を入れ、『映画なしでは生きられない』では9000字の章も新たに書き下ろして加えました。単行本を買っていただいた方も、もし興味があればDLしていただけますと幸いです。書き下ろしは、 女性監督による、こどもに複雑な感情を持つ女性の映画――わたしたちはみんな怪物 『

          『映画なしでは生きられない』が電子書籍になります

          ぴあで『お隣さんはヒトラー?』をオススメ

          緩いコメディみたいなタイトルですし、ちょっと汚いギャグもあったりするのですが、グッと戦争の傷をクローズアップする良作です。戦争で人生を壊されるにしても、様々な形がある。でも戦後になれば怨讐を乗り越えていけるはずという、人の心を信じる映画です。

          ぴあで『お隣さんはヒトラー?』をオススメ

          『キネマ旬報』の星取

          20日発売の『キネマ旬報』8月号で、星取クロスレビューを担当しています。映画は『スリープ』『フェラーリ』『密輸 1970』『墓泥棒と失われた女神』です。『スリープ』は意外に良かったですが、やはり今観るのは悲しいですね。

          『キネマ旬報』の星取

          インティマシー・コーディネーターの必要性について

          隔週連載の夜リラタイムが更新されました。今回は『先生の白い嘘』で注目を集めた「インティマシー・コーディネーターの必要性について」です。『先生の白い嘘』に関しては、ちょっと苦い思いもあって……。 日本で活躍するインティマシー・コーディネーターの西山ももこさんには、これまでの経歴や、ICの仕事について詳しく記した著書もあるので、オススメです。

          インティマシー・コーディネーターの必要性について

          朝日新聞で映画『ルックバック』評

          12日(金)の朝日新聞夕刊に、映画『ルックバック』評を寄稿しています。原作よりわかりやすく処理されていると感じました。原作の方がうねりが激しかったですね。

          朝日新聞で映画『ルックバック』評