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『時効警察はじめました』"死を予言する男"

朝起きて『時効警察はじめました』最終回をTVerで見た。めちゃくちゃ好きだった『熱海の捜査官』出演メンバー数名が最終回ゲストで三木聡監督の作品が連なっていく感じがよかった。

相鉄都心直通ムービーではくるり『ばらの花』×サカナクション『ネイティブダンサー』マッシュアップに染谷将太×二階堂ふみという園子温監督『ヒミズ』コンビが出演しているが、ふたりは映画の前に『熱海の捜査官』で共演していた。
ほかにも三吉彩花や今回ゲスト出演していた山崎賢人も出演していたので今考えるとあそこの学生たちすごいみんな頭角を表したんだなって思う。警察官役だった松重豊さんと小路勇介さんもゲストだったのも憎い。

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そもそも『熱海の捜査官』は『ツイン・ピークス』みたいなものを三木さんがやろうとしていたはず。「熱海」は輪廻転生の狭間にあるような場所として設定されて記憶がある。
だから、最終回に三吉彩花が告げる言葉の「実は私たち◯◯◯◯◯ですよ」が種明かしであり、そして彼女とオダギリジョー演じた主人公の星崎がバスに乗って、まるで赤子が子宮から出てくるような光の中に入っていって終わる。
星崎は東京での事件のこのことを向こうの事件みたいな言い方をしていて、それは生きている時の事件というようなニュアンスにもとれるような匂わせがいくつもあった。『時効警察』最終回でも犯人は「もう一度生まれ変わる」暗示をかけていたのも実は似ている。ラストシーンで霧山が三日月(麻生久美子)に告げる言葉は『熱海の捜査官』で三吉彩花が言った言葉の反転したものにも思える。霧山が告げた言葉は未来のことであり、それは生きていないと叶わないものでもあった。

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今回の3回目の『時効警察』は、前回で霧山はFBIに参加するために渡米していたが日本に帰ってきてからの期間のものだった。『熱海の捜査官』で星崎の相棒である北島(栗山千明)は最終的に「熱海」に置いてけぼりにされた。FBI時代に実は死にかけるかなにかの事件の巻き込まれた間に、霧山が星崎として「熱海」にやってきたみたいな裏設定を作れば、三木聡ワールドとして『時効警察』と『熱海の捜査官』は世界観を共有していることになる。

ひとつの物語を作って、ほかの物語を作っている時に前のものや他の作品が共鳴して連なってくることがある。だから、あとづけでもある人物が作った作品がサーガやシェアワールド化していくことはたぶんある。三木さんのゆるさ、ゆるく見える演出や設定、遊び心が実はそういう想像の余地をさせるということもある。

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