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研究会#20 花舞(小原流 准教授) 2023年6月

花型: 花舞 = 花材の特徴を捉え、2種または3種の花材で緊張感のある立体美を表現する。
花材: 旭葉蘭(2)、向日葵(2)
花器: 新洋式花器
〈結果〉95点

□当日の花の状態と意識したこと

▷向日葵
 ・ほぼ同じ大きさで2本とも花首から3〜4cm下のところに曲がりがあった。
  ⇒向日葵の曲がりの位置で葉蘭との寄り合いの位置を作る。
▷旭葉蘭
 ・1本はやや小さめで全体的に緑で、もう1本は長さ(外の直径+内の直径)をとって5cmくらい余る長さで白い部分が少しあった。
  ⇒向日葵と合わせた時に後者の方がバランスが保たれる気がしたので、後者を選び、手や竹串で立体感のある葉を作った。

□今回のお題で意識したこと(お稽古での学び)

・主材と配材の区別がないため、配られた4本から好みの組み合わせとなる旭葉蘭と向日葵を1本ずつ選ぶ。
・花材の長さの決まりはないが、花器の外側の長さ+内側の長さが目安。
・目線の位置で2本が1番近づくことが望ましい。(見る人によって目線は異なるのであくまでも目安。)
・新様式花器ではどちらか一方の花材が器の端に接するように挿す。もう一方の花材の挿し位置を左右に移動させ、両者が美しく寄り合う位置を探す。
・2種の花材が触れ合うか触れ合わないか、ぎりぎりの緊張感を見せる。
・葉蘭は面と線を見せるよう、形を変える。
・花材の先が挿し位置から向かう方向に行きっぱなしではなく、中心に向かうよう花の向きをよく見て挿したり、葉先を整える。
・特に決まりはないが2本の花材のバランスは1:1にする。
・2本の花材が寄り合う位置は上から見た時に花器の範囲内におさめる。この点は中心からは外す。
・葉蘭は葉表が向日葵の方を向く。

□研究会で学んだこと(講評・寸評: 青塚幸枝先生)

〔講評〕
 ・花舞は”空で生ける”花型と言われるように、手の中でどっちから何を生けるのかよく観察をする。
 ・旭葉蘭は葉先を溜めて曲線を作る。
 ・緊張感を表現する = 安定感を作ってはいけない。
 ・基本的に2本はO脚ではなく、X脚のイメージ。近づきあいながら寄り合う。
 ・花材のうち1本の挿し口は花器に触れる。
〔寸評〕
 ・旭葉蘭の曲線が上に行ったきりになっていないこと、花の表情を捉えられていることがよき。

□今回の研究会の感想

花舞は習ってからまだそれほど回数を重ねてるわけではないけれど、2本としっかり向き合って器の中に納められた時の”よし、これだ!”が最高に気持ち良いのでとても好きな花型です。(最初に見た時は何が良しとされていて、何を持って生け終わったと思うのか不思議だったけれど。)
今回の組み合わせは、夏の熱を感じさせる向日葵と勢いのある緑の葉蘭の組み合わせだったので、オレンジと緑の対をうまくおさめられたらいいなと思って挑みました。
結果的に葉蘭は大胆に曲げ、向日葵を花器に触れさせる花にしました。向日葵の花と葉蘭を重ねずそれぞれを空間に納めたので、個々の強さを表現しながらも向日葵の茎と葉蘭の緑の濃淡と、そこにできた緊張感がうまく納められたなと思います。(葉蘭に映る向日葵の茎の影がお気に入り◎)
欲を言えば、葉蘭の茎をもう少し溜めて、まっすぐな向日葵の茎との対比を作れたらよかったな〜。
審査が終わって部屋に戻る頃には葉蘭の曲がりが変わってしまっていたので、次はどうすれば良いのか考えたいです。

実は今回がおそらく准教授で参加する最後の研究会だったので、納得のいくいけばなができた上で点数もいただけて満足でした。
あと1年強は准教授だと思っていたのであっという間に准教授期間が終わってしまった〜〜。

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