研究会#24 ひらくかたち(小原流 四級家元教授) 2024年2月
ひらくかたち: 主枝・副枝で"ひらく"姿の美しさを表現する。
花材: 芽出し木苺、チューリップ(2)、スイートピー(2)、レザーファン(1)
花器: プリンセス
〈結果〉90点
□今回のお題で意識したこと(お稽古での学び)
・主枝と副枝は同じ花材でも異なる花材でもどちらでもよい。
・主枝は器から器の横の1.5倍〜2倍が出るくらいが目安。(長机の半分に収まるくらい)
・主枝と副枝の傾きは60°〜90°、客枝は45°〜60°。
・主枝と副枝を同じ花材にする場合、主枝の方に同じ花材を足して力を加え、副枝は異なる花材でよい。
・主枝と副枝を異なる花材にする場合、それぞれ同じ花材を中間枝として力を加える。
・中間枝は主枝と副枝を結ぶ直線から前後30°以内。
・副詞は主枝と同寸〜2/3の長さ。
・上から見たときに主枝の頭と副枝の頭を結んだ線が中心を通る直線になる。
・中間高は主枝と副枝の直線上より前傾させる。
・客枝は主枝の長さの1/3、左右に20°の範囲内であれば振ってよい。
・木苺は溜めがききにくい花材なので、鋏で切れ目を入れて折る。とくに役枝に使うときはひらく流れを作るために折っておくとよい。
・お稽古時の花材の色合わせが枝物と柔らかな色であるため、主枝と副枝に芽出し木苺、客枝と中間高にチューリップ、スイートピーは中間枝として使った。
・主枝と副枝に添える花材はそれぞれの1/3〜1/2くらいが目安。
・レザーファンは右に出る葉は剣山の左側から、左に出る葉は剣山の右側から刺して、中心でクロスするように指すと、本数を入れなくても根締まりよく見える。
・花材の色がバラバラに入ったり、偏って入れて中心できっぱり色の切れ目ができないように、中心より半分にも色を入れる。
□当日の花の状態
▷ 芽出し木苺
・お稽古よりも華奢な枝ぶりで、3本取るのが限界だった。
⇒主枝に芽出し木苺、福祉にスイートピーを使うことも考えていたが、小ぶりな芽出し木苺と白のスイートピーを役枝に使うことでチューリップのピンクが真ん中で力を持つ気がしたため、主枝と副枝ともに芽出し木苺を選んだ。
▷チューリップ
・ぱきっとした黄色だった。
・大きいチューリップが1本、小さめのチューリップが1本だった。
⇒大きめのチューリップを客枝、小さめのチューリップを中間高として使った。
▷スイートピー
・花びらの縁が薄くピンクづいた白のスイートピーだった。
・花びらは大きく、芽出し木苺と比べても大ぶりだった。
⇒副枝として使うか迷うくらい力のある花だったが、芽出し木苺の枝が細く、どちらが主枝なのかわからなくなりそうだったので、役枝としては使わず、中間枝として使った。
▷レザーファン
・細分化しやすく先端も綺麗な葉だった。
⇒細かく分け、中心に中間枝として挿した。
□研究会で学んだこと(講評・寸評: 諏訪彩峰先生)
・スイートピーがしっかりとしていたので、長めに使って力を外に向けられるとよい。
・真ん中の間を埋めようとしすぎると、外に向かう"ひらく"強さが弱まってしまう。
〈寸評〉
・中間高が後ろに行きすぎているから真ん中がぱかっと開いてしまう。中間高を前傾させて真ん中に寄せるとよい。
・中間枝として挿れている短いスイートピーをもう少し長めに挿れられると"ひらく"力が出た。
・主枝と副枝に対して客枝が長かった。3〜5cmほど短くし、グッと下に落とすと真ん中の力がより強まった。
□今回の研究会の感想
転籍して初めての90点…。
師範科一期のときにひらくかたちで100点をいただけていたので、ひらくかたちはこういうもの!という考えが強くなっていたなと反省。
役枝と他の花物の使い方に着目できておらず、極端に言えば、レザーファンを高低差、長短をつけて使えばいいと思いすぎていたと思います。
諏訪先生の寸評は相対的ではなく絶対的で、こういう役枝を選んだんだからこうした方が"ひらく"が表現できるよね、というもので、自分の生け方や考え方を見直すいい機会になりました。
またいつか来てくださった時にはいいお花が生けられてるといいな〜🌷
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