高知の南風(まぜ)

 今朝の土佐湾は温かくおだやかな波、朝6時30分。明けの明星と鋭利な鎌のように凛とした三日月が、日の出前の太陽が染めた赤い空に輝く。

 風が南から吹いている。つい数日前までは強い北西の風だったのに。

 南風、高知の漁師さんは「まぜ」と呼ぶ。語源ははっきりしないが温暖で柔らかい南風が吹くと「まぜが吹きゆう」という。

 南風、辞書では「みなみかぜ」「はえ」が掲載されているが「まぜ」は掲載されていない。ちなみに、すべて辞書にはないが東風は「こぜ」、西風は「なぜ」、北風は「よぜ」。

 南風、土佐湾では外海から砂浜に向かって波が押し寄せるので、冬の間は見かけなかったペットボトルやトレイのプラスチックごみがやってくる。

 南風、脂ののった清水サバがそろそろ終わり、カツオの季節が始まる。タケノコもそろそろ日曜市に並びそう。

 南風、とにかく穏やかで温かい気持ちにさせてくれる。この風と柔らかい日差しを浴びながら、午後は浜辺でビールを飲もう。

 

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